石松恒
2015年5月27日13時24分
新たな安全保障関連11法案を審議する衆院の特別委員会が27日、始まった。安倍晋三首相は、集団的自衛権を他国領域で行使するかどうかについて「一般に許されない」とする一方で、中東・ホルムズ海峡での機雷除去は認められるとの考えを示した。さらに邦人輸送中の米艦防護でも、他国の領域で武力を行使する可能性に触れた。
首相はこの日、他国領域での武力行使について、「一般に自衛のための最小限度を超えるもので、憲法上許されない」と述べた。一方で、首相ら政府側は、この日の審議で、中東・ホルムズ海峡での機雷除去に加え、他国のミサイル発射を防ぐ敵基地攻撃や邦人輸送中の米艦防護など、複数の事例で武力行使を認める可能性を示した。他国領域での武力行使がどこまで認められるか、今後の国会論戦の焦点となりそうだ。
首相は、中東地域で日本が集団的自衛権を行使する場合の事例として、日本への石油の供給ルートにあたるホルムズ海峡での機雷除去を提示。「その機雷が(他国の)領海にある場合もあるが、極めて制限的、受動的であり、(集団的自衛権の行使が認められる)必要最小限度内にとどまることもありうる」と述べ、他国の領域であっても、武力行使は認められるとの認識を示した。
その上で、「現在、他の例は念頭にない」とも語り、中東地域では、機雷除去以外に集団的自衛権を行使するケースは想定していないと説明した。
ただ、首相は邦人輸送中の米艦防護が必要になった場合に、他国領域で集団的自衛権を行使するかどうかを問われ、「(他国の)領海に入るかどうかは慎重な当てはめをしていく」と述べた。
横畠裕介・内閣法制局長官もこの日の審議で、「誘導弾等の基地をたたく以外に攻撃を防ぐ方法がない場合、他国の領域における武力行動は許されないわけではない」と説明。「国の存立を脅かし、国民の権利が根底から覆される明白な危険」があるなど「武力行使の新3要件」を満たせば、敵基地攻撃など海外での武力行使は憲法上認められるとの見解を示した。自民党の高村正彦副総裁、民主党の岡田克也代表の質問に答えた。
また、自衛隊の海外派遣の拡大に伴い、隊員のリスクが高まるかどうかについて、首相は「リスクがないとは言っていないが、日米同盟の強化は国民全体のリスクを低減させることにつながる」と強調した。
政府は、昨年7月の閣議決定に基づいて集団的自衛権を行使し、自衛隊の海外活動を拡大する関連11法案の今国会中の成立を目指している。(石松恒)
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