ブルペンで投げ込むヤンキース・田中(手前)を見守る元ヤンキースのアンディ・ペティットさん=ニューヨークで(共同)
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名門ヤンキースが、バーニー・ウィリアムズ元外野手(46)の永久欠番セレモニーのために集まった多数のOBたちの前で赤っ恥の6連敗を喫した。24日もレンジャーズに2−5で敗れ、同一カード3連敗。最多で「9」あった貯金が底をついた。投手の台所事情が苦しいヤ軍において、27日(日本時間28日)に3Aスクラントンでリハビリ登板(対ポータケット)を控える田中将大投手(26)のメジャー復帰が「待ったなし」の状況になりつつある。
ウィリアムズさんの式典で高まっていたスタジアムのボルテージが、プレーボールからたちまち霧散した。左腕カプアーノが初回、レンジャーズ3番フィルダーに右中間二塁打を許して先制点を献上。その裏に逆転したのもつかの間。2回に9番ロサレスに逆転2ランを浴びると、二度と追い付けなかった。「もっといいプレーをしなくてはいけない」。4月21日以来の勝率5割に、ジラルディ監督が怒りをあらわにするのも当然だった。
ヤ軍ファンなら思っただろう。「田中がいれば…」と。田中はレンジャーズ戦前のブルペンで27日の2度目のリハビリ登板へ向けて31球を投げ込んだが、その背後にはこの日だからこその人影があった。メジャー通算256勝の元エース左腕のアンディ・ペティットさん(42)だ。
興味深げに田中のスライダーの握りについて尋ねる場面もあったペティットさん。「制球も変化球も素晴らしい。もし半分でも彼のような資質を持っていたら、自分の現役時代はもっと楽になっていただろう」。共同電によれば、単なるリップサービスには聞こえない賛辞を贈っていた。
「力強さも出てきたし、状態は良くなってきた。チームから『投げてほしい』といわれることがあれば、そこに合わせていくのは当然だと思っている」。球団公式サイトによると、田中は練習後にそう力強く語った。投手陣再建待ったなしのヤ軍。6月1日からのマリナーズ3連戦(ビジター)が復帰の最短ターゲットとなる。
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