COOP、いわゆる協力ゲームは、ゲーマー友達との会話の種にもなり、それでいて特別なゲームプレイを教えてくれる、最高の場所だ。
私が今回選んだ10本は、どれもそれなりに有名だが、COOPゲームとして最高のパフォーマンスを得られる作品ばかりである。
今回はジャンル・人数・難易度を指標として加え、更にモチベにも響くマッチングの良し悪しや日本語への対応具合も記載した。友人と購入相談する前に参考にして頂ければ幸いである。
Orcs Must Die! 2
ジャンル:TPS・タワーディフェンス
対応人数:1~2人
難易度:普通
とてもマッチングしやすい/日本語吹き替え対応
Robot Entertainmentによって開発された、タワーディフェンス要素の強いTPS。様々なトラップを設置して敵と戦うゲームという、何だか『影牢』のようなゲームだ。
まず本作といえば、高い爽快感は外せない。破壊力抜群のトラップ、ハンマーやマグマ床などで、無数のオークを蹴散らすのは爽快だ。
それらに加え、本作のCOOPを楽しませるのは、複数のトラップを組み合わせて敵を倒すと収入が増える「コンボシステム」だ。
いくらトラップが強力といえ、所持金の範囲内でしか買えないため、設置できる数には限度がある。なので、お互いのプレイヤーは、互いのトラップを組み合わせ、より多くのポイントを稼ごうと努力する。ただゲームクリアのために協力するのでなく、快適でリッチになるための緩やかな協力が本作の醍醐味だ。
Magicka
ジャンル:クォータービュー・アクション
対応人数:1~4人
難易度:普通
ややマッチングしにくい、日本語化MODあり
Arrowhead Game Studiosによって開発された、魔法使いが主役のディアボロライクな見下ろし視点のアクションゲーム。8つの属性を好きなように組み合わせ、様々な魔法を放って攻撃する。
組み合わせた魔法から生まれるパターンは非常に多く、自分の剣に炎をまとわせたり、広範囲に電撃を放つ等、その数はプレイヤーの発想次第。
更に面白いのは、本作では常にFF(同士討ち)がONである点だ。当然お互いの射線には気を配らねば、どちらか片方が消し炭になりかねない。しかし、同時に回復魔法で援護したり、敵の攻撃で燃えてる仲間を水魔法で消化したりなど、様々な方法で味方をバックアップできる。
パロディがてんこ盛りのストーリーしかり、誤射を含めたシビアなアクションしかり、絶妙なバランスが魅力のシンプルなCOOPゲームだ。
Portal 2
ジャンル:FPS・パズル
対応人数:1~2人
難易度:難しい
とてもマッチングしやすい、日本語字幕対応
Valveによって開発された、FPS視点のパズルゲーム。「どこでもドア」のようなものを生成するポータルガンで、崩壊した実験施設から脱出するのが目的。
前作『Portal』は一人称視点を活用したパズルゲームとして、そのユーモア溢れるストーリーと合わせて評判となった、Valveの人気シリーズだ。
本作はごくごくシンプルで、ほとんどポータルガンをどう使うか考えるだけでクリアできてしまう。特別なルールはないし、すばやくクリアする必要もない。
しかし、これほど明快なルールながら、本作は意外と難しい。Valveらしい高度なレベルデザインにより、ちょうど「2人」集まってようやく解ける程の難易度になっている。
銃でドンパチするのに飽きた方や、じっくり立ち止まって考察するのが好きな方に、お勧めしたい。
Borderlands 2
ジャンル:FPS・ハック&スラッシュ
対応人数:1~4人
難易度:易しい
とてもマッチングしやすい、日本語吹き替え対応
Gearboxによって開発された、ハック&スラッシュ要素が強いFPS。プレイヤーは特徴的な4つのクラスから1人を選択し、スキルを自由に振り分けることが出来る。
さて、今回紹介するゲームの中で、『Boderlands 2』は最もリラックスして遊べるゲームであることは間違いない。
基本的に、アイテムを回収し、レベルを上げる、ハック&スラッシュのゲームであるが、エネミーのレベルはプレイヤー側のレベルに依存し、よっぽど変な育て方をしない限り、「積む」という状況は訪れない。
それでいて、本作は基本に忠実なシューターであり、部位破壊の概念もあるなど、撃って隠れる楽しさはしっかり用意されている。勿論、巨大ボスや、イベント、強すぎるアビリティなど、RPGならではの魅力もてんこ盛りだ。
膨大なコンテンツを、わいわい盛り上がりながら攻略していく楽しさを求めるなら、このゲームはマストバイ。
R.U.S.E.
ジャンル:RTS・Total War系
対応人数:1~4人
難易度:普通
マッチングしやすい、日本語化MOD対応
Eugen Systemsによって開発された、第二次世界大戦を舞台とするRTS。プレイヤーは5カ国から好きな軍隊を選び、敵の軍隊に勝利しなければならない。
さて、RTSと聞けば、誰もが「難しいゲーム」という印象を抱くだろう。
だが、本作はRTSの中でも非常に易しい。まず、ユニットは自動で移動から砲撃まで行い、遮蔽や特殊攻撃といった複雑な操作は一切必要としない。いくからの地政学的な戦略と、ユニットの相性、規模のギャップのみが、戦争の勝利を導くのである。
更に、本作には「戦場の霧」が存在せず、最初から戦場全体を見渡すことが出来る。加えて、本作はカメラの移動がとても楽で、『Starcraft 2』のようにせわしなくミニマップを確認する必要がなく、誰でもロンメル将軍のようにユニットを自在に動かすことが出来るだろう。
『R.U.S.E.』は、本来COOPで遊ぶには難しいとされたRTSながら、実に優れたプレイアビリティを誇っている。AIを入れてCOOPや対戦が出来るので、初心者同士でも気兼ねなくトライして欲しい。
The Crew
ジャンル:レース・オープンワールド
対応人数:1~4人
難易度:易しい
マッチングしやすい、日本語吹き替え対応
Ivoy Towerによって開発された、アメリカを模した広大なオープンワールドを舞台とするレースゲーム。『TDU』のように、オンラインで他プレイヤーとシームレスにプレイできるのが特徴。
このゲームの醍醐味と言えば、なんといってユニークながら広大なオープンワールドは外せない。
コロラドで日光浴を楽しみ、ロックキャニオンで悠久の時を悟り、ニューヨークで摩天楼を仰ぐ。アメリカのランドマークが各地にこれでもかと点在し、少し走り出せば、また新たな観光地を発見する。もちろん、アクセルを踏み込んで、全速力で駆け抜けてもいい。
この体験は、COOPで味わうことで、2倍にも3倍にも味わい深いものとなる。スポーツカーで、何万ドルもかかりそうなツーリングを楽しみ、夕日を眺めながら感想を交える。これほどにゴージャスなCOOPはそうそうないだろう。
DARK SOULS 2
ジャンル:3Dアクション・アクションRPG
対応人数:1~3人
難易度:難しい
ややマッチングし辛い、日本語字幕対応
From Softwareによって開発された、ダークファンタジーの世界観と、硬派なレベルデザインがウリであるアクションRPG、『Souls』シリーズの続編。
本作は元々シングルプレーがメインとなった作品であるが、このシングルプレーで培われた、キャラクターの強烈な個性を存分に生かせる点が素晴らしい。
例えば、本作は並のRPGなど比ではないほどに、多様な防具に武器、アイテムやステータスが用意され、プレイヤーの攻略状態や好みによって、自在にキャラクリエイトすることが可能であり、
狙撃に特化した弓兵、大盾で前衛を務める騎士といった、ゲーム性的な自由度もさながら、中世~近代で実在した様々な美しい防具、歴史の教科書から取り出したようなクールな武器が、プレイヤーのセンスをくすぐるだろう。(まるで『Spore』のように)
その上、ハードな難易度や素晴らしいデザインの防具、そしてアクションという親しみやすいジャンルが、そこらの専用モードより遥かに上質な協力プレイを実現している。
Spintires
ジャンル:レース・シミュレーター
対応人数:1~4人
難易度:難しい
マッチングしやすい、日本語字幕対応
Oovee Game Studiosによって開発された、旧ソ連の大地で木材を運び続けるトラックシミュレーター。
本作は、舗装されるどころか泥がたまってしまったロシアの平原を、馬鹿でかい軍用トラックと、木にくくりつけたワイヤーで、数メートルずつ進むという、およそ疾走とも心地よさとも無縁の作品である。
しかし、それでも春の訪れを感じさせる森林の空気と、マフラーから濛々と噴出す黒煙のコントラストは絶妙で、泥道を避けつつウィンチで進む戦略的なゲーム性も悪くない。
そして、本作の魅力と言えば、やはりCOOPモードだろう。COOPでは、プレイヤー同士がウィンチでつないで協力しあったり、輸送車やレッカー車で直接支援することも可能。
泥、森、霧、そしてトラック。栄えある労働者として、上司もノルマもエイリアンも存在しない自然で汗水たらして働き、友達と一緒に癒されよう。
Monaco
ジャンル:トップビュー・ステルス
対応人数:1~4人
難易度:普通
マッチングしやすい、日本語非対応
Pocketwatch Gamesによって開発された、トップビューによるステルスアクション。それぞれ異なる能力を持つ4人のキャラクターを操り、銀行やクラブハウスからマネーを奪う。
本作はステルスながら遊びやすさに秀でている。まず、トップビューによってお互いの視点をフェアな状態で共有していること、次に、看守やライトといった障害物をくっきり見分けられるデザインが秀逸で、オマケにJazzを基調としたオシャレなサウンドトラックだ。
これにより、お互いのプレイヤーは常に感覚、価値観を共有し、次のベストな行動を予期することが可能となっている。トップビューの客観的な視点と、COOPの相性は抜群なのだ。
レトロな2Dビジュアルを好む方や、硬派なステルスを楽しみたいという方なら、一度遊んでおいて損はない。
Left 4 Dead 2
ジャンル:FPS・脱出アクション
対応人数:1~4人
難易度:難しい
とてもマッチングしやすい、日本語字幕対応
Valveから開発された、ゾンビの支配する街から脱出するFPS。
結局、ここに帰ってきてしまった。私はいくらかのCOOPを遊んできたが、何だかんだSteam中で最もCOOPとして洗練されたタイトルと言えば、この『Left 4 Dead』が頭一つ抜けていると思う。
まず、本作はシューターとしてレベルが高い。ヘッドショットの優位性、武器毎に差別化された性能、通常の射撃に加えた投げ物・サブウェポン・殴打の必然性と、FPSの根底的なギミックをフル活用し、
その上で、FFを避けるための位置取り調整、味方をカバーする観察眼まで求められ、シューターにCOOPの必然性を見事に落とし込んでいる。
更に、味方やアイテムを壁越しに透視でき、自動で飛び出すラジオチャットで聴覚も合わせて状況判断できるなど、COOPを誘引する優れたUIも完璧。奥深さと、度量の大きさが、万人が楽しめる作品へと仕上げているのだ。
それに、刻々と変化するシチュエーション、戦いながら語り始めるキャラクターたちのストーリー性、おっと、もうキリがない。
要するに、神ゲーである。もし「思った程大したことないかな?」と思った方は、是非、AdvancedやExpert、またタイムアタックやスカベンジャーに挑戦して欲しい。地獄の釜の蓋が開くだろう。