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落雪の影響などで屋根がベコベコにへこみ、本年2月から、見るに堪えない惨めな状況に
陥っていた日顕宗の本堂・奉安堂。4カ月も経って、ようやく屋根の補修工事に着手した日
如だが、そこで選んだ手法が、かねてから「下策」と評されていた、亀裂や歪みの目立った
箇所だけ取り替える「部分改修」だった。供養の実入りが増えず財政難にあえぐ宗内の実態
を反映してか、多額の費用を要する「全面改修」には至らなかったわけだが、安価で済ませ
るこの目論見が完全に裏目に出た。
奉安堂西側の屋根では、新しく取り替えた部分だけ、元々の屋根の色と明らかに異なり、
何ともみっともない継ぎはぎ模様が屋根一面に浮き出てしまった。宗内関係者によれば、今
後、防水加工など追加の作業が想定されるというが、経年などから醸し出される色合いの違
いは、もはや再現不可能。当初から懸念されていたとおり、「部分改修」によって、ますま
す陳腐な“張りぼて”ぶりを露呈してしまったのである。こうした、ずさんな対応に、宗内
からも「これでは、まるで付け焼き刃ではないか」「本堂がこのありさまでは恥ずかしい」
といった本音が漏れている。さらに、奉安堂全体を見回すと、屋根の色が継ぎはぎになって
いるのは、何も西側だけではない。参詣者の目を引く正面や東側においても、随所に違いが
ある。
もともと、「体育館」「無意味ながらんどう」などと失笑を買っていた奉安堂だが、もは
や一宗の本堂としての格式など微塵もない。見栄、虚飾、権威――日顕が自身の立場を誇示
したい一心で正本堂を破壊し、建立した奉安堂。法主の権威で取り繕ってきた、その醜い本
性を投影するように、奉安堂のほころびが露わになっている。
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