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日如はこの惨状に一体どう対処するのか。
先般の雪の影響からか、屋根がべコベコにへこみ、実にぶざまな姿となってしまった日顕宗総本山の「奉安堂」。支部登山や毎月の行事で本山にかき集められる信者も、驚きを隠せない。
日如の喫緊の課題は、この、みっともない奉安堂の屋根をどう修繕するかなのだが、これが簡単に済みそうにない。
○案1 部分改修
奉安堂は、地上1階、地下1階建てで、増幅75メートル、奥行き116メートル、高さは55メートル。建築費用の総額は実に200億円といわれる。
屋根の補修にあたり、最も安価なのが、へこんだ箇所だけ修繕する「部分改修」だが、これは、外観的にも技術的にも極めて非現実的。
一部分だけ取り換えると、元の屋根との色合いや消耗度に差異が生じ、全く継ぎはぎ状態になる恐れがある。
京風建築好みの日顕が、最も費用をかけて執着したのが「外観」である。日顕も反対するであろう部分改修に、日如が踏み切るとは思えない。
○案2 下段のみ全面改修
そこで浮上するのが、2階層ある奉安堂の屋根のうち、へこんでいる下段の屋根のみを全面改修する案である。これを実行した場合、優に億単位のカネがかかる。
地上から下段の屋根までの高さは約20メートル。建築専門家の分析によれば、面積から考えて、屋根の表層部分を取り換えるだけでも2億円は下らないという。
また、屋根がへこんだ影響で、構造部分や電気系統に影響が出ていた場合、費用は、けた違いに跳ね上がる。さらに、最大の問題は屋根の「材質」である。
奉安堂の屋根は「本瓦葺きの屋根をイメージし、耐久性の高いカラーステンレス」(「大白蓮」2001年6月号)で造られているが、今回のような被害を防ぐためには、同じ材料の使用は不可能となる。
ところが、もともとステンレスを採用した経緯は、奉安堂が「ホール(外陣・内陣)内に柱を設けず、周囲の壁内の柱だけで支える」(同10月号)構造であることから、「土で作った瓦では、その重量が構造体に大きな負担となるため、より軽い材料が求められる」(同)という理由にあった。
二度とへこませないためには強度を考慮した素材を選ばなければならない。しかし、現在のステンレスより重い材料を用いれば、今度は奉安堂そのものが重みに耐えきれない可能性が出てくる。
軽い材質といえば、チタンが挙げられるが、宗内関係者によれば、そもそも奉安堂を立てる際、チタン屋根が最有力高度ったが、それだと屋根だけで30億円以上かかることから、費用面の理由で却下されたという。
○案3 上・下段の全面改修
下段だけ改修した場合の難点は、部分改修のケースと同様、上段と下段の色合いや材質に違いが出てしまうことにある。
「奉安堂も(東大寺)大仏殿も非常に大きな屋根が特徴的」(同)とまで豪語した以上、上段と下段で色も素材も異なる滑稽な状態では、他宗からも、信者からも笑いものである。
そこで、上・下段の屋根を全面改修するという案が出てくる。しかし、そうなればさらに悲惨である。
専門家によれば、上段までの模様だと足場を組むだけで2~3千万円。現在のステンレス製の屋根だと表面だけでも5億円程度かかると見られる。
そして、材質をチタンにすれば数十億円の莫大な額となる。本山も末寺も財政難の今、どこからその費用を捻出するのか。
末寺や信者を苦しめた特別供養の悪夢が再来するのか。すでに一部の坊主から不安の声があがっている。費用もさることながら、工期の長期化も問題である。
屋根の形状や材質の再検討。実物大の図面・模型製作による検討。軒先や屋根の頂上についている大棟の対応。足場組み、葺き替えに至るまで、一体、何か月を要するのだろうか。
所詮は“京なめり”に固執した日顕の尻ぬぐい。さあ、どうする日如?
創価新報 4月5日号
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