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去る5月28日・29日、大石寺で寺族同心会大会が行われた。宗内関係者によると、近年の同大会の様子は、
さびれゆく宗門の現状を物語っているという。今回の参加対象は、教師(住職)資格のない者も含めた約1100
人の坊主と、その家族ら1900人。年に1度ということで、かつては坊主の女房が、周囲に見せびらかすように
高級な服や装飾品で着飾っていたというが、今は、その面影もない、地味な服装。会食で出る食事も年々、質
素に。長年、参加してきた、ある寺族は、変わりゆく大会のありさまに宗門の行く末を憂えている。大会の参
加自体をボイコットする坊主もいる。こうした状況について、関係者は、宗門や末寺の財政難が関連している
と語る。本山の行事に頻繁にかき集められる遠方の末寺にとっては、毎回、交通費を工面するだけでも四苦八
苦。そのうえ、宗務院が、「緊縮財政」を打ち出し、末寺の負担はさらに大きくなっている。寺の規模を示す
宗内の格付けの中でも、最下層の30等級の寺は、交通費が本山から全額支給されるという。しかし、29等以上
の寺になると、等級が上がるに従い、“半額支給”“全額自腹”となる。そんな中、少しでも負担を減らすた
め、大会への参加を見合わせる寺も出ているというのである。また、大会の内容そのものも、お粗末の極み。
今回は、日如と、寺族同心会の理事である高野法雄(京都・平安寺)、同会長の佐藤日栄(埼玉・本種寺)、
総監・八木日照(東京・法道院)らが、あいさつして終わり。全く中身がない。こんなことだから、御開扉だ
け出て地元に帰る坊主もいるという。
日顕の時代から寺族同心会については、「『同心』という言葉は、即、異体同心の同心であります」(「大
日蓮」1992年7月号)、「一年に一回のこの寺族同心会大会に全員が出席するという気持ちをもって考えてい
かれることが大切と思うのであります」(同2000年7月号)などと、散々、大会の参加を呼びかけてきたが、
出席すらしない坊主が多数とは、「団結」とは程遠い。寺族にまつわる問題は尽きない。住職をさしおいて、
女房が偉そうに振る舞い、顰蹙を買うなど、女房の出過ぎた言動に、各地で信者から不満の声が上がっている。
法主・日如が、「『寺族同心会規約』のなかには、『寺族は、住職主管に従って、寺族教会の護持発展のため
に努力し、宗門の興隆に寄与しなければならない』とあるのです。初めのところが肝心です。『寺族は、住職
主管に従って』ですから、住職を押しのけて信徒の指導をするようなことがないように」「寺族の方々が御自
分の御亭主を敬わないと、御信徒も敬ってくれないのではないでしょうか」(同2011年7月号)と釘を刺す程
だ。いずれにしても、坊主も嫌気が差すほどの“マンネリ”大会など、開催すること自体、無駄そのものであ
る。
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