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新銀行東京 地銀グループと経営統合へ
5月26日 21時03分

新銀行東京 地銀グループと経営統合へ
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東京都の当時の石原知事の発案で都が多額の出資をし、自治体が初めて設立した銀行、「新銀行東京」は、東京に本拠を置く地方銀行グループと経営統合し、傘下に入る方向で交渉を進めていることが明らかになりました。
統合が実現すれば、新銀行東京に対する都の影響力は大幅に低下することになり、銀行経営への関与から事実上、退くことになります。
関係者によりますと、東京都が議決権のある株式の80%余りを持つ「新銀行東京」は、東京都民銀行と八千代銀行を傘下に持つ地方銀行グループ、「東京TYフィナンシャルグループ」と経営統合する方向で交渉を進めているということです。
具体的には、東京都が持つ新銀行東京の株式と東京TYフィナンシャルグループの株式を交換し、新銀行東京はこの地方銀行グループの傘下に入る方向で、詰めの協議を進めています。
経営統合が実現すれば、新銀行東京に対する東京都の影響力は大幅に低下することになり、都は銀行経営への関与から事実上、退くことになります。
新銀行東京は、当時の石原知事の発案で、中小企業を支援しようと都が1000億円を出資して自治体が初めて設立し、平成17年に開業しましたが、ずさんな融資で経営危機に陥り平成20年に都から400億円の追加出資を受けて、経営の再建を進めていました。
最近は景気の回復などで6年連続して黒字を確保していて、都は経営の再建に一定のめどが立ったことから、経営統合を判断したものとみられます。

「新銀行東京」とは

「新銀行東京」は平成15年、東京都の当時の石原知事が選挙公約のなかで、貸し渋りなどに苦しむ中小企業を救う目的で設立を提唱し、平成17年に都が1000億円を出資して開業しました。
しかし、融資先の経営実態を十分に把握しないまま融資を増やしたことなどから、開業まもなくして経営危機に陥り、平成20年に都から400億円の追加出資を受けて経営再建を進めています。
この結果、ことし3月期の決算まで6年連続で最終黒字を確保しており、現在は総資産が4300億円余り、中小企業を中心に1880件の貸し出し先があります。
しかし、新銀行東京を巡っては、経営体力の低下や営業網の縮小により、小規模事業者への貸し出しを十分に行えていないという指摘があることや、都が投入した多額の税金を回収できるかどうかなど、多くの課題が残されています。
▽平成27年3月末総資産 4314億円
▽預金量 2615億円
▽貸出先数 1881件(うち中小企業1799件)
▽純資産 550億円

「東京TYフィナンシャルグループ」とは

「東京TYフィナンシャルグループ」は、去年10月に東京を拠点とする「東京都民銀行」と「八千代銀行」が経営統合して設立されました。
グループの総資産は、新銀行東京の10倍を超える4兆9400億円と、東京に本店を置く地銀としては最大の金融グループで、貸出残高の80%以上が中小企業など向けと、中小企業への融資を強みとしています。
しかし、長引く低金利に加えて、メガバンクや信用金庫などとの貸し出し競争が激しくなっています。
さらに、ほかの地方銀行が首都圏に進出してくる動きが強まる可能性があるなかで、どのように顧客基盤を維持していくかを課題としています。
▽平成27年3月末総資産 4兆9438億円
▽預金量 4兆4913億円
▽東京都民銀行の総資産 2兆6873億円、預金量 2兆3797億円
▽八千代銀行の総資産 2兆2545億円、預金量 2兆1227億円

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