原発の使用済み核燃料を処理する際に出る「原発のごみ」の処分について、国…[続きを読む]
これで教育の質が高まるとはいえない。教員の多様さを失う恐れがある。 …
これで教育の質が高まるとはいえない。教員の多様さを失う恐れがある。
自民党の教育再生実行本部が、教員の免許を「国家免許化」し、国家資格にする提言を出した。
いまの制度は、大学で決められた単位と学位をとり、申請すれば、都道府県の教育委員会から免許が与えられる。
その後、免許をとった自治体に関係なく、都道府県の採用試験に合格すれば、その自治体の学校に勤めることができる。
これに対して実行本部は、大学の課程を終えた後に全国共通の国家試験をし、合格後に1~2年の研修を経て国が免許を与える形を検討している。具体的な制度設計はこれからだ。
遠藤利明・本部長らは記者会見で、国家免許の医師のように教師に尊厳を持ってもらい、地域から尊敬されるようにしたいと話した。
国家資格の分野は、医療や司法、福祉、理美容など幅広い。都道府県ではなく国家資格にすることで、なぜ尊敬されるのか理解しがたい。
どんな試験を、どのようにつくるかも問題だ。政府の見解とは違う答えを書くと、不合格になるようなら困る。求められる教員像に政府がかかわることで、教育がときの政権の立場に左右されてはならない。
いままではそのまま出ていた免許に試験が課される。志願者が減り、逆に優れた人材が他の分野に逃げかねない。
実行本部は、自治体の採用試験の共通化も提案した。
都道府県ごとに必要な教員像は違う。電子黒板などデジタル機器を使いこなす力に重きを置く県もあれば、英語力を大切にする県もある。筆記試験だけでなく実技や面接まで共通にするなら、各自治体のニーズが満たせなくなる可能性が高い。
子どもたちは、さまざまな価値観に出あう必要がある。学校や地域の事情もいろいろだ。多様な先生がいてこそ、応えられる。国が試験や免許で物差しを一本にすることで、教員の人間像を狭めてはならない。
他にもっとすべきことがあるのではないか。日本の教員の勤務時間の長さは国際調査でも際だっている。事務職員を増やし、負担を減らす必要がある。
実行本部自身も提案しているように、奨学金を返還しなくてもすむようにしたり、給与を上げたりしなければ有為な人材は集まらない。
教員という職の魅力を高め、若者をひきつける。国には、その努力こそ求めたい。
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