|
|
さて、「権力」に対抗するには、どうしたらよいか。
それは「怖がらないことだ」と、ドイツのある演劇人は語っている。
ナチス政権の末期、「どうすれば独裁制に対抗できるか」を、仲間同士で徹底的に話し合った。
その結論は、絶対に「怖がらないこと」だったというのである。平気でいることだと。
《権力の屋根》を支える大きな柱は、権力への人々の「不安」である。
ゆえに、「不安」や「恐怖」を持たない人々が現れると、その屋根は大きく崩れてくる。
そして、エマーソン(十九世紀アメリカの思想家)が言うように、「恐怖は無知から生まれる」のである。
知らないがゆえに恐れる。
実態を知れば、恐怖も不安も消える。
何も怖がる必要のないことがわかる。
また権力は、皆が怖がるとつけあがる。皆が困ると喜ぶ。皆が悲しむのがうれしい。
そうした、やっかいな性格をもっている。そうした、ひねくれた趣味に応えてあげる必要は、まったくない。
いわば、「陽気な平静さ」――。これほど強いものはない。
それは、権威の幻影、権力の《張り子の虎》を無力にする。
私どもは、人を脅そうとする陰険な悪の蠢動を平然と見おろしながら、朗らかな前進を重ねていきたい。
【第十八回全国婦人部幹部会 平成三年五月二十五日(全集七十七巻)】
|
|