65年前の名人戦で使用 名対局刻んだ将棋盤、披露へ
2015年05月25日 11時20分
■鳥栖市の犬尾さん 27日、名人戦前夜祭で
1950(昭和25)年、福岡市で開かれた将棋名人戦で使われた後、一時行方が分からなくなり「幻の名盤」と呼ばれた将棋盤が27日、福岡市のホテルで開かれる名人戦第5局の前夜祭で披露される。鳥栖市の病院長、犬尾貞文さん(73)が所有している盤で、日本将棋連盟県支部連合会の椋露地淳市会長(有田町)は「名人戦の重みを知る盤。当時、九州ではめったにタイトル戦が開催されておらず、貴重なもの」と話す。
将棋盤は、犬尾さんが1998年ごろ入手した。裏側に「第九期名人戦第四局対局記念」と書かれ、「名人 木村義雄」「八段 大山康晴」の署名が記されている。ともに昭和を代表する名棋士で、後に木村は十四世、大山は十五世名人となった。
2000年に犬尾さんと日本将棋連盟会長などを務めた中原誠十六世名人が会食した際に「幻の名盤」の話題となり、中原さんが将棋盤を点検し、「間違いない」と確認した。
中原さんは翌01年、駒と駒台を犬尾さんにプレゼントし、将棋盤は同年、佐賀市であった第42期王位戦第4局で使われた。大山十五世名人は早くからタイトルを獲得していたため、単に「八段」と署名した時期は短く、盤を見た当時の羽生善治王位は「珍しい」と話したという。
犬尾さんは、今回の対局が65年前と同じ福岡市で開かれる名人戦で、大山十五世名人最後の弟子の行方尚史(なめかたひさし)八段が羽生名人に挑戦することから公開を決意したといい、「不思議な縁を感じる。多くの将棋ファンに見て楽しんでもらいたい」と話す。