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五話
「ここが王都、アメルヘルムですか」
「サブロウ殿は王都に来たことがないのですか?」
「アクアレインから離れるほど暇ではなかったですからね。お蔭で観光する暇もありませんでしたよ」
辞令を受け取った後日。三郎は、イリーナ姫と共に王都に来ていた。
「王宮は何処にあるのですか?」
「大通りを進めば直ぐに着きますよ」
いきなりの王都に呼ばれた為に、三郎自身は自分の側近として一番信頼があるミキに任命している。アクアレインに万が一にも商人が来ても困らないようにミキと同じように上位種型アンドロイドを配置しているので、商人の交渉も問題なく行えるので問題はなかった。それと王宮に出向くた軍人時代で、あまり使う機会がなかった埃を被っている扶桑公国軍の高級士官用の士官服に着替えて出向く事になった。他の貴族服ほど飾り気はないが、それでもシンプルだが威厳がありそうな服であるためイリーナ自身にも、これで大丈夫かと聞いて問題なしと合格点をもらった。
「まさかこいつをまた着る羽目になるとはな」
「殆ど着る機会がありませんでしたからね」
「確か最後に着たのは中将に昇格した時だっけ……」
三郎の時代で高級士官に昇格することは、銀河戦国時代と比べれば狭き門ではなく、逆に軍人不足が原因で逆に昇格させて艦隊司令官にさせようとする上層部が多い為に、ありがたみが全くなく威張れるものでもないため、軍部よりも「高級士官服いらなくね?」と、いう意見があるが、紛いなりにも士官であるため、一応残しておこうという意見もあるため残されていた。
実際に使う機会など、殆どが階級が昇格した時以外に使う機会がないため三郎自身も着る機会など数回ほどでしかなかった。
「陛下は、直ぐに会えるとの事です。」
王宮に着いた三郎たちは、直ぐにブライダル・アーメルに謁見した。
「私のような一介の商人が陛下に合えて光栄です」
「世事は良い。貴殿が一介の商人であれば、我が国の商人は全員無能の烙印が押されてしまうわ」
「申し訳ございません」
外見は四十代前半の金髪の中年男性。だが、それでも並の人生を歩んだわけではない独特の威厳を纏っている人物であるため、カッコいい大人の見本であると三郎は感じる。
「貴殿は、外海の珍しい品を扱う商人だと聞く。それに、これまで大陸ではお目にかかれない革命的な品を扱うそうだな。それによって我が国の経済発展に貢献した。それで貴族に任命する、というのは表向きだが、貴殿を他国に渡しくないだけだがな」
「はあ、それは聞き及んでいますが、大丈夫なのですか?」
「貴族たちの反発は確かに強い。だが、経済発展こそ国力増加が容易い事は大半の貴族は理解はしておる。反発しているのは頭で理解できても心で納得がいかんだけよ。」
全ての人間が頭で理解できれば事件など起こらないものだ。心で納得がいかないからこそ事件や問題が起こるのである。宗教テロなど、その最もな典型例の一つであろうと三郎自身は、そう思っている。
「とはいえ大領を与えるのは反発が強すぎる。初めは男爵領より初めてもらうぞ。領の名はタボール。領の広さだけなら伯爵領に匹敵するが、魔物が多く生息するために未だに開発が進んでおらん。」
つまり下手な貴族よりは財力がある三郎に、商売と同時に領地開発をしろと言っているのだ。そこから更に詳しく聞くとタボール男爵は、婚約者と後継者に恵まれずに子孫を残さずにこの世を去ってしまったのだと、それゆえタボールの縁がある貴族が存続していたが、魔物は多く、しかも山地に近い為に通行にも不便であるため維持するだけでも赤字になるためいい加減に手放したい事実であるが、そこでブライダルは、商人だが、外海人で外海との縁が強い三郎に領地を運営させてみようと考えたのだ。失敗してもよし、無人地帯が多い量を開発に成功させれば一大領に発展する可能性もある。
ここはあえて、三郎を貴族にして賭けてみようと半分は王の気まぐれの発案で決まったようなものである。三郎からすればはた迷惑な話ではあるが。
「ありがたき幸せ」
三郎自身断る事が出来ないため、このように答える事しかできなかった。それに貰えるものは、余程の危険な品ではない限り貰う主義であるため現在の段階では断る選択はなかった。
ーーー。
ブライダル・アーメルとの謁見が終了して後日。三郎はアクアレインの工場を閉めて本拠地をタボールに移転する準備を始めていた。その後は、このまま本拠地に移って仕事を続けるか?それとも辞めるかの二択を雇った従業員に伝える。無論、辞めても退職金はしっかりと払うので辞めた後でもしばらくは困らない程度の金は渡す事を約束した。その後は、従業員の半分は辞めたが、半分はついていく事を決めた。辞めなかった理由を三郎が聞くと「ここより条件が良い職場は、他にないから」との理由であった。制服が無料で渡され、昼飯つきな上に、週に二回の休みを約束してくれ、しかも他より給料の払いがいいからだとのこと。ちなみに地下に作った秘密工場は、第九艦隊から取り寄せたアンドロイド達に解体させて最後に埋めたてさせて証拠を隠滅させた。
その後、三郎たち一行はアクアレインから、男爵領タボールに向かう。タボールに着くと、そこは村人も元気がなく道は荒れ果てている何とも末期的な村の印象を受けた。
「こいつは酷いな」
「完全に厄介な土地を任されましたね」
とてもではないが、初めから工場を建てて商売品を作る事は出来そうになかった。初めは村や、村から進む道の整備に時間を取られそうだと判断した。
「しばらく赤字だな」
「仕方ないですよ」
三郎もミキも、長期利益のためだと割り切る事にするのだった。
「あの、貴方達は……」
「ああ、俺は今日から新しくタボール領に赴任してきた三郎だ」
「貴族様ですか!?」
「まあ、そうなるね。それより村長の所へ案内してくれないか」
タボールの村人に村長の所へ案内してくれるように頼む。三郎とミキは、村人についていき村長の所へ向かう。
「私が村長です」
「俺は、今日からここの領主となる三郎だよろしく。先ず、村の事情を聴きたい。話してくれるか」
「わかりました」
事前に魔物が多く通行に不便な事を聞いているが、実際に村人たちの生の声を聞きたいと思っている。それから詳しい話を聞くうちに驚く情報が入る。
「はぁ、商人の税が六割を超えるだあ!!」
「は、はい。他の職種も同じように高い税金を……」
「王都に訴えたのか?」
「訴えました。しかし、王自身に届く前に揉み消されて……」
どうやらここの運営を任せられた前の貴族は、余程王宮に強いコネがあったのだろうと三郎は判断する。王から聞いても経営事体が赤字同然であるため、ここの土地より絞るだけ搾り取ろうとしたのだろう。これに呆れた三郎は「末期的な戦時下の状況じゃん」と、あきれ果てていた。
「とりあえず税を変更だ。商税と領税を二割に戻す。それで異存はないか?」
「いえ、それだけでも十分です!!」
三郎自身は税を公平に戻すだけなのに、村長に物凄く感謝された事に戸惑いが隠せなかった。
それから三郎は、先ずは領内の工事から始める事にする。道は整備されていなく凸凹で普通に歩くのも難しい感じがする道があり、何より通行に不便でもある。領内の拡張は、今ある村の改装が終わってからである。
「工事を始めたい。故に人を集められるか?無論、給料は弾む」
「直ぐに若い衆を集めます。ですが、畑仕事もありますのでそんなに多くは……」
「そこは心配しなくていい。こっちにも他に人材もいる心配するな」
先ずは凸凹道を平にする作業に加えて、村の道幅を広くしたりなど荒れ果てた村の工事を進める。シフト制の交代のため、二十四時間継続的に続く。しかし大半は、宇宙艦隊にあったこの惑星の住人になりすましたアンドロイドたちであるから疲れ知らずのアンドロイド達の仕事は早かった。無論、村人が寝た後の深夜は、アンドロイドだけに任せて銀河歴の工具や重機に加えて音を遮断する特殊フィールドを張ってかから使って急ピッチで作業を進める。朝になれば直ぐに使用を辞めて、この惑星のレベルに合わせた工事に変更する。
「夜中に使うのは、技術漏えいを防ぐためですか」
「この惑星で超技術を見せたらヤバい事になるだろ」
「たしかに」
工事以外にも農業に関しても品種改良した種も渡して、育てる事態がこの惑星の麦や米より簡単であった。麦の収穫が楽になるだけでなく数も取れるようになったので、三郎は就任して直ぐに領民の支持を得るのであった。領地運営の基本は三郎曰く「領民を酷使して搾取するだけは下の下。領民を肥えさせたほうが勝ち」との事である。こうして三郎の貴族人生が始まるのであった。
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