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二話
夜で巡洋艦で大気圏を突入後に潜水してアーメル連合国の港町、アクアレインの近くに停泊した。それからしばらく朝になるのを待つことにした。翌日の朝に、先行偵察したアンドロイドたちに馬車を購入するように指示しており、商品を馬車に乗せていく。三郎と付き添いのアキが馬車に搭乗していよいよ商売の準備を進めた。巡洋艦を近くに止めた為に、大した歩行距離ではないため、無難なく町についたが、門がありそこを守る門番がいた。
「身分証明書を見せろ」
「すまない。自分達はよその大陸から来たから、この国の身分証を所持していないんだ」
「外海から来たのか?珍しいな。身分証がないなら近くの詰所に行ってくれ。そこで身分証が発行できる」
三郎の問いに、少し驚く表情になる門番だがあまり気にせず対応した。どうやら全くというほど他の大陸を知らないわけではなく、あまり来ていないだけのようだと三郎は理解した。それから門番に言われた通りに詰所にいく。
「名前は?」
「宮田 三郎だ」
「変わった名前だな」
「それは、他の大陸から来たからね。」
「外海からか。何が目的で来た?」
「商売だ」
「そうか。ならこの紙に名前と出身地を書いてくれ。そうすれば自動的に登録されて身分証が完成する」
簡単な質問を受けた後に、三郎は名前とこの世界の出身地ではないが、扶桑と書いて記入は完了した。すると記入した紙が光りだして、紙は二つに分かれて手のひらサイズになって、一つは三郎の目の前に置かれた。
「これが身分証だ。無くすなよ。初回は身分証を作るのもタダだが、無くすと再発行で銀貨一枚を取られるからな」
因みに銀貨一枚は、扶桑公国の価値で言えば一万銀河円となり、扶桑公国の一般人の平均月収が20万銀河円と考えれば、そこそこ痛い出費である。それと全くどうでもいい話だが、三郎が軍に所属していた時の月収は23万銀河円である。平均収入は一般人よりそこそこ高めの程度であったが、三郎は、たいてい宇宙にいるだけで仕事らしい仕事もしないから、逆に考えればリッチかもと思っていた。何度も言うが、どうでもいい話である。
「商売したいけど、この町でのルールを教えてくれ」
「大抵の町や村には、ギルド会館がある。冒険者になりたいなら冒険者ギルドで登録。商売したいなら商人ギルド登録すれば、場所を借りれば商売は出来る。この町のギルド会館は、町の中央にある。この町でも目立つデカイ建物だから迷う事はないはずだ」
「ありがとう」
どのように商売すればいいか聞いた後に、三郎は身分証を見せた後に門を進んで町の中に入っていく。町の中は、意外と広く馬車が同時に三台ほど並んでも通れるくらいの大通りの道が続いている。地面は石畳であり、町並みは木製ではなく石造りであった。それから進んで町の中央の建物中に入っていく。
そこは広く、様々な人種の人間がいた。如何にも堅気ではない屈強な男やふっくらしたセレブ風の男や、インテリ系の女性……etc。つまり様々な個性ある人物が大勢いるなと三郎は思った。近くな平凡そうな男性を見つけて、三郎は声をかける。
「商人ギルドの受け付けは、どこだ?」
「あの右側のカウンターにいる眼鏡をかけたおっさんの場所だ」
それだけ聞いて三郎は、お礼を言った。男性は気にも留めずその場を去る。三郎はカウンターに向かう。
「なんのご利用ですか?」
「商人ギルドに登録したいのですか」
「新規の商人さんですね。身分証を提示してください」
三郎は、先ほど登録したばかりの身分証を見せる。
「確認させていただきました。サブロウ様ですね。登録を完了しましたので、この町でいつでも商売ができるようになりました」
「なら早速、売り出したいんだが、この町に最も影響力がある商人はいないか?」
「いきなりですね。そんな素晴らしい商品があるのですか?」
商人としては、まだまだ若造に見える三郎に、若造のくせに商売をなめているのかという表情になる。実際に、この国は欧米人に近い為に、東洋系の顔つきの三郎は実年齢より遥かに若く見えるために、余計にそう思われていたが、三郎はある商品を出す。前線基地で作った缶詰と剣であった。
「これはいったい?」
「この金属の容器は、缶詰といって食料が中に入っています。金属で出来ている為に、瓶詰より頑丈で出来ていますよ。」
「試食してよろしいですか?」
「構いませんよ」
とりあえず三郎は、ソーセージ、コンビーフ、乾パン。デザートに桃を出してやった。
「うまい!保存食とは思えない美味だ!それにパンと果物まであるのか!」
試食して宇宙前線基地で作った食品は、好評のようであった。
「で、どれほど保存できるのですか?」
「だいたい三年から五年程度ですね。」
「それでも十分です。」
「剣のほうも確認してくれますか?」
「わかりました」
先ほどまで疑心状態であったが、缶詰の影響もあって笑顔で対応してくれるおっさんに三郎は、とりあえず掴みは成功かなと思った。その後、目利きに剣の精度を確認してもらうと直ぐにOKが出た。
「素晴らしい剣ですね。飾り気は一切ありませんが、軽くて丈夫な剣だと目利きも絶賛しています」
実際に、精度は落としているが超技術の金属の複合技術で通常の金属強度が遥かに増しているので、この惑星の剣で考えられない作りだろう。
「それで、俺を紹介してくれますか?」
「直ぐに手配します!」
こうして三郎は、難なく大商人との接点を掴むのだった。それからしばらくしてから、この町の大商人であるパルツァーとの商談が始まった。
「サブロウ殿は、素晴らしい商品をお持ちですね」
「ありがとうございます。」
簡単な挨拶から入る。そして商品を見せていく。先ほどの缶詰と剣以外にも、マスケット銃に鎧も追加して見せた。さっさく商品の確認入るパルツァーは、缶詰の味と瓶詰以上に強度があり長持ちする缶詰に大変満足していた。鎧も鉄より強度があり軽いチタンで作られるために、これも大変受けた。そして銃に関しては、この惑星の銃は火縄銃が主流であり、まだ火打石式のフリントロック式が開発されていなく、それに他にもオプションパーツをつけて、銃床、照準器、銃剣装置、銃口の口径の共通化等も行った。
マスケット銃を五丁ほど出して、部品をバラバラにして別の銃の部品で新しく組み立てて五丁とも元通りになったなどパルツァーは、驚愕の表情に変わった。実際に、この惑星は、まだ蒸気機関を利用した工作機械がない為に、どうしても武器は手作業であるため部品のサイズはバラバラで、部品の互換性が全くと言っていいほど存在しない。そのため部品の互換性があることで、パルツァーが驚くのも不思議ではなかった。
「サブロウ殿。貴方の商品がすごい事は、わかりました。何故、私が先に?」
「言うなれば信用を得たいからです」
「信用ですか」
「例えば缶詰ですが、これを真っ先に飛びつく顧客は何処ですか?」
「軍ですな」
「そう軍隊です。ですが新人同然の自分に王室が、商談してくれますか?」
それは無理だとパルツァーは呟く。三郎のような身元が分からない外海から来た異国人に、素晴らしい商品を持ってもいきなり王室が商談してくれると思えないからだ。
「武器もそうですが、いくら優れた武器でも直ぐに冒険者たちに売れないでしょう。冒険者は、常にモンスターや護衛など体を張った命がけの商売です。常に信用がある武器を好んで使います。それが何も知られていない自分の商品が売れるとも思いません。パルツァー殿は、大商人で王室にも顔が利きますし、貴方経由なら武器店や防具店も信用があります。だからですよ」
「なるほど」
「まず初回サービスとして、これだけの量を無料で提供しましょう」
三郎は、商品名と数が書かれた紙を渡した。
「これほどの商品が、これだけの数を出して無料ですか?」
「今後ともパルツァー殿とは、良い関係を築きたいものですから。無論売れませんでしたら縁を切っても結構です。返品も不要ですので、そちらで好きにしても構いませんよ」
三郎の気前が良い事に驚くパルツァーだが、三郎にとっては無人惑星でとった資源で簡単に作った商品であるため大した痛手にもならないため、気にもとめなかった。それに、自分の印象をインパクトを与えて、自分の存在が商人として大きいと思わせるためにやった行為だからだ。
「サブロウ殿。これからもよい関係を」
どうやら成功したなと三郎は確信して、笑顔で握手する。こうして大商人との接点を設けた三郎は、すぐさまに商売を展開した。大商人経由であるため信用がある商品として思われた為に、買った後に直ぐに客の信頼を得る事に成功した。その後も商品の品数も増やしていく。酒類はビール、ウィスキー、焼酎、ウォッカ、ブランデー等の地球産の酒を提供。他にもコショウ、みそ、醤油、砂糖、マヨネーズなどなど、この惑星にまだ存在しないものや希少な商品も販売する。無論、他の商人や職人などの既得権益を守るよう数を調整して出していった。
こうして三郎は、短い期間でパルツァーの信頼を得たのだった。
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