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一話
三郎率いる第九艦隊は、この有人惑星の隣の星に拠点を作りだした。一万隻全ては戦闘艦ではなく、後方支援ようの補給艦や工作艦も入っており、そこに既に銀河系の大半を開発しつくした現状であまり意味のない惑星のテラフォーミング装置をセットして、開発をしていた。簡易版の最低限の人工知能しか積んでいないロボットが何万体と積んであり、工事用の重機や道具も取り揃えてあるので疲れを知らないロボットたちの作業により一カ月で、一万隻を収納できる基地が完成した。
基地が完成した事により、それから三郎は小型偵察機や偵察型アンドロイドを有人惑星に飛ばして調査を行った。調査して二か月がたつとある程度の情報が分かるようになった。
「文明は、十五世紀から十六世紀あたりで、どの国も大半が絶対王政が殆どというわけか」
「それに、これまでに前例がない人型以外の知的生命体も確認できました。」
「エルフ、ドワーフ、翼人ね。まるでファンタジーのような世界だな」
これまで銀河歴に入って地球以外の知的生命体が存在する惑星は存在したが、ファンタジー生物や西暦時代の映画のようなエイリアンタイプなどは、存在しなかった。文明レベルも産業革命が起きる前の十一~十二世紀の生活レベルしかなかったからだ。しかも現在でも文明レベルが上がることなく、昔ながらの生活が続いている為に、銀河歴に生きている人々は「何で千年以上が経過してるのに文明レベルが上がらないの?」と、不思議に思っているほどである。
「何度検索しても該当する星は一つもないか」
「そもそも別の銀河に飛ばされた可能性が高いですから、該当する星がないのは当たり前です」
「ですよね」
ミキの冷静なツッコみに三郎も苦笑いするしかなかった。だが、該当する星ではないが面白い事が判明していた。
「実は、この惑星は大陸の形状こそ全くの別物ですが、重力や気候に土地の成分が地球と九割以上一致しているんですよ」
「マジ?」
地球に似ていると言われて三郎も驚く。現在でも地球は、銀河戦国時代が発端となった惑星として禁忌の星として進入禁止地域となっているからだ。そのため地球に似ていると言われて、三郎もインパクトが強かった。
そこで次は、惑星内の国家の現状を聞く。
「大陸は、三つほど存在します。基本は内海や陸路で交易するのが主流ですね。」
「遠くに行くことはないのか?」
「ないですね。船の食料の保存状態がそこまで高いわけではないですし、だから三つの大陸同士は、他の大陸の存在を知っている様子は、ありませんね」
「最も活発な国々は、このオーストラリア大陸に似ている場所か」
「そうですね。他の大陸は、あまり海外に目を向ける様子はありませんし、簡単な交易だけで済ましていますよ」
オーストラリア大陸に似ている大陸に存在する国々は、海外に目を向けて戦も多いが、交易の数も他の二つの大陸と比べて活発であった。
「ロメロ王国、ソーディアン公国、レムアン帝国、プラム教国、アーメル連合国。この五つの国が、主導権争いが活発ですね」
「改めて聞くと、あんまり気兼ねなく星に下りる気が起きないね」
三郎の故郷である扶桑公国は、西暦時代の旧日本国の天皇の血縁者が、地球連邦の貧富の格差があまりに激しい地球の民主主義に反発して、銀河歴初めに数多くの国が建国した国家の一つで天皇を中心とした帝国国家たが、現在は天皇血縁者たちは建国の父の象徴として、絶対権力を持っておらず公国とは名ばかりで、現在は扶桑公国は民主主義国家である。当然のように、極めに究めた科学の粋を集めて便利社会に溶け込んでいた三郎からすれば、絶対王政で民衆が平気で殺される社会など気兼ねなく住めるものではなかった。
「基地で一生過ごしますか?」
「それは嫌だ。こんないつ他の船が来るか運任せの状況で、船でボッチして老衰は流石に嫌だ」
因みにミキが、現在の宙域は別の銀河、または平行世界の可能性があるため他の船はくる確率は、宝くじ一等を連続で当てるのが可愛いと思えるほどの確率でるからだ。三郎の選択は二つ。このまま老衰するまで船で静かに過ごすか、あの星に下りて生活していくかの選択しか残っていない。無論、現状の戦力をフル活用すれば、星一つなどチリと化せて、この星の絶対王者として君臨できるが三郎は、めんどくさいと思ってこれを却下している。
「商売しながら過ごすのも手だな」
「どんな物を売りますか?」
「いきなり、この基地の技術の粋を集めた製品を売り出すのはダメだ。貴族や王族のにらまれる可能性が高い。」
商売して過ごすことを決めている状態で、この星の最大権力者に睨まれるのは勘弁だと判断する三郎。
「情勢を見る限りは本格的な戦争は、今の所起きる気配なく、国境線での小競り合いだけだけど、モンスター被害も洒落にならないから武器の需要もあるか」
「武装も銃はありますが、前時代的な前装式のマスケット銃ですからね。ですが、この惑星は魔法も存在していますから文明レベルは、十六世紀あたりといっても産業革命あたりのレベルまで便利な場合もありますよ」
「でも、魔法って才能任せの部分が強いんだろ?」
「300人に1人の割合でしか成功していませんね」
「戸籍だけで確認しても総人口が七千万くらいで、300人に1人じゃあ、あんまり普及していないだろ」
「主に独学で学ぶ場合が殆どです。だから魔法が開花するのは運任せですね」
「そこで剣や銃の需要もあるわけよ」
情報を見た限りは、魔法は確かに極めれば槍や剣が主流が相手であれば強力な武器になるが、しかし大半が、ランタン替わりか、ホース替わりに水を撒くくらいしか利用出来ない人物が殆どであった。そのため貴族の兵力の大半は、通常の武器で武装するのが主流であった。
「それで、どこの国で商売を始めますか?」
「う~ん。始めから商売しやすい国はアーメル連合国だな。他の国は、新規の商人を入れるのをあまり好ましくないないだろいし」
他の四国は、王政で貴族と平民との格差が圧倒的であり血筋を重んじる傾向の強い貴族が多かった。そのため商売も、その貴族の領地である場合は、色々と制約もあり貴族お抱えの大商人が牛耳っているため、新規の商人は、なかなか難しかった。その点を考えれば、アーメル連合国は、あまり貴族の血筋を重んじる国柄ではないため、特に経済力を高めようと商売がしやすい環境が広がっていた。他の国からすればスパイが入りやすいと馬鹿にされているが、それでも制約が少なく商売が出来る事は、商人として生活しようとする三郎からは魅力的であった。
「先ずは武器と防具を売り込む。食料品は、缶詰も軍に売り込みをかけてみるか」
「わかりました。新たに建築する工場で生産しましょう」
既に無人惑星の資源をかなり備蓄しているために、剣、槍、銃を大量生産することは問題にならなかった。そして食料も既に、人工の食料生産所が出来てる為に、かなりの量を確保できる。
「上陸は一週間後だ。」
「わかりました」
こうして三郎とアキの未開地の惑星での生活が始まろうとしていた。
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