原宿にオフィスをかまえた理由、最初から積極的に資本提携をした理由


by 森川 亮 (起業家)


僕が経営している「C CHANNEL」のオフィスは、原宿にあります。今回、オフィスの場所を選ぶうえで、原宿という場所は、とても重要視しました。(ちなみに、会社を立ち上げるときは、住所が必要になるのですが、会社がないとオフィスが借りれないという、にわとりたまごみたいな制度なので、少し苦労しました)。

場所とサービスの関係


若い人向け、特にファッションとかだと、「原宿」というのは世界のブランドです。そのうちC CHANNELを世界中に展開したら、地域ごとに分ける。たとえば「C CHANNEL Harajuku」のようになっていくと思っていますが、僕は原宿の持つブランド、空気感をサービスに生かしたいと思っています。

もともと、前職(LINE)では渋谷・ヒカリエの高い場所にいて、高いところから見る感じでやっていたのですが、それだと世俗と乖離してしまうように感じました。世の中の動きが時代をつくると考えると、いかに動きの渦中にいるのかが重要だと思うんです。

日本ではファッションでいうと原宿が渦の中心にあるので、そのど真ん中に入るのが重要でした。原宿では毎日変わった格好の人が歩いてますが、それがオシャレであって、僕はオシャレじゃないんだと日々向き合わされるんです(笑)。

たとえばネット系でいうと、シリコンバレーがカッコイイみたいなのはありますが、これはインターネット初期のエンジニア的な発想なのではないかと思っています。ファッションとかアートとか、カルチャーでいうとニューヨークが中心なのですが、これからテクノロジーの時代から、デザインの時代になるとニューヨーク発のプロダクトがどんどん出てくると思います。日本でいうと渋谷よりも原宿の方がそういうのが出やすい、みたいな感じになるんじゃないかと勝手に思っているんです。

これからは、言葉にできない価値を作らなければいけない時代です。「なんとなく気持ちいい」みたいな、アルゴリズムだけでは作れない世界がきっとあります。それは議論して出てくるものではない。「こういう理由で、ここに黄色でこういうデザインをして…」なんて説明してもしょうがないのですね。ぱっと感覚として、これがいい、というものが価値を作るのではないでしょうか。

資本提携の意義


また、C CHANNELの立ち上げでは、きゃりーぱみゅぱみゅさんが所属していることで有名なアソビシステムと資本提携も行ないました。

出版やアパレルなど、いろいろな会社を紹介してもらったり、アソビシステムは海外でいろいろなイベントをやっているので、そこに関しても一緒に何かしらの協力をしたりしていく予定です。僕はファッションにそんなに詳しくないですし、原宿にもほとんど来ていなかったので今も完全に浮いてるのですが、資本提携によって村に入れていただいたみたいな感覚です。

業界を変えるのはそんなに簡単なことじゃないので仲間が必要なんです。日本が独特なんですが、資本提携というのは、血判状に近いような、そういう関係性です。どちらかが倒れることもなく助け合って一緒に業界を変えようぜっていう気持ちで提携をする感じです。

ただ、こういった「資本提携を活用して連携を深めていく」というようなやり方は、経験がないと難しいと思っています。資本を出しても、何も言わない人もいれば、逆にいろいろ言ってくる人もいると思います。シナジーを出すために積極的に動いてくれる人もいれば、お金を出した分を回収しようみたいな人もいると思います。それを最初から見極めるのは難しいんです(本当はすでにそこと資本提携している経営者に教えてもらえるといいんですけど)。

若い人には起業をもっと身近に考えてほしい


C CHANNELを立ち上げて思うのは、やっぱり僕が若い人の気持ちを理解するのは難しいということです。最近はよく学生からも起業の相談を受けますが、「高校生だったら別に大人をターゲットにする必要はない。高校生をターゲットにしてやった方が強みが出るんじゃないの」ということをよく言います。

逆に言うと、僕がビジネスをするんだったらおじさんをターゲットにした方が成功確率は高いわけです。今回の起業は僕が成功するためとか、儲けるための事業ではないので、そういう方法はとらなかったのですが。

また、若い人には、「起業を自炊のように捉えるといい」と話すこともあります。

外食してもときどきは自分で料理を作るような感じで、本当に作りたいものがあったら自分で作れるような感覚でまずやってみる。ダメだったらやめればいい。外食と自炊、両方やってもいいんです。

あまり起業、起業と考えすぎずに、やりながら考えたらいいんじゃないのかなと思います。それに、別に自分が社長じゃなくてもいいんです。起業イコール自分が社長だというイメージの人が多いのですが、ベンチャーでいうと、別に社長が偉いっていうのはないですから。


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