ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する

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『タス通信』より
2015年5月23日16時59分配信
【統合造船業営団:建造中のプロジェクト11356フリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製エンジンを装備する】
カリーニングラード、5月23日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

ロシア海軍の為にカリーニングラード沿バルト造船工場「ヤンターリ」で建造されているプロジェクト11356フリゲートは、ウクライナ製の代わりにロシア製エンジンを装備する。
統合造船業営団第1副総裁イーゴリ・ポノマリョフは、カリーニングラードにおいてタス通信の質問に答え、こう述べた。

「良く知られている状況ですが、輸入供給品に関連する問題が発生しております。
特に、6隻のプロジェクト11356フリゲートシリーズの内の第2バッチ3隻の為のウクライナの製造者からの主要動力装置に関して」
ポノマリョフ
は話した。

これは、カリーニングラード工場で建造されている「アドミラル」シリーズと呼ばれる黒海艦隊の為の艦についての話である。
フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」工場航行試験を実施中であり、2隻目の「アドミラル・エッセン」はアクティブな建造段階に在り、工場は今年中に納入しなければならない。
次の3隻(このシリーズの6隻目は未だ起工されていない)の建造時期は、ロシア艦の為のウクライナ企業からのエンジン供給が挫折したが故に調整されるかもしれない。

現在の状況から抜け出す為の結論は、統合造船業営団第1副総裁によると、科学生産合同「サトルゥン」エンジンを製造する事である。
「全ては、同様なタイプの主要動力装置のサトゥルンでの製造の進捗により決まります」
ポノマリョフ
は指摘した。
彼によると、統合造船業営団は、こう考える。
「これらの艦は、ロシアの製造者から受け取られるエンジンを待って完成させる必要が有ります」
ポノマリョフは、この問題は「十分な量の」議論が進められており、このシリーズの艦の「ヤンターリ」での建造を中止あるいは一時停止するという決定を国防省は採択しない事を強調した。

ポノマリョフは付け加えた。
「ヤンターリ工場の将来は明るいものであり、昨年には400名以上が採用されたのみであり、建造の縮小あるいは人々の解雇は、営団や工場の計画には含まれておりません」
「インド海軍向けを含め、プロジェクト11356艦の建造により蓄積された全ての建造潜在力は保持されております。
更には、海洋状況調査船ヤンターリの建造により得られた経験も」

彼は話した。

統合造船業営団第1副総裁は、営団が国防省と共にカリーニングラード工場での揚陸艦シリーズの建造を拡大する問題について検討中であることを指摘した。
統合造船業営団は、現在、ロソボロネクスポルトが交渉を進めているインド海軍の為の新たなシリーズのフリゲートの建造へ「ヤンターリ」工場が参加する可能性を排除しない。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の2隻が進水し、1番艦は洋上試験中です。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは初めての砲撃試験を行なった]
[建造進むロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト11356R(2015年4月4日)]

プロジェクト11356Rフリゲートの主機であるガスタービン集合体M7N1(ブースト用ガスタービンDT-59と巡航用ガスタービンDS-71から成るユニット)は、ウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で組み立てられ、ロシアへ供給されていましたが、ウクライナ危機により、供給は途絶えてしまいました。
M7N1は、プロジェクト11356Rの1番艦~3番艦(「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」)までの分は供給されましたが、4番艦以降のエンジンは供給されていません。

この為、4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]

なお、記事の末尾で「ヤンターリ工場での揚陸艦の建造の拡大を検討中」と書かれていますが、これは、プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)を指しています。
[新型揚陸艦イワン・グレン]

ロシア海軍の為の独自設計ヘリコプター空母を建造する具体的な計画は未だ無い

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『タス通信』より
2015年5月23日9時49分配信
【情報筋:ヘリコプター空母の作成はロシア「防衛産業」の今日の議題に上っていない】
モスクワ、5月23日/タス通信

ロシア独自のヘリコプター空母の作成の問題は、今日の議題に上がっていない。
それが海軍にとって必要が有るのかどうかについて未だ理解されていないが故に。
5月23日、造船業界の高位の情報提供者はタス通信へ表明した。

「このような艦を実際に具現化する問題につきましては、今日、議題には上がっておりません。
このような課題は、業界の前には何も置かれておりませんので」

対談者は話した。

彼は、少なくとも、このテーマは「選択肢として」検討されてはいる事を指摘した。
「それは、以前には検討されていました。現在では、尚の事。
まず初めに、このような艦が必要であるのかという問題、更には、我が業界のヘリコプター空母を作成する能力について考えなければなりません。
それは未だ、総合的には理解されていません、
ロシアにとって、このような艦が必要であるのかという点に関して」

情報提供者は付け加えた。

[「ミストラル」型ヘリコプター空母についての論争]
2011年、ロシアフランス「ミストラル」型ヘリコプター空母を発注した。
ロシア海軍は2014年秋には、1隻目の艦を受領する事になっていたが、パリウクライナ情勢が故に、ヘリコプター空母の引き渡しを一時停止した。
2隻目の艦の引き渡しは2015年に予定されていたが、その引き渡しも凍結された。

フランス側は、「ミストラル」ロシアへ引き渡さない場合、補償金を支払う用意が有ると伝えられた。
モスクワは、何れかの選択肢が在る事を繰り返し強調している-艦か、或いは金銭か。

ロシアの公人は、同国の防衛は軍艦「ミストラル」型の契約の挫折により支障をきたす事は無いと一度ならず表明している。
統合造船業営団は、適切な発注を受けた場合、同様のヘリコプター空母を独自に建造する用意があると表明している。

以前、ウラジーミル・プーチン大統領は、「ミストラル」の発注は「主として私達のパートナーを支援し、造船所の仕事を保障する為のものです」と表明した。


ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦を発注し、2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。
現在は、「ミストラル」級の引き渡しを取り止め、ロシアへの代金返却及び補償の方向で話が進められています。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]


一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

未だ詳細は明らかにされていませんが、その設計原案は既に出来上がっています。

2:57からロシア独自設計のヘリコプター揚陸ドック艦の模型が出てきます。
この動画では、艦の中央部分しか写されていませんが・・・

この艦(ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦)の全長は大体230mくらいであり、「ミストラル」級よりもやや大型になるようです。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。

搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。


しかし今回、ロシア造船業界の高位の関係者は、今の所は、ロシア独自のヘリコプター空母(ヘリコプター揚陸ドック艦)の建造は具体的な議題には上がっていないと述べました。
つまり、現行の国家軍備プログラム(2020年までの)においては、具体的な建造計画は無いという事です。
(「2050年までのロシア連邦造船プログラム」には含まれていますが)

独自に建造する事は技術的には充分に可能であっても、それでは、今、ロシア海軍にとって、更にはロシア連邦自身にとって、このようなヘリコプター揚陸ドック艦は、すぐに必要なものであるのかと言えば、その答えは「否」でしょう。
(「ミストラル」級の導入には、軍事的な必要性では無く、建造技術導入という目的が有り、この為に艦の半分はロシアの造船所で建造された)

それよりも、現行の海軍整備計画を着実に推し進め、新世代のフリゲートコルベット原子力潜水艦などを揃える事の方が優先されるべきでしょう。

ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した

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『タス通信』より
2015年5月22日13時48分配信
【潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は深海試験の為に北方艦隊へ到着した】
モスクワ、5月22日/タス通信

ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は深海試験の為に北方艦隊へ到着した。
金曜日、タス通信北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐より伝えられた。

「本日(5月22日)、プロジェクト636.3の2番艦-ディーゼルエレクトリック潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは、更なる試験プログラム遂行の為、北方艦隊のコラ異種戦力小艦隊の主要基地へ到着しました。
近い内に潜水艦の乗組員は、深海を含むバレンツ海エリアにおいて一連の複合試験への取り組みへ着手します」
セルガ
は話した。

彼によると、バルト艦隊から北方艦隊への「ロストフ・ナ・ドヌー」の移動は約2週間に渡った。

潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、6隻のプロジェクト636(ワルシャワンカ)潜水艦シリーズの2隻目であり、黒海艦隊の為に意図されている。
同艦は2014年12月30日に海軍へ引き渡された。
同プロジェクト潜水艦のトップ「ノヴォロシースク」は、以前に北方艦隊への移動を行なっている。

このシリーズの潜水艦中央設計局「ルビーン」で設計され、「アドミラルティ造船所」で建造された。
その特徴は、小さなサイズと低水準の騒音、強力な魚雷及び魚雷ロケット兵装との組み合わせにある。
これらの潜水艦は、水中艦及び水上艦へ対抗でき、海軍基地、沿岸沖、海上交通線の保護のために意図されている。


[プロジェクト06363潜水艦]

ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の2番艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2011年11月21日にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で起工されました。
[改キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」起工]

それから約3年後の2014年6月26日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは進水した]

8月下旬、係留試験が開始されました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは係留試験を開始した]

その後、10月21日から工場航行試験が始まりました。
『ruspodplav』より
2014年11月2日23時44分配信
【「ロストフ・ナ・ドヌー」はサンクトペテルブルクへ戻ってきた】

ロシア海軍広報部は、「ロストフ・ナ・ドヌー」が2014年末までにロシア海軍へ引き渡されると発表しました。
[最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは2014年末までにロシア海軍へ引き渡される]

12月23日には国家受領試験が終わりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月23日13時26分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は国家試験から戻った】

その後、12月27日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊第4独立潜水艦旅団へ編入されました。
[潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはロシア海軍へ就役した]


就役した「ロストフ・ナ・ドヌー」は、まずバレンツ海へ移動して深海試験を行ない、その後に配備先の黒海艦隊基地-ノヴォロシースク海軍基地へ回航されます。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験を行なう為にバレンツ海へ移動する]

2015年4月17日、「ロストフ・ナ・ドヌー」クロンシュタットを抜錨しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットを去り、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ向かった]

そして5月22日、深海試験を行なう為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。

この間、約1ヶ月になりますが、クロンシュタットを抜錨して真っ直ぐにポリャールヌイへ向かったわけでは無く、5月初頭までバルト海に滞在し、バルチースク基地へ立ち寄ってからポリャールヌイへ向けて出航したようです。
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ロシア海軍プロジェクト06363潜水艦は、魚雷発射管から発射できる有翼ミサイル「カリブル」を装備します。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)を揚げた

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月22日19時40分配信
【ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は聖アンドレイ旗を揚げた】

現在、バルト海の射爆場で航行試験を実施しているロシアの最新鋭フリゲートフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」において、聖アンドレイ旗の掲揚が行なわれた。
同艦は、未だロシア海軍へ引き渡されていない。


インターネット上における専門ブログや掲示板においては、現在は航行試験を実施しているフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」へ船員がアンドレイ旗を掲揚した写真が、広く議論の的になっている。

海軍の伝統によると、聖アンドレイ旗は、ロシア海軍の一員として登録された(就役した)後にのみ艦へ揚げられる。
加えて、軍艦規定第627条には、こう記されている。
「海軍旗の艦への授与は、艦隊司令官の命令に基づく」

[『海軍産業』参考資料]
「アドミラル・ゴルシコフ」 は2014年11月に工場航行試験を開始した。
(2015年)5月15日、「ゴルシコフ」は、同艦を建造した造船工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」の水域を去り、航行試験の継続の為、バルチースクへ向かった。
工場首脳からの情報によると、艦は同社へ戻る事は無い。

プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」は2006年に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工され、2014年11月8日からは工場航行試験を開始した。
当初、その開始は2013年に予定されていたが、設計局「アルセナル」からの130mm砲装置A-192の供給問題が故に遅延した。
航行試験及び国家試験が成功裏に完了した後、「アドミラル・ゴルシコフ」北方艦隊へ加入しなけばならない。

多目的フリゲート・プロジェクト22350「北方計画設計局」により開発された遠海ゾーン大型戦闘艦であり、幅広い課題の解決を意図している。
同プロジェクトフリゲートの排水量は4500トン、全長135メートル、幅15メートル、吃水4.5メートル。
艦は最大30ノットの速力発揮が可能である。
兵装は、「オーニクス」或いは「カリブル」を装弾する海上及び沿岸目標への攻撃が可能な汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」、対潜兵器複合体「パケート」、130mm砲A-192が1基、自己防衛ミサイル-砲複合体「パラシ」2基である。
航空兵装としてヘリコプターKa-27PLが有る。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

ロシア海軍新世代水上戦闘艦(大洋ゾーン艦)プロジェクト22350大型警備艦(フリゲート)の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。

2013年7月31日からは工場岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定のA-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]

130mm砲は2014年9月に入り、ようやく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ届けられ、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]

11月8日、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁を離れ、クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

11月18日、クロンシュタットを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の今後の試験は、就役後の配備先となる北方艦隊海上射爆場、つまりバレンツ海へ移動して実施されるとも言われていましたが、結局はフィンランド湾で実施されることになりました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊で今後の洋上試験を実施する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年5月中旬にフィンランド湾で洋上試験を行なう]

5月15日、「アドミラル・ゴルシコフ」サンクトペテルブルクを抜錨し、洋上試験へ向かいました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の為に抜錨した]
現在はバルチースク基地に居ます。

今後、「アドミラル・ゴルシコフ」サンクトペテルブルクへは戻らず、北方海域(つまりバレンツ海)へ向かうようです。

「アドミラル・ゴルシコフ」は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定です。
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年末までにロシア海軍へ引き渡される]


その「アドミラル・ゴルシコフ」ですが、バルチースク基地に停泊中の5月21日頃、艦尾に乗員が集まり、ロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)が掲揚されました。
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通常、ロシア海軍の艦が海軍旗を初めて掲揚するのは、艦が海軍へ引き渡され、正式に就役した後です。
(造船所から海軍への艦の引渡証書への署名が行なわれて艦が納入された後、海軍旗初掲揚式典が開催されて正式にロシア海軍へ就役する)

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」は、未だロシア海軍へ引き渡されていません。

今後、就役前の「アドミラル・ゴルシコフ」は、北方艦隊の担当海域であるバレンツ海へ移動して最終試験を実施する事になりますが、その為にはデンマーク海峡を通過してバルト海から出て北海、ノルウェー海を通らなければなりません。
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この過程で外国の沿岸付近を通過し、場合によっては領海の近い所まで接近する事も有り得るので、国籍や所属を示すものが何も無い状態では都合が悪いという事で、仮に海軍旗が授与されたのでしょうか。

ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは初めての砲撃試験を行なった

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月22日17時52分配信
【フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めての射撃を実施した】

プロジェクト11356フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、航行試験の枠組において、バルト海で初めての射撃を成功裏に実施した。

『海軍産業』(フロートプロム)沿バルト造船工場「ヤンターリ」の代理人セルゲイ・ミハイロフより伝えられたように、最近の海洋への出航中に船員は初めてA-190砲及び高角砲AK-630Mを点検した。

彼は指摘した。
「これは始まりに過ぎません」
船員は、5月下旬に予定されている更なる海洋への出航中に艦載砲の試験を継続する。

更にミハイロフは、この海洋への出航中に、艦の乗組員は納入チームと合同で内部システムの点検を成功裏に完了したと話した。
加えて、「グリゴロヴィチ」航法システムの試験を続ける。

[『海軍産業』参考資料]
プロジェクト11356遠海ゾーン多目的フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、沿バルト造船工場「ヤンターリ」の造船台で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水した。
同プロジェクトは、公開株式会社「北方計画設計局」で設計された。

現時点においては、このシリーズの6隻の艦の内の5隻が起工されており、同プロジェクトの2番艦-「アドミラル・エッセン」は2014年11月7日に進水している。
艦は海軍への引き渡し後、黒海艦隊へ向かわなければならない。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の工場航行試験は4月8日に始まった。
これまでの艦の海洋への出航では如何なる機器の動作にも誤作動は記録されていない。
2014年8月、フリゲートは海軍へ引き渡されなければならない。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は進水した]

その後、2014年12月初頭から造船所の岸壁で係留試験が開始されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月5日8時7分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は係留試験を開始した】

12月21日にはガスタービンエンジンが初めて始動されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月21日14時24分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めてエンジンを始動した】

そして2015年2月17日、出航前の消磁作業の為、「ヤンターリ」浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]

消磁作業は3月下旬に完了し、4月8日に「ヤンターリ」造船所の在るカリーニングラードからバルチースク海軍基地へ移動しました。

4月下旬に1回目の洋上試験が実施され、4月29日に完了しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年5月初頭から2回目の洋上試験を開始する]

そして5月5日に2回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を開始した]

2回目の試験は5月7日には終わり、バルチースク基地へ戻りました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を終えた]

5月16日から3回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は5月16日から洋上試験を再開する]

この3回目の洋上試験中、初めて「アドミラル・グリゴロヴィチ」の砲兵装~A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲と、AK-630M 30mmガトリング砲の発射試験が実施されました。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、今年(2015年)8月にロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備される予定です。
[新型警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは2015年8月にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年夏以降に黒海艦隊へ配備される]


プロジェクト11356Rの2番艦以降も建造が進んでいます。
これらの同型艦も、全て黒海艦隊へ配備され、クリミア半島のセヴァストーポリへ駐留します。
[建造進むロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト11356R(2015年4月4日)]