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【社会】

禁演落語 26日 超党派議員開催「一般の人も」

53題の禁演落語が埋葬、封印された「はなし塚」=2012年、東京都台東区の本法寺で

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 戦時中に口演を禁じられた「禁演落語」を聞く会が二十六日、東京・永田町の参院議員会館講堂で開かれる。国会では安全保障法制をめぐって与野党が対立するが、聞く会は超党派の国会議員が共同で開催し、人気落語家の林家たい平さんが高座に上がる。国会議員らは「表現の自由は大切。平和を見つめ直す機会になれば」と、一般の人の来場を呼び掛けている。 (飯田孝幸)

 禁演落語は五十三題あり、遊郭や愛人をテーマにしたものが多い。日米開戦直前の一九四一(昭和十六)年十月、落語家らが不謹慎だと判断。東京都台東区寿町の本法(ほんぽう)寺に石碑「はなし塚」を建立し、台本を埋めて口演を自粛した。終戦翌年の四六(昭和二十一)年九月に禁演落語復活祭が開かれ、自粛は解除された。

 以前から禁演落語を聞いてみたいと思っていた社民党の福島瑞穂参院議員が、たまたま同じ新幹線に乗り合わせた林家たい平さんに議員会館での口演を頼んだところ、快諾を得て、今回のイベントが実現した。

 安保法制をめぐって対立する与野党だが、表現の自由はどんな政党にとっても大事なテーマだと、他党の議員にも呼びかけ人になってもらうよう声をかけた。その結果、自民、民主、維新、共産、生活、社民の各党と無所属の衆参十六人が集まった。

 自民党の秋元司衆院議員は「政治とは関係のない文化的な活動だから」と呼びかけ人になった。「落語は聞くが、禁演落語があったとは知らなかった。当日は文化として楽しんでもらいたい」と話す。

 福島氏は「戦時中にこんな落語まで禁止されたんだと知って、そこから、それぞれに考えてもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 聞く会は午後五時半〜六時半。たい平さんが口演し、演目は当日発表する。資料代五百円。事前申し込みは不要。問い合わせは、福島氏の事務所=電03(6550)1111。

 

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