【動画】JR長崎線特急のニアミスで現地調査=松川希実、吉山健一郎撮影
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 JR長崎線肥前竜王駅(佐賀県白石町)で、上りの特急かもめ20号が止まっている線路に下りの特急かもめ19号が進入した問題で、国の運輸安全委員会が派遣した鉄道事故調査官が23日、福岡市のJR九州本社で運転士らから聞き取りを行うとともに、同駅付近などを調べた。

 同駅では約2時間かけて、20号が止まっていた駅ホーム付近のほか、19号が緊急ブレーキをかけて停止した地点、線路の分岐点付近などを調査。自動列車停止装置(ATS)なども念入りに確認した。

 今回の問題は22日午後0時20分ごろ発生。20号が止まっている線路に進入した19号の運転士が、手動で緊急ブレーキをかけて停車させた。列車同士の距離は約90メートルで、正面衝突する危険があったという。2本の特急の乗客計約230人にけがはなかった。

 JR九州は会見で事故原因について、直前に19号が異音トラブルで一時停車した際、停止位置について運転士と総合指令の認識が違っていたことなどを挙げた。23日の調査後、楠元哲彦・主管調査官は記者団に「今回の調査や今後知り得る情報を分析し、JRの認識が正しいのかも含めて原因究明に努める」と話した。調査は24日までかかる見通し。(松川希実、柴田菜々子)