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NHK記者 相撲協会に家宅捜索知らせる

NHK記者 相撲協会に家宅捜索知らせる
東京・渋谷のNHK放送センター
Photo By 共同

 NHKは8日、大相撲の野球賭博事件をめぐり、報道局の記者が取材先の日本相撲協会の関係者に対し、警視庁による家宅捜索の情報を直前に携帯電話のメールで知らせていたことを明らかにした。メールをもらった関係者は直後に家宅捜索を受けており、捜査妨害にもなりかねない行為。警視庁の捜査幹部は、情報漏えいが「犯罪になるかどうか検討中」としており、この記者から任意で事情を聴いている。

 メールを送ったのは報道局スポーツ部に所属する30代の男性記者。昨年夏まで約2年、大相撲の取材を担当。野球賭博報道が本格化した5月下旬から、担当記者を助ける「遊軍記者」として大相撲取材にかかわった。

 名古屋場所開幕4日前の7月6日、国技館で取材中に同業他社の記者から「あす相撲協会に対し警察の捜索が行われるようだ」と聞き、7日午前0時ごろ、捜査対象者だった日本相撲協会関係者にメールを送信。「あした賭博関連で数カ所に捜索が入るようです。すでに知っていたらすいません。他言無用でお願いします。NHKからということが分かったら大変なことになりますから」との内容だった。

 家宅捜索は同日午前、関係先の相撲部屋に対して行われた。警視庁は賭博事件捜査の過程でメールの事実を把握したという。

 NHKは今月6日に事実を把握。2回にわたって記者から事情を聴き、この記者を同日から内勤とした。NHKの担当者は翌7日、記者本人は8日、それぞれ警察に経緯を説明した。

 記者は事前に得た情報について「NHKによる取材ではなく、付き合いのある他社から聞いた話だった」と説明。協会関係者に接触した理由について「はっきりしない(他社)情報だったので、真偽を確かめようと思った。最近その人と連絡を取れていなかったので、関係づくりのためでもあった」としているが、返信はなかったという。

 7月6日は、福地茂雄会長(76)が名古屋場所の中継中止を発表し、相撲協会に「早急に具体的に改革案をつくることを希望する」と訴えた日。記者は前日の同月5日に放送された検証番組「NHKスペシャル 大相撲はよみがえるのか」の制作にも携わっていた。

 記者会見した冷水仁彦報道局長は「捜査に支障を与えかねないメールを送ったことは、コンプライアンス上、極めて不適切で、報道倫理の上からも大きな問題がある。今後の捜査の過程を見守り、厳正に対処する」とコメントを読み上げ、謝罪の言葉はほとんどなかった。

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