2015年5月22日

イルカ繁殖技術確立へ 城崎マリンワールド意欲

 日本動物園水族館協会(JAZA)が追い込み漁によるイルカの入手禁止を決めたことを受け、イルカショーの開催をはじめ水族館経営への影響が懸念されている。こうした動きを踏まえ、兵庫県豊岡市瀬戸の城崎マリンワールドは、以前から取り組む繁殖技術の確立に努める構えだ。

 同館のイルカは、保護目的による入手が中心。現在飼育する17頭のうち15頭は、近隣の定置網に掛かり保護された個体。和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたのは、約20年前に入手した1頭のみとなっている。

 しかし、近年は網に掛かるイルカが減少。同館では安定確保に向けて3年ほど前から繁殖に取り組んでいるが、技術の確立には至っていない。これまで約10例の妊娠を確認したが、死産や早産、育児放棄などが相次ぎ、生存はわずか1頭。「イルカは十分に環境に慣れないと生殖行動に移らず、謎も多い」と難しさを強調する。国内での成功例も少ないが、飼育員を繁殖実績のある水族館に派遣するなど技術の向上を図っている。

 今後のイルカ確保の動きについて、同館は「技術が確立され繁殖が主流になった場合、血統の問題も生じる。今後は動物交換や情報共有など、一層の会員同士の連携が重要になってくるのでは」と展望している。