時代の変化は、結局若い人しか作っていない


by 森川 亮 (起業家)


僕は今、「C CHANNEL」というサービスを手がけています。これは、女子のための動画ファッションマガジンなのですが、ここで映像に出る人・映像を作る人・映像を出す人の一貫したラインを作ろうとしています。

たとえばユニクロさんは企画、製造、流通、販売を全部やることによって世の中を変えたと思うのですが、今の映像業界はそうなっていません。C CHANNELだったら、青文字系も赤文字系(女性向けファッション誌のジャンルを、タイトルロゴの色で表した用語)もできるし、そこからどういうタレントがどう育っていくとどういうふうに売り出せるかみたいな企画もできる。

今はタレントになろうとするとグラビアをしなきゃいけないとか、モデル、女優などキャリアパスが決まっている場合が多い。そうすると結局、既存の企業にどう認めてもらうか、みたいになってしまう。そうではないスタイルが一緒に作れて、そこに媒体も連動できると、みんながハッピーになれると思うんです。

若い人を中心に業界を変える


今の映像業界は上司の判断に合わせて提案するような感じになっていて、若い人たちが消耗しているような気がします。一気に売り出して飽きられたら、すぐ次に交代みたいになってしまっている。

この流れを変えるためにはたぶん、若い人だけで決められる場を作れればいいと思うんです。政治はなかなか難しいですが、ビジネスでいうと産業の転換期は古い会社が潰れて、新しいものが出てきて構造改革が行われる。メディアに関してはずいぶん長い間そういうのが起こっていません。新しい変化が起せたらと思っています。

時代の変化は結局、若い人しか作っていませんし、何か新しいものをやるときは若い人が共感しないと絶対にうまくいかない。C CHANNELはまずそこありきで、ターゲットは若者に決めました。

特に注目しているのは、きれいな女性、モテる女性です。モテる女性ほど自信があるので物事を直感的に決める。そういう人たちに選ばれるものは成功しやすいと思います。わがままな人ほど意思決定には大事なんです。

たとえばサバンナでいうと、頂点にいるライオンのような存在でしょうか。ゾウやキリンの意見を聞くよりは、頂点に君臨するライオンの意見を聞いた方が自然界を把握できると思います。

グローバルで成功するにはブランドが必要


このままだと海外のメディアがどんどん日本に進出してきて席巻してしまうという危機感もあります。逆に日本が海外に出て行かないといけない。C CHANNELでやろうとしているのは、日本のメディアとアーティストが一緒にブランドを創って世界に出て行くようなイメージです。それを掲げるだけでオシャレに見えてしまうようなMTVのようなものを創りたいんです。

MTVは若い人の支持を集めたからあれだけ一気に伸びました。やはり若い人が多い国は成長しますし、結局、若い人の心を掴まないと成長できないという現実がある。日本は若い人がどんどん減っているので、今日本で成功しようと思うと海外では成功が難しいという構造だと思います。ですからC CHANNELは、早い段階でグローバルの若い人に訴求するメディアにしなければいけないなと思っています。

たとえば、日本だけでコンテンツのビジネスをしようとすると、男性のオタク向けにするか、SEOをバンバンきかせて派手なタイトルでバイラルを起こすか、その二択しかメディアビジネスは成り立ちづらくなっています。それらが長く続くイメージを、私はあまり持てません。ましてや海外に出て行くとなるとその構造で勝つのは非常に難しい。

つまり、ものごとを変えるには、若い人の支持を得ないといけない。しかし、日本では若い人が少なくなっているので、海外の若者をつかまないといけない。では海外の若者をつかむには、どうしたらいいのか。その答えは、ブランドを作ることです。ブランドを作れなければ利益は出ません。ブランドがないということは価格勝負になってしまうからです。

日本発で価格勝負でとなったら、グローバルで勝てるわけがありません。だからといって、機能を売りにするのもなかなか伝わりにくい。昔は生活必需品というものがありましたが、今はどうしてもなければいけないものがないので、機能を売りにしても勝てないのです。

そこでブランドやストーリーなど、そのものが持つ空気感が大事になります。

今のオフィスは原宿にあるのですが、たとえば最近、原宿のお店で「これいいですよ」とか「これ最高なんです」という接客をすると、お客が寄り付かなくなるらしいです。なぜかというと、実はお客はモノを買いに来ているわけじゃなくて、そこを空間として見たときに、自分の居場所かどうかをまずは意識しているかららしいのです。自分の居場所だと認識して初めて「そこの商品を買ってもいいかな」となるのだとか。

サービスやブランドも一緒で、自分らしいかどうか、みたいな雰囲気をいかに作れるかが大事かなと思っています。特に今この時代、先進国では。そのためにもグローバルにいろいろな人を巻き込んでいって、彼らがいいと思うものを取り入れていく。そして世界各国でそういうことをやっていく。共感が得られれば、サービスは自然に広がっていくのかなと思います。

C CHANNELではこれから、特派員みたいに世界中の人たちに参加してもらって、各地のいいものを紹介していく予定です。それをフォローやブックマークすることで自動的にトップページの編成が変わるような仕組みを考えています。あまり国境は意識していなくて、自動的に国境が切り替わるようなイメージです。たぶん日本人も、日本人だけが集まっているというよりも、世界中の人が集まっている中に自分も出られると嬉しいと思うんです。