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白内障の2人を原爆症と認める 広島地裁が国の却下処分取り消しも賠償は棄却
原爆症の認定申請を却下された白内障を患う広島県在住の被爆者4人が、国の却下処分の取り消しと1人当たり300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、広島地裁(梅本圭一郎裁判長)は20日、うち2人を原爆症と認め、処分を取り消した。損害賠償請求は棄却した。
原告は広島市と東広島市に住む70~84歳の男女。訴状によると、生後11カ月から14歳だった昭和20年8月、広島市内の爆心地から約1・3~2・4キロの自宅などで被爆した。白内障を発症し、平成19~20年に認定申請したが却下された。
白内障の症状が、原爆の放射線によるものかどうかと、治療が必要な状態かどうかが争点。原告側は、「被爆者の症状は発症時期を問わず放射線が原因」などと主張。国側は「加齢が原因で、点眼液の処方では医療を要する状態とは言えない」と反論した。