中央日報(日本語電子版)は今年2月、以下のスクープを報じた。
昨年7月、ソウルで行われた中韓首脳会談で、習近平国家主席は「米国が韓国にTHAADを配備する場合、韓国は主権国家として当然の権利を行使し、反対の意思を表明してほしい」と朴氏に“通告”していたという。「米国の要求を拒否しなければ、韓国は『主権国家』ではない」と断じたに等しい。
これまで、韓国政府は「米韓間でTHAADの協議はしていない」と中国側に説明していた。ところが、ここに来て、米政府高官が次々と「THAADの韓国配備」について言及している。朴氏の6月訪米を意識していることは間違いない。そもそも、ケリー氏は「朴大統領の訪米の地ならしのため」に訪韓していたのだ。
韓国メディアは当初、朴氏の訪米について「日韓の歴史問題での米国の協力」「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の参加問題」などを焦点としてたが、「THAAD配備問題」が重要課題に急浮上しそうなのだ。
朝鮮半島情勢に詳しい元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「米国としては、北朝鮮が今月8日に、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験を行ったと発表したことが大きいのだろう。加えて、『北朝鮮が、米本土まで届く4段式の弾道ミサイルを開発している』という情報もある。東アジアの安全保障環境が変化している。これまで米国は韓国に気を使ってきたが、朴氏の6月訪米で、THAAD配備が持ち出される可能性は高い」という。