7ハートネットTV ブレイクスルー31「ディジュリドゥ奏者・GOMA」 2015.05.18


今日のリビングであそべる科学あそびは風で動かす実験でした。
他にも身の回りにあるもので風で動かすものを探してみて下さい。
オーストラリア先住民族の管楽器…体のしんまで揺さぶられるような独特の音色。
観客を熱狂させるパフォーマンス。
日本を代表するアーティストです。
ステージで圧倒的な存在感を放つGOMAさん。
(GOMAさんの叫び声)最高〜!GOMAさんはある障害と闘っています。
5年半前突然の事故で負った…過去10年ほどの記憶を失いました。
新たに記憶する事も難しくなりました。
この先どう生きればいいのか葛藤する日々。
その中である一つの希望を見いだしました。
たとえ覚えていなくても自分にしか伝えられない事がある。
今日もあなたの記憶の中で生きるために。
GOMAさんのブレイクスルーに迫ります。
東京都内の閑静な住宅街。
GOMAさんの自宅を訪ねました。
ディジュリドゥはオーストラリアの先住民族アボリジニの間に古くから伝わる管楽器です。
鼻から息を吸うのと同時に口から息を吐き途切れる事なく音を出し続ける循環呼吸で演奏します。
GOMAさんはプロとして20年近く活躍してきました。
脳の損傷によってさまざまな症状が現れる高次脳機能障害。
GOMAさんを悩ませている事の一つが記憶の障害です。
(取材者)練習します?やめときます?うん。
この日GOMAさんは出版社との打ち合わせのため妻の純恵さんと待ち合わせをしていました。
電車を乗り間違えたみたいで今赤坂まで行っちゃったみたいでとりあえず先に出版社に向かいます。
忘れ物をして家に戻った事で混乱し電車を乗り間違えてしまったようです。
う〜ん多分「またやっちゃった」ってしょんみりしてるんじゃないかな。
すいません。
やっちまったみたいです。
ちょっと。
向かってる途中なんですよね?来てるはずだとは思うんですけど…。
分かりました。
じゃあお待ちしましょう。
すいません。
20分後ようやく到着したと連絡が入りました。
大丈夫かな?すいません。
大丈夫。
あ〜もうさんざんな目に遭った。
がっかりした?えっ?がっかりした?がっかりした。
だって新宿着かへんなと思ったらもう…気が付いたら赤坂いた。
違う電車に乗ってた。
はあ〜。
障害のため同時に複数の物事をこなす事ができません。
一つの事に気を取られるとほかの事が手につかなくなります。
自宅に戻ったGOMAさん。
毎日必ずその日の出来事を日記につづります。
その日会った人も話した内容もすぐ忘れてしまうためこの記録が欠かせません。
僕の記録は記憶だから。
そこを単純に記録ってもう思ってないのかもしれない。
(GOMA)どっち側食べる?そっち食べる?少ない方。
ほんじゃあこっち食べる。
少ないから。
大切な家族との時間も記憶にとどめられない毎日。
人生が大きく変わったのは5年半前の事です。
海外でのライブを成功させるなど勢いに乗っていた2009年11月。
高速道路で後続車に追突されたのです。
意識を失い救急搬送されたGOMAさん。
幸いその日のうちに意識を取り戻し自宅に戻りましたがその後次々と異変が起きます。
「年末に家の近所で迷子になってから外を出歩くのが少し怖い」。
再検査の結果高次脳機能障害と診断されました。
脳の一部が損傷する事で記憶力が低下したり注意力が散漫になったり感情の抑制がきかなくなるなどの症状が出る障害です。
GOMAさんは過去10年間の記憶の多くを失いました。
自分がディジュリドゥ奏者であった事さえ一時は忘れていたといいます。
どういう演奏をしてどんな盛り上がりでとかがあんまりイメージができへん。
そして最も大切な記憶も…。
(GOMA)立ち会ったって聞いてるけどその感覚が自分の中にもう全然ないんですよね。
どうやって育ってきたかっていう過程がやっぱあんまよく分からないから写真とか見ても子どもの成長が自分で追えないのが正直それが一番寂しいよね。
一日一日積み重ねてきた掛けがえのない時間を失ったGOMAさん。
ディジュリドゥ奏者としての活動も休止します。
自分だけ取り残されていくような孤独感。
人と会う事を避け家に籠もるようになりました。
そのころからGOMAさんはある事に没頭するようになります。
それは絵を描く事。
一度始めると時間を忘れ気が付けば一日が終わっている事も。
いらっしゃってたの忘れてました。
皆さんが。
もうどれぐらい時間たちました?
(取材者)多分2時間…。
2時間か…。
絵筆を握った事もないGOMAさんが突然描き始めた精密な点描画。
描かずにはいられない衝動に駆られるといいます。
GOMAさんが描いているのは突然脳裏に浮かんでくる光や自然のイメージ。
それをそのまま絵に写しているといいます。
次々と浮かぶイメージを描き続け生まれた作品は400点以上になりました。
なぜ自分は絵を描きたいという衝動に襲われるのか。
あっこんにちは。
今日はお目にかかれてうれしいです。
GOMAさんは脳科学者の茂木健一郎さんに話を聞く事にしました。
うわ〜すごい!うわ〜すごいなこれは。
ものすごい何かエネルギー感じますね。
これがこれ事故の…ちょうど意識がなかった時に意識戻ってその時に見てたっていうか脳に残っている映像を描いたみたいなんです。
もうどうやって描いたかとか全然こういう初期のやつは覚えてないんですけど…。
最近だんだんそういう色の感覚が自分の中で強くなってきまして…。
実はですね事故や病気をきっかけに絵の才能が目覚めるっていうケースは知られてるんです。
そうなんですか。
はい。
それどういうふうに考えられてるかというともともとGOMAさんの脳の中にこういう色とか形とか光に対して感じる回路があったんですね。
でも脳がそれを抑えてたと考えられてるんです。
事故をきっかけに脳の回路のバランスが変わりますよね?今まで抑えられていたものが目覚めてくるその過程で今おっしゃったようなねいろんなものが光とか色が今までより強く感じられるという事が出てくると考えられてるんです。
ですから事故とか病気になる事は不幸な事なんですけど大変な事なんですけどでもそれをきっかけに脳っていうのはすごい生命力があってかえってある才能が遠慮なく出てくるって事があるんですね。
逆に言うと普通の人の脳はものすごく遠慮してるというか抑えてるんですよいろんな事を。
我々生きている中で。
だからねGOMAさんの脳の中にずっとあったものですそれ。
事故の前から。
そうか…。
遠慮しなくていいですよだからその…。
なので…高次脳機能障害の方にもすごく勇気与えると思うし。
GOMAさんすばらしいじゃないですか。
感動してしまった。
いやGOMAさんのおかげでだってそういう方が勇気もらえてますもん。
自分の内側から湧き上がってくる表現したいという衝動。
事故から数か月後GOMAさんは再びディジュリドゥを手に取ります。
そして1年半後再びステージに立ったのです。
GOMAさんは今新たな挑戦を始めています。
おはよう。
よろしくお願いします。
ライブで新曲に挑むというのです。
新しい事を記憶するのが難しいGOMAさん。
体に染みついているなじみの曲ではなく新曲を覚えるのは大きな挑戦。
「泡盛」と「JAZZYHAT」がテンポが違うのよ。
だからそれをどっちかを遅くするかどっちかを速くするか。
その曲のベストテンポに動くぐらいのがいいのかもしれないけど。
ちゃんとつながればイケそうな気がする。
記憶力のハンデを乗り越える方法は繰り返し練習をして体にたたき込む事しかありません。
もう一回やってみて…。
ここがまだ体に入りきってない。
GOMAちゃん4いって5めに入ろうとしてもいっちゃえばいいのね?もう入ってきてくれたら。
OKOK。
助かる。
ライブ当日。
本番を前にリハーサルが行われました。
新曲を演奏した直後異変が起きました。
(小川)出し切った?
(スタッフ)かなりの集中力を一気に…。
(小川)いやすごかったもん今の。
(コースケ)うん。
休もう。
(小川)いやすごいわ。
GOMAさんが椅子に座ったまま意識を失ってしまったのです。
高次脳機能障害の影響で極度に緊張や集中をすると意識を失う事があるのです。
(コースケ)今のは新曲は集中し過ぎたよ。
(コースケ椎野)終わってない終わってない…。
リハリハリハ。
(コースケ)リハの…リハ終わった。
(椎野)一回楽屋戻ろうか。
(コースケ)うん。
休憩しましょう。
それでも挑戦する理由があります。
人の記憶を借りながら生きていくしかないから。
それがやっぱ自分が…そこの時間の空白がもしまた出来たとしてもそこの空白を埋めてくれる。
記憶には絶対残ると思うから。
それだけは自分の中で決めた。
開場に詰めかけた400人のファンが開演を待ちます。
ワンツー!
(拍手と歓声)ちょっと事故のあとなかなか記憶ができなくて新しい曲とか作ったりするのもほぼ諦めてたんですけど新曲用意してきました。
(拍手と歓声)緊張しますね。
ハハハッ。
ハードル上げちゃったね。
(笑い声)
(拍手と歓声)できました。
(拍手と歓声)脳の壊れた細胞は一回潰れたらあともう元に戻らないって少し前まで言われてたんですけど僕は何か絶対そうじゃないって信じてずっとまあこの5年間は本当リハビリ続けて生きてきてやっぱりそういう事をどうしても何かちゃんとした形で証明したくて…その瞬間が…何か来ました。
(拍手と歓声)ありがとうございます。
まだまだちょっといろいろ分からない事とかできない事とかもまだたくさんあるんですけどまたちょっと新しい感覚が自分の中で芽生えてきてるのを最近すごい感じてて…。
なんとか生きていけそうです。
(拍手と歓声)GOMAさんの挑戦。
たくさんの人の記憶に刻まれました。
(拍手と歓声)
(スタッフ)おはようございます。
お〜すばらしい。
(GOMA)ありがとうございます。
ありがとうございました。
ありがとうね。
こうやって回るたんびにすごいいいリアクションをもらって自分もすごい元気になるから…。
こうやってまた動けるようになってきて夢膨らみますね。
2015/05/18(月) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー31「ディジュリドゥ奏者・GOMA」[字]

「ブレイクスルー」今回の主人公はオーストラリア先住民族の楽器「ディジュリドゥ」の世界的奏者・GOMAさん。交通事故で脳を損傷、記憶を失うなど障害と闘う日々に密着

詳細情報
番組内容
毎週月曜の「ブレイクスルー」。今回の主人公は、オーストラリア先住民族アボリジニに伝わる楽器「ディジュリドゥ」の世界的奏者・GOMAさん。5年半前、交通事故で脳を損傷、過去10年ほどの記憶を失い、会った人や出来事を新たに記憶することも難しくなるなど「高次脳機能障害」となった。“自分の記憶を失っても、誰かの記憶に残る生き方をしたい”ライブで新曲に挑むなど障害と闘う日々に密着▽脳科学者・茂木健一郎と対談
出演者
【出演】デジュリドゥ奏者、画家…GOMA,茂木健一郎,【語り】風間俊介

ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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