ようこそ、わが家へ #06【妹は絶対に守る!卑劣なストーカーと直接対決!】 2015.05.18


(健太)《明日香さんに謝ってくださいよ》
(明日香)「倉田健太29歳。
自分のことを臆病者だという彼がある日迷惑な男を注意してしまったことから全ては始まった」「それ以来彼の家には嫌がらせが続くようになる」
(七菜)《携帯と充電器がないの》
(明日香)「防犯カメラを設置するがなぜか犯人はカメラの位置を知っておりその姿を捉えることはできなかった」「犯人は室内に盗聴器を設置して情報を得ていたのだ」「さらに妹七菜には犯人からメールが届く」
(健太)《うちの事件も逃走経路から調べられないですかね?》
(明日香)「そしてついにタクシー会社の情報から犯人の足取りが」「これはごく平凡な家族とその家族を執拗に追い詰めたストーカーとの戦いの物語」
(健太)まさか君が名無しさんだったのか?
(辻本)誰?倉田七菜の兄です。
何でここに?いや。
それは…。
(明日香)4月9日。
大雨が降った日。
(明日香)あなたは夜中に倉田さんの家の近くでタクシーを拾いましたよね?倉田さんちのポストに猫入れたんでしょ?俺じゃない。
もう妹に付きまとわないでもらえませんか?あいつは今就職活動中で大事な時期なんです。
アナウンサーのセミナー通ったりラジオで英会話覚えたりずっと頑張ってきたんです。
お願いだから邪魔しないでください。
だったらあんたがしっかり妹を守ってくださいよ。
お兄さん。
また殴られるかと思いました。
怪しいですね。
えっ?彼ポストに猫が入れられてたこと知ってました。
ああ。
確かに。
知らなかったら何のことって感じになりますもんね。
何で知ってんだろ?誰かに聞いたのか?それとも自分でやったのか?
(平井)いやー。
ホントすいません。
うっかり見落としていました。
(太一)これって昨日なかったですよね?
(平井)まあ配送課の私が見落とすぐらいですから。
(摂子)見落とした?
(平井)ちょうど今在庫が多くて倉庫内も混雑していますし。
(摂子)こんなに山になってるのにですか?ともかく在庫の数字が合ってよかったじゃないですか。
(摂子)平井課長は嘘をついてます。
(太一)真瀬部長に頼まれたってこと?
(摂子)焼き肉のときもそうだったじゃないですか。
あの2人は結託してるんですよ。

(真瀬)おう。
これはこれは。
倉田総務部長。
お疲れさまです。
(太一)お疲れさまです。
真瀬部長。
(真瀬)さっき平井から聞きましたよ。
(真瀬)ドリルあったそうじゃないっすか。
(太一)ええ。
(真瀬)だから言ったでしょ?ちゃんと確認してくださいって。
(太一)すみません。
昨日は見つからなかったんですが。
(真瀬)フッ。
大き過ぎて見落としたんじゃないんですか?銀行さんは小さい数字ばかり見てるから。
フフフ。
(一同)ハハハ。
毎度毎度。
今後はくれぐれも注意してくださいな。
倉田総務部長。
(太一)申し訳ございません。
ご迷惑をお掛けしないように善処いたし…。
(七菜)辻本君とは半年くらい前に別れてそれからずっと話してないけど。
(明日香・健太)ふーん。
(七菜)何?ガスのこと話してないよね?
(七菜)ガス?そうそう。
辻本君に?
(七菜)当然でしょ?何にもしゃべってないんだから。
(明日香・健太)ふーん。
何なの?何で辻本君のこと聞くの?いや。
別に。
(明日香)もしかしたら辻本君があの写真を送ったのかもしれないと思って。
でも辻本君はもともとあの写真持ってるはずだから私の部屋から携帯盗む必要ないですよね?そうなんだけど。
一応。
なあ?辻本君とはどんな別れ方したんだ?
(七菜)うーん。
何か変な別れ方だったんだよね。
何だよ?その変な別れ方って。
ラブラブだったんだけど何か急に別れようって言われて。
向こうから?
(七菜)そう。
それなのに別れた後も何だか私のこと遠くから見てたりたまに待ち伏せしてたり。
何か恨まれるようなこととかは?
(七菜)いや。
ないと思うけどな。
私結構尽くすタイプだし。
俺には何もしたことないよね?
(七菜)だって彼氏じゃないでしょ?いや。
そりゃそうなんだけど。
でもほら。
前にあげたじゃん。
手作りチョコとか。
はあ?失敗したやつだろ?
(七菜)でも味はおいしかったんじゃない?いや。
まあ意外とな。
(七菜)あれさお兄ちゃんのおかげでカカオの分量とか分かったんだよね。
だろ?やっぱり男の人…。
(明日香)あのう。
思い出話はその辺で。
すいません。
(七菜)えっ?辻本君のこと警察に相談した方がいいかな?いや。
取りあえずはいいんじゃないかな。
七菜はとにかくあしたの面接に集中しろ。
(七菜)うん。
悪かったな。
邪魔して。
(七菜)ううん。
(明日香)面接頑張ってね。
(七菜)はい。
(明日香)よかったんですか?辻本君が来ていたこと伝えなくて。
今は余計な心配かけたくないですから。
僕は臆病者だ
だけど七菜が生まれたときひそかに決めたことがある
七菜の小さな手を握ったとき8歳の僕は心に誓ったんだ
何があっても妹は守ると
だって僕はお兄ちゃんだから
(珪子)ねえ?どうする?七菜のお祝い。
(七菜)えっ?
(珪子)だってあしたでしょ?最終面接。
(太一)結果すぐ分かんのか?
(七菜)その日のうちに電話くれるって。
(珪子)じゃあやっぱりサプライズパーティーしなくっちゃ。
言っちゃったらサプライズじゃないでしょ?
(珪子)いいじゃない。
驚いてくれたら。
(七菜)何?それ。
やらせ?
(太一)いよいよ七菜も社会人か。
気が早いよ。
他の局全部落ちちゃってるし。
これが駄目だったらもう終わりなんだから。
でもさいっつも受かる前から合格祝いの準備しちゃってるよね。
(七菜)そうだよ。
受験のときとか。
(珪子)でもそれで全部受かってるでしょ?ガン担ぎ。
験担ぎ。
(珪子)あっ。
願掛け。
そっち?
(珪子)うん。
(太一)あっ。
そうだ。
あした久しぶりに家族ビデオ見ようか?
(七菜)絶対やだ。
(太一)いいよ。
七菜の小さいころからの成長を見るとうるっときちゃうんだから。
(珪子)それって結婚式で見るもんでしょ?
(太一)お母さん。
七菜はまだ結婚しないでしょ。
(珪子)やだ。
何怒ってんの?お父さん。
気が早い。
もう何言ってんの?あっ。
ねえねえ。
今度ね陶芸の先生と一緒に1泊で旅行に行こうって話が出てる…。
ぶっ!
(太一・七菜)あっ。
汚い。
何だ?
(珪子)えー?ごめんごめんごめん。
えっ?ねえ?あっ。
陶芸の先生ってあの波戸とかいう男だろう?
(珪子)そうよ。
それ以外知らないけど。
いや。
まずいだろう。
2人で旅行なんて。
(珪子)2人なわけないでしょ。
民子さんも一緒。
登り窯で一晩中器を焼くんですって。
(太一)へえー。
それはすごいね。
(珪子)近くにいい温泉もあるって。
(太一)ふーん。
(珪子)行ってもいいかな?
(太一)いいんじゃないか。
駄目だよ。
(七菜)何むきになってんの?いいじゃん別に。
いや。
だってほら。
名無しさんのことだってあるしさ。
お母さんはいつもうちにいて怖い思い一番してるんだから1日ぐらい羽伸ばしてもいいんじゃないか?
(珪子)ありがとう。
じゃあちょっと羽伸ばそうかな。
(七菜)いいじゃん温泉。
(珪子)うん。
倉田七菜です。
あっ。
何?ああ。
いやいや。
歯ブラシ。
すいません。
何?緊張してんの?当然でしょ。
受かるといいな。
うん。

(珪子)七菜。
そろそろ時間じゃない?
(七菜)分かってる!もう行く!母さんにあの話したの?えっ?いや。
ほら。
七菜が小学生のとき。
(七菜)《お母さんって昔何になりたかったの?》
(珪子)《お母さんねアナウンサーになりたかったの》
(七菜)《へえー。
そうなんだ》
(珪子)《最終面接まではいったんだけどご縁がなかったのかなぁ》お前俺にうれしそうに言ってたじゃん。
だから私はお母さんの代わりにアナウンサーになるんだって。
それお母さんには言わないでよ。
何で?喜ぶよきっと。
そう?私に話したことなんて忘れてるでしょ。
まあな。
でも受かったら絶対喜んでくれるよ。
うん。
うん。

(太一)七菜。
ああ。
これ。
お守り。
(珪子)そんなの買ってたの?
(太一)うん。
昨日帰りにね。
(珪子)どこの?
(太一)うん。
そこの氷川さま。
(珪子)駄目よ。
あそこ学問の神様でしょ?
(太一)えっ?恋愛成就じゃなかった?
(珪子)そうだっけ?いや。
どっちも違うよ。
いいよ。
お父さん。
ありがとう。
(太一)うん。
お母さんもね応援の手紙書こうと思ったんだけど。
何かまとまんなくって。
(七菜)いいからそんなの。
じゃあいってくるね。
(珪子)頑張ってね。
頑張れよ。
(七菜)うん。
あっ。
あの。
リラックスな。
いってきます。
(太一・健太)受かれ。
(珪子)うーん。
おはようございます。
(明日香)おはようございます。
いよいよですね。
七菜ちゃん。
ええ。
家族で送り出してきました。
(明日香)今夜お祝いをするから来てくださいってさっきお母さんから誘われちゃいました。
あっ。
最近毎日来てますね。
(明日香)うん。
(蟹江)いやー。
残尿感ナッシング。
おう。
倉田ちゃん。
おはようございます。
(蟹江)おはようちゃん。
えー。
ナスカちゃんから聞いたよ。
何をですか?
(蟹江)妹ちゃん女子アナなんだって?いやいやいや。
まだ面接中ですよ。
(蟹江)受かったら司会を頼むぜ。
司会?
(蟹江)俺とシルビアちゃんの結婚式だぜ。
何か進展あったんすか?
(蟹江)メールでお食事をお誘いしちゃったぜ。
(明日香)それで?
(蟹江)やんわりと断られたぜ。
(明日香)何だ。
また誘えばいいじゃないっすか。
(蟹江)もう8回誘ってるぜ。
シカトされてるぜ。
(明日香)編集長。
それもう諦めた方がいいと思いますよ。
アハハ。
諦めるなんて。
ちょっとごめん。
ちょっと泣いちゃうかもしれない。
ううっ。
ううー。
お願いします。
ああ。
(バイブレーターの音)
(七菜)フフフ。
ファイトだろ。
燃えちゃってるし。
(バイブレーターの音)・
(係員)倉田七菜さん。
どうぞ。
(係員)倉田さん?はい。

(七菜)失礼します。
(面接官)どうぞ。
お座りください。
(七菜)はい。

(摂子)ここ数字が違う。
何度言ったら分かるの?
(若葉)すいません。
(高橋)まあまあまあ。
若葉ちゃんもまだ2年目だからミスくらいありますよ。
(摂子)まだじゃなくてもう2年目でしょ?
(高橋)ですよね?
(高橋・若葉)高橋。
だよね。
(摂子)部長!
(太一)うん?
(摂子)業績会議の時間じゃないですか?ああ。
そうだ。
いってくる。
(摂子)はい。
(真瀬)お配りいたしましたのは今月分の売り上げ予定表です。
大口の取引につきましてはゼニアスソフトさんとのICチップの追加が入っております。
柏精工さんとの交渉は引き続き行われている最中でロット数の変更があるかもしれません。
(太一)ちょっとよろしいですか?
(持川)どうされましたか?倉田部長。
先日相模ドリルから3,000万円分のドリルを仕入れましたよね?あれはどちらへ販売されるんですか?おやおや。
そういえば抜けてるな。
失礼。
あれは安く仕入れることができましたので来月あたり新規開拓の商材として使うつもりでおりました。
皆さん。
すいません。
このリストに書き足しておいてください。
(摂子)どうしたんですか?浮かない顔して。
ああ。
売り上げ予定表にあのドリルが入ってないんだよ。
(摂子)えっ?
(太一)しかもそれを質問したら真瀬部長明らかに焦ってた。
(摂子)やっぱりあのドリルには何かあるってことですよね?ああ。
(摂子)私平井さんにもう一度話を聞いてきます。
(太一)あっ。
私も行くよ。
(摂子)ねえ?江口君。
平井課長は?
(江口)あっ。
さっき真瀬部長に呼ばれて外出しました。
今日はもう戻らないって。
(太一)無駄足だったか。
(摂子)本当にこのドリルに行き先があるんですかね?
(太一)うん?
(太一)あれ?
(摂子)どうしました?
(太一)これひびが入ってる。
(摂子)ホントだ。
えっ?それにこれ汚れてますよね?
(太一)あっ。
江口君。
ちょっと。
(江口)はい。
(太一)このドリルってこれで新品なのかな?
(江口)えっ?
(江口)いや。
新品って感じじゃないですね。
研磨品にしては保存状態も悪いですし。
(太一)営業部が3,000万円で買ったんだけど。
(江口)3,000万!?いやいやいやいや。
(太一)えっ?どうしたの?
(江口)いや。
そもそもこれって売り物なんですかね?
(摂子)えっ?
(太一)どういうこと?
(江口)これ廃棄ドリルだと思うんですけど。
(太一)廃棄ドリル?
(江口)ええ。
型番も古いですし。
(江口)今どきこんな旧式の使ってる会社ないと思います。
いやー。
このドリルが3,000万もするはずないと思います。
じゃあこのドリルの値段は?
(江口)あっ。
いや。
こんなの価値ゼロじゃないですか。
(太一)どう思う?
(摂子)まずうちの会社が相模ドリルに3,000万円を支払ったことは事実です。
(太一)うん。
江口君の言ってることが正しければ現時点でうちの会社は3,000万円の損失を被ってる。
(摂子)この妙な取引が意図的に行われたとしたら。
(太一)相模ドリルと真瀬部長との間に何らかの不正なやりとりが行われてるってことだ。
(摂子)どうしますか?真瀬部長を問い詰めたところで発送ミスだって言い張って先方に根回しするだけですよ。
(太一)ああ。
まずは先方から発送ミスではなかったという言質を取り付ける必要があるな。
(摂子)でも確認するにしても倉田部長や私が電話をするのではなく別の人から問い合わせてもらった方がいいと思います。
(太一)江口君に頼もう。
(摂子)適任かと。
(太一)これは大ごとになりそうだ。
(珪子)もう載せちゃって。
(太一)えっ?はいはい。
(珪子)そうそう。
ただいま。
(珪子・太一)おかえり。
(珪子)はい。
お願いします。
(太一)はい。
七菜は?
(珪子)うーん。
それがまだなのよ。
(太一)電話したんだけどね出ないんだよ。
(珪子)お友達にお祝いでもしてもらってるのかしら?ちょっと見てくるね。
(珪子・健太)うん。
ああ。
お兄ちゃん。
やっぱりここだったか。
小さいときからつらいことがあるといっつもここに来てたもんな。
いっつもお兄ちゃんが迎えに来てくれてね。
駄目だった。
面接。
そっか。
ぼっろぼろだった。
そういうときだってあるだろう。
面接官との相性だってあるだろうしさ。
違うの。
面接の直前にこんなメールが来たの。
これ見たら私。
《えっ?あっ》
(面接官)《どうしました?》《小さいときからアナウンサーに憧れておりまして》
(面接官)《なるほど。
ちなみに学生時代はどのように過ごされましたか?》《私の学生時代は…》もう何か訳分かんなくなっちゃって。
これって名無しさんからだよな?分からない。
警察に連絡しよう。
待ってよ。
連絡してどうするの?だってこのままほっておくわけにはいかないだろう?私だって考えたよ。
でも警察に連絡してももうどうしようもないじゃん。
今はちょっとこのことはそっとしておいてもらえるかな?ただいま。

(太一)おかえり。
疲れたでしょ?面接って嫌よね。
駄目だった。
そうか。
うん。
残念だったな。
ごめん。
(珪子)謝ることないわよ。
ほら。
お風呂沸いてるから入っちゃいなさい。
ねっ?
(七菜)うん。
(珪子)お疲れさま。
ねっ?また赤飯炊いたんだ?
(珪子)うん。
これ作ると必ず合格してたんだけどね。
炊飯器替えたのがいけなかったかしら?それどうすんだ?このまま出すのかわいそうだからミートソースとチーズ載せてドリアにしちゃう。
(太一)へえー。
そんなことできるの?
(珪子)主婦歴30年のベテランですから。
(太一)フフフ。
そうだよね。
(バイブレーターの音)
(太一)お母さんが作りゃ何でもおいしいや。
(バイブレーターの音)
(珪子)でしょ?ほら。
(バイブレーターの音)もしもし?
(明日香)こんばんは。
今外から盗聴してたんですけど。
何やってんですか?
(明日香)いやー。
七菜ちゃん残念でしたね。
盗聴して確かめないでくださいよ。
(明日香)私もどういうテンションで行くべきか測りかねてたので。
こういうとき便利ですね盗聴器って。
ふざけないでください。
あっ。
失礼。
今夜はもう帰りますね。
あっ。
ちょっと待ってください。
あのう。
相談したいことがあります。
(明日香)七菜ちゃんの言うとおりですね。
警察に届けても名無しさんを追い詰める材料にはならないと思います。
でもアドレスからとか何か調べられるんじゃ?画像をテレビ局に送った証拠もないし現時点では警察も本腰を入れてくれないかもしれません。
でも通報しないよりはましですよね?そうですけど。
七菜ちゃんを傷つけることになりますよ。
分かりました。
だったらうちの家族だけで解決します。
えっ?僕に考えがあります。
(七菜)ああー。
気持ちよかった。
(太一)おっ。
飲むか?
(七菜)あっ。
じゃあもらおっかな。
(太一・七菜)はい。
(七菜)ありがとう。
(七菜)ああー。
(珪子)はい。
お待たせ。
今日はドリアにしてみました。
(七菜)うわー。
おいしそう。
あれ?お兄ちゃんは?
(珪子)うん?明日香ちゃんと一緒にね自分の部屋行ったの。
(七菜)へえー。
明日香さん来てるんだ。
(珪子)うん。
うーん。
よいしょ。
(珪子・七菜)うわー。
(珪子)あつあつよ。
ほら。
(一同)うるさいな。
何なの?えっ?どうしたの?うん?何?シーッ。
(珪子)何?えっ?
(太一・珪子)うん?何?ちょっとちょっと。
シーッ。
(珪子)あつあつのうちに食べちゃわないと。
ねえ?ドリア。
あつあつのうちに食べようよ。
(太一・珪子)うん?えっ?
(珪子)あっ。
5人も入れるのね。
(太一)何だよ?これ。
あのさ。
(珪子)ちょっと七菜。
シャンプーの位置変えるのやめてよ。
間違っちゃうじゃない。
お母さん。
(七菜)いや。
見れば分かるじゃん。
だってお母さんこう目つぶってこう取るでしょ。
ちょっちょっと。
真面目に聞いて。
何?実はさリビングんところに盗聴器が仕掛けられてんだ。
いやいや。
だからさ名無しさんに盗聴されてんだよ?うち。
またまた。
(太一)何言ってんだ?お前。
いや。
ホントなんだって。
コンセントんところに2つも盗聴器があるんだって。
これで明日香さんと一緒に探したから。
(七菜)何?それ。
(明日香)盗聴発見器です。
(珪子)そんなの持ってるの?今から仕掛けられた盗聴器をお見せします。
(女性)埼玉ね。
(珪子)あっ!?
(女性)埼玉の男はねちっこいのよね。

(七菜)何?あれ。
盗聴器だって。
(珪子)盗聴器って盗聴するやつ?いや。
そりゃ盗聴器だからさ。
(七菜)何なのよ?もう。
(珪子)やだ。
怖い。
気持ち悪い。
落ち着いて落ち着いて。
24時間盗聴されてるわけじゃないから。
(珪子)どういうこと?
(明日香)受信機は家の半径200mぐらいしか声を拾えません。
近くに来たときしか名無しさんも盗聴できないんです。
でも名無しさんは家の近くで聴きに来てるってことだよね?おい。
いつからあるんだ?分かんない。
でも名無しさんはあれで家の中の会話を聞いてたから防犯カメラの位置が分かったんだと思う。
(珪子)やだ。
私昼間一人で歌ったりしてるのよ。
他の部屋は?それは大丈夫。
調べたから。
盗聴じゃなくて。
ほら。
盗撮とかは?
(珪子)盗撮!?
(明日香)それも大丈夫です。
これで確認できますから。
(七菜)よかった。
もうお風呂とか盗撮されたらもう死んでたわ。
無駄毛の処理とか見られたくないわよ。
そういう問題じゃなくてさ。
(太一)健太。
どうして今日まで黙ってたんだ?
(珪子)そうよ。
ごめん。
名無しさんに盗聴器がバレてることを知られたくなかったんだ。
(七菜)何で?家の外と家の中に新しい防犯カメラを仕掛けたんだ。
(珪子)そうだったの?家族で会話にならなければ新しい防犯カメラのことは名無しさんにはバレないだろ?それでそのうち姿を現すんじゃないかと思って。
(珪子)ああ。
(明日香)すみません。
情報が漏れないように家族にも黙ってた方がいいって私が健太さんに提案したんです。
(珪子)教えてくれても盗聴器の前ではねちゃんと黙ってたわよね?
(七菜)いや。
絶対不自然になるでしょ?お母さんとか。
これでも私クラスの演劇で主役やったことあるんだから。
それを何で今日話したんだ?それは…。
もうどうしても名無しさんが許せなくて。
俺たちで名無しさんをわなにはめないか?
(珪子)わな?
(太一)どうするんだ?母さんは陶芸で1泊旅行に行くって言ったよな?
(珪子)うん。
それに合わせて俺たちも家族旅行するって盗聴器の前で嘘の情報を流すんだ。
(七菜)それで?それでホントは旅行なんか行ってなくて家ん中で待ち伏せする。
おびき寄せるってこと?そんな都合よく来るかな?名無しさんが嫌がらせ始めてから長いこと家を空けたことなかったろう?
(珪子)うん。
鍵だって替えちゃったし。
名無しさんにとったらゆっくり侵入できるチャンスだって思うんじゃないかな?可能性は薄いですけど。
やってみる価値はあると思います。
もう決着つけよう。
これが終わらないと七菜だって先のこと考えらんないだろう?お兄ちゃん。
(珪子)でも危ないんじゃない?大丈夫だよ。
相手の顔を見てやるだけだから。
別に捕まえるわけじゃない。
でも…。
お母さんは予定どおり旅行に行ってくれればいいから。
七菜も自分の部屋でじっとしてればいい。
親父。
俺たちでやろう。
俺たちでこの家守ろう。
ああ。
(七菜)ああ。
おなかすいた。
(珪子)お母さんは今度の金曜日小田原へ。
お父さんたちは日光へ旅行に行くでしょ?だからその日から次の日の夕方ぐらいまでは家に誰もいないわね。
(七菜)うん。
(太一)ああ。
そうだな。
今度の金曜土曜は家に誰もいなくなってしまうな。
(珪子)えっ?不自然だよ。
そう?おかしいって。
一生懸命やってんだけどな。
(一同)ハァー。
(珪子)来週の今ごろはみんな旅行よね。
(太一)日光の天気はどうなのかな?快晴だって。
お母さん。
小田原のお土産よろしくね。
はい。

(七菜)これおいしい。
(珪子)日光で湯葉は食べるのよ。
(太一)鬼怒川温泉の温泉卵はおいしいよ。

(太一)なあ?ホントにこれ名無しさん聞いてんだろうな?いや。
可能性に懸けるしかないからさ。
今夜の台本いまいちよ。
私のせりふ少ないし。
(七菜)何マジになってんの?
(珪子)いよいよあしたね。
旅行は。
(太一)混雑するから先に東照宮に行こうよね。
(七菜)えー?華厳の滝の方が先でしょ。
いやいや。
中禅寺湖の遊覧船でしょ。
あっ。
時間だ。
旅行の準備よろしくよね。
(珪子)はい。
(七菜)ガスはお留守番ね。
(太一)いってくる。
(珪子)はい。
(江口)先方のミスじゃないみたいです。
担当者いわく社長の指示で廃棄ドリルを送ったそうです。
(太一)社長って相模ドリルの社長直々ってこと?
(江口)ええ。
しかも当日の配送予定を変更して至急うちへ送れって話だったそうです。
(太一)ふーん。
何で廃棄ドリルを送るのを先方じゃ疑問に思わなかったんだろ?
(江口)あっ。
うちが産業廃棄物処理の新事業を始めたと思ったそうです。
ああ。
そういうことか。
(江口)はい。
どうするんですか?倉田部長。
ちょっとヤバい話のような気がしますけど。
ちょっとどころじゃないよ。
いいかい?このことは他言無用だよ。
(江口)あっ。
はい。
(太一)頼むよ。
(江口)はい。
(摂子)その廃棄ドリルが真瀬部長の指示だとしたらなぜそんなことをしたんでしょうか?
(太一)これは私の仮説なんだが。
新品のドリルを買ったことにして真瀬さんが相模ドリルに3,000万円貸したんじゃないかな?ドリルの売買の実態がない架空取引で一時的に3,000万円の資金を融通したってことですね?ああ。
(摂子)あの真瀬部長が何の見返りもなくそんなことをするとは思えませんけどね。
あるんじゃないかな。
何らかの見返りが。
(摂子)真瀬部長を問い詰めてもきっと誤配だって言い張りますよ。
(太一)うん。
それでいいんじゃないの?
(摂子)えっ?
(太一)誤配だっていうことを認めて新品のドリルを運ばせればいいんじゃないか?なるほど。
相模ドリルも真瀬部長もきっと困り果てると思いますよ。
誤配だな。
後で文句言ってやるよ。
(太一)真瀬さんがそうおっしゃるならそうでしょう。
ではこの廃棄ドリルは先方にお返しするとして当然3,000万円分の新しいドリルを送っていただけるんですよね?
(真瀬)もちろんだよ。
よろしくお願いいたします。
さあこれからどうするのか?これは見ものですね。

(七菜)お母さん。
いってらっしゃい。
楽しんできてね。
(珪子)うん。
みんなも気を付けてね。
旅行!ああ。
(珪子)うん。
(太一)おう。
お母さん駅まで送って俺はそのまま会社行くから。
(七菜)車はどうすんの?
(太一)駅前に止めておく。
健太。
俺が戻るまで無理すんな。
うんうん。
じゃあいってきます!
(七菜・健太)いってらっしゃい。
(蟹江)えー。
拝啓。
シルビアちゃんへ。
これで157回目のお食事のお誘いだぴょん。
そろそろお返事欲しいぴょん。
ハァ。
俺って文才ある。
よーし。
思いよ届け。
送信。
どん。
よし。
これで今日の仕事終わり。
なっ?あれ?倉田ちゃんは?
(明日香)今日は自宅待機ですよ。
なぬ?ごめん。
今日はお先に帰らせてもらうよ。
(高橋)えっ?珍しいっすね。
(太一)ちょっと息子と約束があるんだ。
(若葉)お疲れさまでした。
(太一)ああ。
お疲れさま。
(摂子)部長。
大変です。
(摂子)廃棄ドリルと交換で相模ドリルから先ほど。
(太一)新品なんだよね?
(江口)ええ。
新品です。
さっき検品したんですが注文どおりの極小径で発注どおり3,000万円分の価値があるドリルです。
追い詰めるのが早過ぎて逃げる隙を与えたのかもしれないな。
もしもし?あっ。
倉田さん?お取り込み中すみません。
無事ですか?ええ。
今のところは。
(明日香)近くまで来てるんですけど。
何か差し入れ買っていきましょうか?わざわざ来たんですか?事件のクライマックスかもしれませんからね。
ああ。
あの。
じゃあ何か軽くつまめるものをお願いします。
シュークリームとかお団子とかでいいですよね?あっ。
いやいや。
あの。
甘いもの縛りじゃなくて。
おにぎりとか。
ああ。
そういう系ですか。
意外。
いや。
普通ですよ。
じゃあのりはしっとりの方でいいですよね?ぱりぱりだと。
ほら。
音出ちゃうし。
任せます。

(物音)上行ってろ。
(七菜)えっ?上。

(鍵の開く音)・
(ドアの開く音)
(七菜)お兄ちゃん!おおー!
(七菜)あっ。
お兄ちゃん。
あっ!七菜!
(七菜)ちょっと。
お兄ちゃん。
重たいって。
えっ?お兄ちゃん。
お兄ちゃん。
お兄ちゃん!お兄ちゃん起きて!・
(明日香)どうしたんですか?
(七菜)ねえ!お兄ちゃん。
(明日香)倉田さん。
ああ。
倉田さん。
(七菜)お兄ちゃん!やだ!
(明日香)倉田さん!七菜は?ここにいるよ。
ああ。
お兄ちゃん。
ねえ?しっかりして!倉田さん。
(七菜)お兄ちゃん!お願いだからしっかりして!ねえ?起きて。
ねえ?お兄ちゃん。
(呼び出し音)もしもし?救急車お願いします。
(七菜)お兄ちゃんってば!
(明日香)29歳男性が腰の辺りから出血して倒れています。
えっと。
場所は。
(七菜)やだって。
起きてって。
ねえ?やだ。
僕は…
(七菜)ちょっと。
嘘でしょ?
臆病者だ
(七菜)お兄ちゃんってば!
だけど七菜が生まれたときひそかに決めたことがある
何があっても妹は守ると
だって僕は…
2015/05/18(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
ようこそ、わが家へ #06[字][デ]【妹は絶対に守る!卑劣なストーカーと直接対決!】

「妹は絶対に守る!卑劣なストーカーと直接対決!」
原作・池井戸潤 相葉雅紀 沢尻エリカ 有村架純 佐藤二朗 堀内敬子 竹中直人 南果歩 寺尾聰 ほか

詳細情報
番組内容
 倉田健太(相葉雅紀)は神取明日香(沢尻エリカ)の事件からヒントを得て、ストーカーの足取りを追うことを思いつく。最初に健太が駅で注意して、自宅までつけて来た人物のその後の行動だ。明日香とともに手がかりを探す健太へ、タクシー会社から、倉田家付近で怪しい人物を乗せたと情報が入る。
 健太たちは、その人物が降車した場所へ。すると見覚えのある人物を発見。七菜(有村架純)の元カレ、辻本正輝(藤井流星)だ。
番組内容2
健太と明日香は、倉田家への嫌がらせと七菜へのストーカー行為を止めるよう辻本に詰め寄る。だが、辻本は意外なことを健太に告げる。
 その頃、『ナカノ電子部品』では、在庫数の合わなかった商品が見つかっていた。太一(寺尾聰)と西沢摂子(山口紗弥加)は、確認したときにはなかった商品を平井光雄(戸田昌宏)に見せられる。見落としたと平井は言うが、摂子は真瀬博樹(竹中直人)が裏で糸を引いていると太一に告げた。
番組内容3
 健太と明日香は、七菜に辻本の話を聞く。しかし、健太は辻本にストーカーの疑いがあることは、七菜に話さなかった。アナウンサー面接も大詰めを迎えようとしている七菜に余計な心配をさせたくなかったのだ。その夜、珪子(南果歩)が波戸清治(眞島秀和)たち陶芸教室の仲間と一泊旅行に行って良いかと太一に聞く。その話を聞いて、健太の胸中はさざめく。以前、波戸から「君のお母さんが好きだ」と告げられていたからだ…。
出演者
相葉雅紀 
沢尻エリカ 
有村架純 
佐藤二朗 
山口紗弥加 
眞島秀和 
堀内敬子 
足立梨花 
藤井流星(ジャニーズWEST) 
高田純次
 ・ 
竹中直人
 ・ 
近藤芳正 
南果歩 
寺尾聰 


スタッフ
【原作】
池井戸潤「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫) 

【脚本】
黒岩勉
(『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』『ストロベリーナイト』『謎解きはディナーのあとで』など) 

【プロデュース】
羽鳥健一
(『信長協奏曲』『東京にオリンピックを呼んだ男』『高校入試』など) 

【演出】
中江功
(『若者たち2014』『海の上の診療所』『Dr.コト—診療所』シリーズなど)
スタッフ2
谷村正樹
(『ラストホープ』『最後から二番目の恋』『全開ガール』など) 

【主題歌】
嵐『青空の下、キミのとなり』(ジェイ・ストーム) 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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