4オイコノミア「子育て“はじめの一歩”の経済学」 2015.05.18


頑張っていきましょう。
楽しみですね。
よろしくお願いします。

(娘)あっ!「オイコノミア」始まったよ!
(母)お父さん今日のテーマは何でしたっけ?
(父)ん?「しつけに役立つ経済学」って書いてあるぞ。

(母)本当ですかね?経済学が子育てしてくれるっていうのかしら?
(息子)ばばあ!飯まだかよ!?
(父)母さん「オイコノミア」見てみるか。

(テーマ音楽)ん?又吉さんどこに向かっているんでしょうか?
(又吉)今日は大竹先生に呼び出されて来たんですが…。
こちらですかねぇ…。
おはようございます。
すいません。
ああ!大竹先生。
(大竹)おはようございます。
おはようございます。
いや又吉さん。
うわっすごい!おしゃれでしょう。
おしゃれですね!すごいな!2人が訪れたのは都内にある幼稚園。
見てください。
この個性的な形の建物。
これ幼稚園の園舎なんです。
この幼稚園に通う園児の数はなんと600人。
働く教員の数も90人と日本屈指の規模を誇る幼稚園だそうです。
今回のテーマは「子育ての経済学」ということですがこの幼稚園のどこに経済学があるんでしょうか?又吉さんこの蛇口ひねってもらえませんか。
これですか。
はい。
はい。
ハハッ。
そのまま出るんですか?そうなんですよ。
もうちょっと近づいたらぬれてよかったんですけど。
いやこっち向いてましたから。
やっぱり気をつけてたんですか。
普通だったらここにこういうなんかありますけど。
そうなんです。
実はこの水道もともとあったシンクを園長先生が取っちゃったそうなんです。
なぜわざわざシンクを外したのか?その理由をご本人に伺います!
(加藤)手洗いますよね。
はい。
はねますよね。
人間…ああ。
今のお友達は子どもさんはここに来てずっと手を出してるんですよ。
それで出ないっていうわけ。
センサーの時代だから。
でもこういうのやっぱり大切なのはセンサーもいいんですけどこうこの細いの出ないんですよ。
ああ。
自分の思ったとこにだんだん止まってくるようになるんです。
最初は止まんないけどこれが止まるようになるんです。
自分の加減であんばいで。
で自分で止まってくるって事は…そうか。
もうセンサーでいろんな所出ちゃいますもんねトイレとかでも。
わざわざシンクを外したのは子どもたちに「考えて行動してもらう」ためなんですね〜!これこそ経済学のポイントなんです。
でもそれはまた後ほど。
今の幼稚園こうなってるんですね先生。
そうですよね。
私の幼稚園の頃とは全然違いますよ。
あっそうですか。
へぇ〜!あれっ!?村上さん!
(村上)何やってんの?ハハッ。
いや村上さんこそ。
えっ!僕番組の収録ですよ。
あっそうなの?この幼稚園気になっててさ。
えっ!いや何かいい幼稚園っぽいなあとは思ってたんだけど入れたらなあなんて。
家この辺ちゃいますよね?うん。
まったく違うんだけども。
ウフフッ。
とメチャクチャ不自然な登場でしたが今回のゲストは又吉さんの1期先輩。
森三中の村上知子さん。
村上さんは去年3月に第一子となる長女を出産。
現在子育て真っ最中のママさん芸人なんです。
そんな村上さんと今回は子育てに使える経済学を考えていきたいと思います。
又吉さん子育ての方は関心あるんですか?ハハハッ。
いやありますよ。
あるんだ。
結婚こそしてませんし子どももいないですけどいずれは僕も家庭を持ちたいと思ってるんで。
あっお父さんになりたい?お父さんになりたいですよ僕も。
ウハハハハッ!そうなの?子育てに関心はムチャクチャあります。
へぇ〜!はい。
村上さんもちろんね。
もちろん。
母親ですもんね。
1歳なので娘が。
これからどうしていこうかというのはやっぱり不安も初めてなのであるのでちょっとすごくいろんな知識が欲しいですね。
なるほど。
まあ今日はね子育て中の村上さんには親からの視点でそれから又吉さんには子育てを受けていた頃の視点で参加していただけたらと思います。
分かりました。
父親としてではなく子どもの頃のことを思い出しながら。
記憶をたどるんだ。
分かりました。
又吉さんの想像力だったら父親にもなれるかもしれないです。
ちょっと両方で考えてみます。
あの作家ですから。
いや作家じゃない芸人ですから。
そうですか。
(娘)経済学が子育ての役に立つの?でも先生子育てと経済学ってあまり接点がないように思うんですけど。
そんなことないですよ。
先ほどね園長先生も幼稚園でいろんなことを学んで成長していってほしいっておっしゃってましたよね。
はい。
いろんな事を工夫されてましたね。
そうですよね。
実はね……ということを主張される先生がいるんですよね。
はい。
アメリカの経済学者ジェームズ・ヘックマン。
2000年にノーベル経済学賞を受賞した世界的な経済学者です。
労働経済学を専門とするヘックマンは政府がお金をかけて行う職業訓練に「どのぐらい投資効果があるのか?」ということを研究しました。
そうすると結構お金がかかるわりにはなかなか一生懸命訓練してもその効果っていうのはあんまりないということが研究の結果分かったんですね。
じゃあ学校にいるときにもっと政府が補助をして勉強してもらうようにしたら職に就けない人が減るんじゃないかということを今度は研究したんです。
その効果を調べてみても実はあんまり効果がないという事が分かったんですね。
でじゃあ大学は駄目だ。
高校は駄目だってず〜っと調べていくと…
(2人)へぇ〜!…ということが分かったんですよ。
研究の末ヘックマンがたどりついた答えがズバリ!…ということでした。
ヒエ〜ッ!結構衝撃的じゃないですか。
そうですね。
かなり早い段階でそんな人生が決まっちゃうんですね。
かなり影響するものがあるという事です。
正直イメージ的には中学とか高校ぐらいから勉強頑張ったらなんとかなんのかなと思ってたんですけど。
だから勉強をさせたらそれが伸びる時期はもちろんあるんですけれども実は…学力で計れない能力?先ほどね又吉さんこの幼稚園でシンクがない水道だとほったらかしにするとぬれてしまうからちゃんと閉めるとか工夫するということを育てると。
あれは学力を伸ばすわけじゃないですよね。
勉強だけじゃないですよね。
そうですよね。
このヘックマン教授というのが見つけたというのはですねこういうIQとか学力では計れない能力が大事だということなんです。
これ経済学で非認知能力と言われてるんですが。
非認知能力とは我慢強さや協調性計画力工夫する力挑戦する力など学力以外の能力を指します。
先ほど又吉さんと大竹先生が歩いていた幼稚園。
あちこちに非認知能力を伸ばす工夫がありました。
子どもの力だと僅かに隙間風できるような感じになってます。
へぇ〜!あえてこんなふうな作りにしてますけど。
ここ隙間風あるとその辺に座ってる子が「寒い」って言うわけ。
するとおトイレ行って帰った子がまた「寒い」って言われたからしかたなく戻ってきてこれをカチッとこう締めるようになるわけ。
こういうことを何回も繰り返すわけ。
みんなが。
そういう事を通じて物事をキチンとするっていう癖付けをしたいわけ。
始めた宿題は最後までやりましょうみたいな。
はいはい。
更に園庭にも仕掛けがあるみたいなんです。
(加藤)ええ。
わざとデコボコにしてある地面。
子どもたちは一度転んだら次は転ばないように工夫して走るそうです。
こういった工夫が非認知能力を伸ばすのかもしれません。
ファイト!へぇ〜!…ということなんですね。
私たちの能力まあえっと年齢によって伸びる能力がいろいろあるということ知られてるんですよ。
例えば外国語の勉強をするときに若い段階で正しい外国語の発音を習うとちゃんと発音できるようになるけれども年を取ってから外国語を勉強してもなかなかうまく発音できないじゃないですか。
そういう力を身につける年齢というのはある年齢までに限られてるんだということが知られてるんですね。
この考えの根拠となっているのが「ペリー就学前プロジェクト」と呼ばれる実験です。
1960年代にアメリカのデトロイト市郊外で行われた実験。
貧しく幼稚園に通えない子どもたちの学力向上を目的とし2年間にわたり1日2時間半の教育を行い親にもアドバイスをしました。
そして同じような境遇で介入教育を受けなかった子どもたちと小学校に上がってからの学力を比較したんです。
でその直後はやっぱり効果があったとされたんですがしばらくするとその学力差というのは全然出なかった。
で失敗だったんじゃないかというふうに思われたんです。
ところが40年たってもう一度調査してみたんですね。
その子どもたちだから3歳から4歳だった子40何歳になったときに調べた。
でそうするとそういう…
(2人)へぇ〜!更に介入教育を受けた子どもたちは受けなかった子どもたちに比べ生活保護受給率や逮捕率が低くなったんです。
大人になってからこんなに差が出てくるもんなんですね。
そうなんですよ。
ああ!こう見るとすごく重要なことのように思いますね。
確かに。
何かこう何ていうんですかね人間力じゃないですけど人間とのこの関係性っていうのをなんか幼い時に築けるか築けないかっていうところでなんかそれが当たり前としてベースにあってでも学歴とはまた違うところで育っていくという感じの一番重要なところがその幼い時の体験なんですかね。
そうみたいですね。
具体的にはねまず…今日は何をする。
でそのためにどういうふうなことを今日するんだと。
まあ目的を達成できなかったらどうして達成できなかったのかを考えさせる。
へぇ〜!でそれの結果を次に生かすようにする。
…ということをやったんですよね。
でも今お子さん1歳でこのタイミングで聞いとくのいいですよね。
大事本当に。
もうちょっとしたらそういう事をやってったほうがいいという事ですもんね。
そうですね。
なるほどね〜!どうなんですかね。
2歳とか3歳の時に僕はやった記憶は僕もないんですけど。
あるいはね家の環境が又吉さんを考えさせる人にしむけたという事はないですかね。
そういう事でいうと僕の家はそんなに裕福じゃなかったんで周りの家と比べたらオモチャとかが少なかったんですよね。
だから絵を描く時間とか自分で何か物を作ったりすることは多かったですね。
やっぱりそれがやっぱり計画力をやっぱり育てたんじゃないでしょうかね。
あと何か鍵を開けるのがなかなか難しい家だったんですよね。
えっ!?鍵開けてもドアノブがバカになってて開かないんですよ。
入れないの?だからガッてやってガッてコツがあって家族しか開けれない。
(笑い声)一回いってもう一回いかんと開かんみたいな。
ライトも普通にやってもつかないんですよね。
こう。
チョンチョンってこう…。
ウハハッ。
コツがあるんですよね。
それ自然と身につくような環境になってたんですよ。
そっか。
ああそういう微調整とか。
はい。
鍵を開ければ入れるっていうわけじゃないという事とか。
ああなるほど。
当たり前だと思ってたもん。
家は鍵があるからそれを開ければ入れるっていうのは私の中では当たり前だった。
僕はその鍵を開けた上で自分の技術で開けなければいけなかった。
(笑い声)思ってましたし。
そうか。
もうそこが違いますね全然。
意図されてたのかどうか分かんないんですけどね。
結果的にはそういうことが又吉さんの計画力とか思考力を高めていったんでしょうね。
なるほど。
よかったんですね。
僕貧乏な感じとか別に嫌じゃなかったですけどよそと比較した事なかったんで。
もうちょっと大きくなってから小学校ぐらいいってから他の家とちゃうなと思ったんですけど。
そういう意味でいうと小学校2年生ぐらいからトイレの電気とかももうずっとつかなかったですもん。
電球替えても上の多分線が何か変になってて昼間はいいんですが夜は真っ暗闇の中で僕トイレしてましたから。
それも多分技術で。
感覚が。
昼間ここにトイレットペーパーあるとか全部つかんでやってましたからね。
すごい。
そっか。
そういう意味でいうと生かされてるんですかね。
う〜ん。
又吉家なりの就学前教育だったんじゃないでしょうか。
かもしれないですね。
身についてるねしっかり。
そうですね。
しっかりと。
ただいつもいつもこんなうまくいくとは限らないと思うんですよね。
あっ確かに。
お金が無かったことをうまく活用されてこう育ったという感じですけど。
そうでない家庭もねたくさん。
さっきのヘックマンの実験というのは恵まれない子どもたちの家庭の場合はそういう能力を育む機会がなかったから大きな差がついたわけですよね。
だからそうするとそういう……ということがあるということなんですね。
なるほど。
ほらあなたの近くにも経済学が…。
経済学の窓を開けてみましょう。
新しい保育の現場にも経済学がありました。
こちらは普通の一軒家に見えますが…。
ん!?
(子ども)こんにちは!実はここ一軒家を利用した小規模保育という新しいカタチの保育所なんです。
定員19人以下の少人数を対象とした保育所でこの春から始まりました。
一軒家の一部屋を保育所にあて…。
(一同)おはようございま〜す!おはよう〜!隣の部屋では高齢者向けのデイサービスといった別の事業を行っているんです。
これは経済学でいう「範囲の経済」。
例えばここではNPO法人が保育所と高齢者のデイサービスを一軒家の中で行っています。
台所やトイレを共有できるため家賃や光熱費などを抑えることができるんです。
更にはこんな利点も…。
(磯道)例えば認知症の方とかがありましておうちに帰りたいなと思われる方とかもあったりするんですけどそんなときにやっぱり子どもがそばにいて子どもと遊んでおられたらそこでやっぱり笑顔が見えて過ごされるって事があるんですね。
そういう姿をたくさん見てきました。
子どもたちとお年寄りお互いにいい影響を与えあってるんですね。
「範囲の経済」を生かした新しい保育のカタチ。
注目です。
又吉さん。
はい。
見てくださいよ。
はい。
あっ!看板がありますね。
なんて書いてあります?「オイコノミア的子育てお悩み相談室」。
どうやらね今日は又吉さんに子育ての悩み相談が届いてるみたいなんですよ。
僕にですか?僕経験ないですよ。
子育ての。
いや又吉さんなら大丈夫ですよ。
作家ですから。
アハハハッ。
作家じゃないんですよ。
芸人なんですよ。
子育ての悩みに経済学でお答えする「オイコノミア的子育てお悩み相談室」の始まりで〜す!では早速どんな悩みが届いているのか見てみましょうか。

(川村)は〜い。
あっこんにちは。
こちらが今回の相談者。
川村恭子さんと2歳3か月の長女の陽奈ちゃん。
優しい夫とかわいい娘のおかげで毎日が幸せだという川村さん。
でも最近ちょっとした悩みがあるんです。
この子がちょうど2歳3か月になるんですけれどそろそろ…お願いしま〜す。
う〜ん。
うん。
いや〜うちもこれからなんでいい方法があったら知りたいですね。
うん!大竹先生これは経済学では何とかなるんですか?任せてくださいよ。
(笑い声)なるんですね。
ホントですか?「経済学芸人」の又吉さんならもう分かってるはずですよ。
いやまだ分かってないです。
そうですか。
まだちょっと分からないです。
これはね…うん?インセンティブ?はい。
人にやってほしいことをやらせるためにはですね何かこうニンジンとなるものをあげる。
ああご褒美的な。
ご褒美ですね。
ですから子どもに勉強させたい場合はテストの成績が良かったらゲームソフトを買ってあげるとかっていうふうな約束というのはゲームソフトがインセンティブになってるんですね。
村上さんもやっぱりインセンティブありますよね。
お仕事するインセンティブというのは。
まあもちろんそうですね。
何でしょう?まあ…お金。
はいやっぱり。
はい。
まあ多くの大人はね。
はい。
お金がもらえないから頑張んないという訳じゃないですけども目標としてはやっぱり今後二世帯住宅を建てれたらいいなと思って。
やっぱそれがあるのでそのためにはお金が必要だなっていうもうこう分かりやすい必要なものということで頑張ってますね。
へぇ〜!お金だけが目標じゃないんですよね。
お金のあとしたい事があるから。
何でお金が必要かというところで言うとやっぱ家を建てるってなったら相当なお金がかかるので。
村上さんにとっては二世帯住宅を建てたいという夢があるからつらい職業であるお笑い芸人を続けるインセンティブにもなってる。
つらい。
つらいだけじゃないです。
つらいよ〜。
だって大島さんがダチョウ倶楽部さんとか目標にしてるからさ。
なるほど。
つらいよ。
過酷なロケが多いんですよね。
私と黒沢さんは違うんだから。
村上さんのもともとのビジョンはそうじゃなかった。
そうじゃなかった別に。
体張るなんて思ってもみなかったです。
アハハハッ。
今になって…。
なるほど。
でもそういうことも頑張ってやりますよ。
二世帯住宅のために。
なるほどね。
「いつかは夢の二世帯住宅を!」。
これがどんな過酷なロケもこなす女芸人村上さんの「インセンティブ」なんですね。
ガンバッ!ちなみに何度も聞いてますけど又吉さんのインセンティブになってるものは何ですか?そうですね。
何ですかね。
でも今ね二世帯住宅という言葉を聞いてメッチャそれいいなって思いました。
(笑い声)私これ今まで誰も共感してもらった事なかったけど。
ホントですか?僕は「うわっ!」って思いました。
あっホントに?うれしいな。
やっぱり家族の事気になるじゃないですか。
親の事。
で自分の家の事。
今後築いていく家族って考えたときに二世帯住宅ってもう最高じゃないですか!そう。
僕もそれにします。
(笑い声)注意。
はい。
何でしょう?
(2人)へぇ〜!とある経済学者が2歳の娘のトイレトレーニングのために考え出したインセンティブ。
それはトイレでうんちがちゃんと出来たらご褒美として娘にお菓子を1つあげるという制度でした。
効果は抜群!数日たつと娘はトイレに興味を持ちお菓子を手に入れることを覚えました。
…がしばらくすると娘が奇妙な行動を始めます。
なぜかトイレとリビングを何度も往復するように…。
なななんと!娘は1度のトイレで全部うんちを出し切らず2度3度と小分けする作戦に出たんです!あちゃ〜。
頭いいですね。
はい。
だからそのインセンティブの設計されたのを逆手にとって何度も何度も小刻みにトイレに行く。
アハハハハッ。
すごいですね!メチャメチャ器用ですね。
お菓子が欲しかったんでしょうね。
はぁ〜!すごいなあ。
だから成功はしたんですけれどもうまくいかなかった。
それを元に戻すのってすごい難しそうですね。
アハハハッ。
時間かかりそう。
だってそういう筋肉になっちゃってるんだから。
(笑い声)すごい難しいと思うよ。
それで育ってきちゃったんだから。
2歳から。
そういう進化をしてしまったみたいな事ですよね。
これ有名な例があるんですよね。
「セルゲイ・ブブカ効果」。
みなさんこの人覚えていますか?鳥人ブブカ。
棒高跳びで圧倒的な強さを誇ったブブカは世界記録を更新するたびに国から現金でボーナスがもらえると知って余力があるにもかかわらず1度に僅か1センチずつしか記録をあげませんでした。
これどんだけ余裕があっても世界記録の更新は1センチずつしかしなかったんです。
はい。
ちょっとなんかでもねえ一番いい状態のときにどれぐらい跳べたんかとかねやっぱ思っちゃいますけどね。
ねえテレビで見ててもねこんだけまだ余裕があるのに1センチしか上げないっていう。
これは…そっか。
確かに。
なるほど。
だからトイレトレーニングも同じで経済学者なんですけどインセンティブ設計を間違えてたわけですよね。
だからブブカでいうと1回記録を上回るごとにじゃなくて1センチの単位ごとにすればよかったし娘でいうと回数じゃなくてその分量みたいな。
アハハハッ。
分量も難しいなぁ!量りにくいですけど。
たくさん出したらお菓子をたくさんあげると。
はい。
…ってやったほうがやってたら手抜かずに。
出すものは出すと。
はい。
お互いブブカも娘さんも全力で一回一回挑めたんじゃないかなとは思いますけどね。
そうですよね。
そうか。
でもう〜ん。
じゃあでもどうしたらいいんでしょうね。
お菓子で釣るというか。
というのが駄目だとしたら。
いや釣るのはいいんですよ。
だけどその時に回数が多かったらたくさんもらえる設計にしたのがやっぱり間違いでやっぱりある程度以上ちゃんと出してないとあげない。
そうか。
ある程度そうか。
はい。
そういうことですね。
だからインセンティブの設計難しいんですよね。
難しい。
確かにな。
結局どうなんですかね?トイレトレーニングを。
どんなインセンティブがいいんですかね?あのね経済学者の私が言えるのはインセンティブ設計をすればいいというところまでですよ。
うん。
ですからやっぱりここは具体的な実践はですね経済学芸人の又吉さんの出番ですよ。
子どもがトイレでしたくなるようなインセンティブを考えてください。
僕なんですね。
やっぱり答えるのは。
はい。
いや分からないんですけど僕自分の体験で最後にお漏らしした記憶というのが家でお父さんしかおらんときに漏らしちゃったんですよ。
はい。
そん時に「お父さんやから怒られるかも」って思ってたらお父さんに言ったら何も怒らずに無言で黙々と片づけてんのを見たときになんて言うんですかねなんか恥ずかしさというかそれを感じたんですよ。
うわっみたいな。
怒らんねやみたいな。
なんか自分が子供やと思ったんですかね。
そこから何か気をつけるようになったような気するんですよね。
それ以降多分漏らしてないと思う。
それってモノとかじゃなくて親のその表情とかこんなことをさせてしまったっていう。
だからメッチャ親が悲しんだりメッチャ喜んだりしたらいいんじゃないですか。
なるほど。
トイレ行ったことにすっごい喜んでくれたらそれこそオリンピックで金メダル取ったぐらい「うわ〜!」ってなってくれたら何かじゃ喜んでくれんねやとか。
失敗したら悔しがってくれたら。
うん。
ああ。
僕家貧乏やったんでそういういわゆるご褒美みたいなもの買ってもらったこと一切ないですけど振り返ってみて僕は一体何のために頑張ってきたんだって考えたら自分がうれしいか周りが喜んでくれるか。
それで結構いけるいけちゃうんじゃないかな。
なるほど。
最初からものというものにね頼らないで。
そうですね。
確かに。
なるほど。
だから成功したら喜んであげる。
失敗したら悲しんであげる。
それが又吉さんが考えたインセンティブ。
オイコノミア的子育てポイント!経済学で考えると子育てにはインセンティブ設計が大切です。
ものやお金だけでなく親が喜んだり悲しんだりすることも立派なインセンティブになるんです。
すいません。
突然ですがあのう子育てをするにあたって悩みとかってありますか?悩み。
うち2人で年子なんで兄弟ゲンカが多くて。
兄弟ゲンカ。
何の言うことも聞いてくれないことですかね。
1つも。
1つも言うことを1回で聞きません。
母子分離させるのに幼稚園に入る前に「ママママ」ってなってしまうのでそこがうまくいくにはどうしたらいいのかなってちょっと悩んでます。
先生僕もひとつ相談していいですか。
はい。
あのうこの間ですね僕の友達から友達は結婚して子どもがいるんですけど「息子が外でケンカばかりして手に負えないんやけどどうしたらいいと思う?」という相談受けたんですよ。
へぇ〜!又吉さんがご友人から受けた相談。
又吉さんその相談にどう答えたんですか?僕はあのう…自分が子どもの頃に僕が小学校の頃でしたけどあの学童と…学童行ってたんですよ。
学童とその教室での自分の周りからの見られ方が全然違くて学校ではちょっと訳分からん事ばっかり言う変なやつとしてみんなが扱うからなんとなくそうせなあかんのかなみたいなふうになっていくんですよね。
で学童では年下が多くて面倒見てたら褒めてもらえるからもう面倒を見ようってなってて自分でも学校と学童で僕全然何か別人みたいやなって思ってたんですけど先生同士も僕のことについて答え合わせするときにすごい驚いてたんですよ。
その経験があるんであんまり「悪ガキ悪ガキ」って言ったら何か悪ぶらなあかんみたいな。
なんかちょっと悪いのが俺やっていうキャラ付けになっちゃうんじゃないかなと思って。
なるほど。
いやそれはね周りの人がどう評価するかっていうのでそして本人がそういう方向に変っていくというのは実は最初は何の根拠もないことなんでしょ。
又吉さんの性格がこうだっていうのはなくて周りがどうだっていうことで又吉さん自身が変わっていったと。
はい。
そういうふうに演じて変わっていったという事ですよね。
こういうの経済学で「自己実現的予想」と言うんですよ。
自己実現的予想。
はい。
舌かみそうですけど。
なんですか?それは。
あの経済学ではね例えば株式市場株価を考えてみますよね。
すごくこう「この人は株価を予想するのがうまい!」ってみんなから思われてる人がいるとするじゃないですか。
その人が「この株は上がる」って言ったら本当はその会社の株の価値は大したことがなくてもあの人が言うんだから本当に上がるに違いないと思ってみんなが買い出すと本当に株は上がるじゃないですか。
ああ。
だから単なる…
(2人)う〜ん。
で有名な例はね愛知県の銀行で女子高生が電車の中で「あの銀行危ないらしい」っていうのを間違って言っちゃったらそのうわさがザッと広まってみんなが銀行に預金を引き落としに行って取り付け騒ぎということになったというのはあるんですよ。
ああ。
だからそういうのは最初はなんの根拠もない話でそれが実際にみんなが信じていって。
実現してしまう。
う〜ん。
…という事なんですね。
なるほど。
そういうのに近いですね。
そうですね。
う〜ん。
どうしたらいいんでしょうね?ねえ。
だからやっぱり気をつけないといけないと。
又吉さんのアドバイスどおりね。
勝手に決めない方がいいんでしょうね。
決められるとそれを演じることで少しやっぱり本当にあいつはそうなんだとなるとやっぱりそうかというふうになってますますみんながそう評価すると。
だから「お前は悪い。
駄目だ」というよりは「お前はホント優しいとこがあるのになぜそんなことをするんや」みたいな言い方とかをちょっと変えた方がいいんかもしれないですね。
ケンカしてきたことに怒るだけじゃなくてね。
かもしれないですね。
そうだから僕は自分の時の事を思い出して「年下に対してはどうや?」って聞いたら「年下に対しては優しい」って言ってたんで「年下に対して優しいのがお前や」っていう事を本人に伝えた方がいいっていう一応アドバイスはしたんですけどね。
僕も25〜26まで明るくしようと思ったら明るくなれると思ってたんですよ。
中学ぐらいから暗いふりを。
みんなに「暗い」って言われるから暗いふりをしてると思ってて。
演じてたってこと?はい。
26ぐらい芸人になってからそろそろ明るくしよかと思って明るくしたけど誰にも気付かれへんくて。
(笑い声)あっほんまに暗くなってまうんやみたいな。
ああ。
ああ怖いですね。
怖いですよね。
ああ。
まさに自己実現的なっていうことですよね。
オイコノミア的子育てポイント!自己実現的予想に気をつけましょう。
…しれませんよ。
ギャー!
(父)なるほど。
じゃあ母さん父さんのことももっと褒めてくれないか。
母さん?母さん?母さ〜ん!村上さん今回はね経済学を通して子どものしつけとか教育を考えてきましたけれどもいかがでしたか?メチャメチャ勉強になりました。
今聞いといてよかったです!1歳なのでやっぱり2歳からそこにかけて人生が決まるというか。
やっぱりすごく重要な時期だというのが分かったので。
又吉さんは今はまだお子さまいらっしゃいませんけれども。
そうですね。
子どもができたらどんなふうに育てたいですか?そうですね〜。
ホントね僕だけ想像の話で申し訳ないんですけどやっぱりそのう自分なりにいろいろ考える子どもに育てたいですね。
なるほど。
そのためには経済学を駆使して育てるんですよね。
もう生まれたらすぐに「オイコノミア」を見せて経済学を学ばせたいと思います。
生まれてすぐに。
経済学を学ばすんですか?又吉さんが経済学を利用して子育てされるんじゃないんですか。
それもいいんですけどもう直接学ばせて自分で考えさすというのもいいんじゃないかなと。
やっぱり又吉流考えさせる子育て。
そうですね。
又吉さん今回は一体何を学びましたか?教えてく〜ださい。
2015/05/18(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「子育て“はじめの一歩”の経済学」[字]

子どもを一人前に育てるには?そのヒントが、40年にわたる調査から明らかに!?いつ、どんな能力を伸ばせばよいのか?しつけをどうしたら?経済学の知恵が応えます!

詳細情報
番組内容
しっかり学び、働き、立派な社会人になってほしい。健康で、幸せであってほしい。多くの親がわが子に対して抱く願い。この願いを実現するには、どう育てればいいのか?そのヒントが、経済学に!?実は、投資としての教育が、最も効果的なのは就学前の子どもたち。といっても、いわゆる早期教育とはちょっと違います。40年にわたる調査から導き出された、子育てで大切なこととは?日々のしつけのお悩みに経済学の知恵が応えます。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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