水族館資格:国内加盟152施設の7割 世界協会残留希望

毎日新聞 2015年05月20日 21時12分(最終更新 05月21日 13時34分)

 イルカの追い込み漁を巡っては、反捕鯨団体などが「残酷だ」と批判し、WAZAも2004年に非難決議を採択した。JAZAは展示用のバンドウイルカの捕獲をイルカへの負担が少ない方法に変えるなどの対策を取り、理解を求めてきた。しかしWAZAは先月21日、入手方法を見直さなければJAZAを1カ月以内に協会から除名し、それまで会員資格を停止すると通告していた。【大場あい】

 ◇「協力してくれた太地町を思うと複雑だ」

 北海道小樽市のおたる水族館の伊勢伸哉館長は取材に対し、WAZAへの「残留」に投票したことを明らかにした。「イルカだけでなく、他の動物のことを考えても世界の流れから孤立しては水族館が成り立たない」と話した。

 和歌山県太地町から入手した5頭を含む6頭のバンドウイルカを飼育していて、ショーは人気が高い。イルカの年齢は6歳前後〜20歳代前半。伊勢館長は「すぐにいなくなることはないが、今後は追い込み漁以外による捕獲や(さまざまな水族館での)繁殖方法を模索したり、近海の別種類のイルカの展示などを検討したりする必要がある」と話した。

 神戸市立須磨海浜水族園はバンドウイルカ7頭を飼っており、うち6頭が追い込み漁で捕獲された。同園は「全国的にはイルカを飼っていない施設のほうが多いので、客観的には妥当な結果。今回の件ですぐに影響は出ないが、将来的にどうするか方向性を協議していく」という。

 神戸市の担当者も「生物の繁殖や研究のためには国際団体に加盟しておいたほうが良いという考えも多く、結果は想定の範囲内。一方で、これまで協力してくれた太地町を思うと複雑だ」と話した。

 バンドウイルカ10頭を飼育している新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)では、うち7頭を館内で繁殖し、残る3頭は静岡、長崎から野生で搬入された。また、繁殖した1頭を貸し出している。

 同館は日本で初めてバンドウイルカの繁殖に成功し世界でも唯一、4世、5世が誕生している。担当者は「スタッフが懸命に個体の健康管理をして繁殖にも力を入れてきた。将来的には、繁殖技術の研究などで海外も含めた他の水族館と連携、協力が必要になるかもしれない」と話した。

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