ニュース詳細
追い込み漁のイルカ入手禁止 影響心配の声も5月21日 5時03分
k10010086461_201505210521_201505210523.mp4
水族館で展示するイルカの入手方法を巡って国際組織から除名処分にすると通告されていた「日本動物園水族館協会」は、組織に残留するため「追い込み漁」で捕獲されたイルカの入手を禁止することを決め、20日夜、国際組織に回答しました。
水族館からは影響を心配する声も上がっています。
水族館からは影響を心配する声も上がっています。
国内のおよそ150の動物園や水族館が加盟する「日本動物園水族館協会」は、国内の水族館が和歌山県太地町で行われている「追い込み漁」によって捕獲されたイルカを入手していることが倫理規定に違反するとしてWAZA=「世界動物園水族館協会」から除名処分にすると通告されていました。
協会では、各施設に意向を聞くため投票を求めた結果、WAZAへの残留の希望が99票と、離脱の43票を上回り、組織に残留するため、加盟する水族館が追い込み漁で捕獲された野生のイルカを入手したり、輸出に関わったりすることを禁止することにし、20日夜、WAZAに回答しました。
協会は、イルカの繁殖の促進に取り組んでいくとしていますが、追い込み漁に入手を頼ってきた水族館からは影響を心配する声も上がっています。
イルカの生態や繁殖に詳しい三重大学大学院の吉岡基教授は「これまで以上に、水族館どうしや技術協力できる研究機関、それに国も一緒に連携して繁殖に取り組むことが重要だ」と指摘しています。
協会では、各施設に意向を聞くため投票を求めた結果、WAZAへの残留の希望が99票と、離脱の43票を上回り、組織に残留するため、加盟する水族館が追い込み漁で捕獲された野生のイルカを入手したり、輸出に関わったりすることを禁止することにし、20日夜、WAZAに回答しました。
協会は、イルカの繁殖の促進に取り組んでいくとしていますが、追い込み漁に入手を頼ってきた水族館からは影響を心配する声も上がっています。
イルカの生態や繁殖に詳しい三重大学大学院の吉岡基教授は「これまで以上に、水族館どうしや技術協力できる研究機関、それに国も一緒に連携して繁殖に取り組むことが重要だ」と指摘しています。
水族館「戸惑いがある」
年間50万人以上が訪れる新潟市の水族館、「マリンピア日本海」では、7頭いるイルカのうち3頭が和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたバンドウイルカです。
毎年、来場者を対象に行っているアンケートでは、イルカの人気が最も高いということで、水族館の展示には欠かせないものとなっています。
加藤治彦館長は「追い込み漁は、合理的なものでどこが残酷なのか定義がされていないなかで戸惑いがある。地方の特性に配慮せず判断を急いだ世界動物園水族館協会のやり方は稚拙だったと感じる。今後の対応は日本動物園水族館協会の方針を待って判断するが、イルカを飼育するわれわれもどういう提案ができるのか、自分たちの問題として考えなければならない」と話していました。
毎年、来場者を対象に行っているアンケートでは、イルカの人気が最も高いということで、水族館の展示には欠かせないものとなっています。
加藤治彦館長は「追い込み漁は、合理的なものでどこが残酷なのか定義がされていないなかで戸惑いがある。地方の特性に配慮せず判断を急いだ世界動物園水族館協会のやり方は稚拙だったと感じる。今後の対応は日本動物園水族館協会の方針を待って判断するが、イルカを飼育するわれわれもどういう提案ができるのか、自分たちの問題として考えなければならない」と話していました。
米 イルカ捕獲は法律で原則禁止
現在、全米およそ20か所の水族館などで、400頭以上のイルカが飼育、展示されていますが、その3分の2は繁殖によって水族館で生まれたイルカです。
アメリカの水族館でつくる団体によりますと、イルカの人工繁殖や健康管理の技術の向上、さらに施設の充実などによって、その数は増え続けているということです。
残る3分の1は、1980年代までに捕獲されたイルカや、海岸に打ち上げられ保護されたイルカなどとなっています。
アメリカ政府は、イルカの輸入も、許可制で認めていますが、日本の追い込み漁で捕獲されたイルカは、「非人道的な方法で捕獲されている」として、輸入を認めていません。
アメリカでは、イルカの保護団体からショーを目的とした繁殖はやめるべきだなどの指摘も出ていますが、世論調査では90%の市民が教育的な観点から水族館でのイルカの展示を支持しているという結果が出ており、イルカは今も多くの水族館にとって人気の展示となっています。
アメリカの水族館でつくる団体の担当者は、NHKの電話取材に対し「日本の水族館には、すでに十分な数のイルカがいるので、今後は、繁殖能力の向上に集中した方がよいのではないか。小さな水族館が単独で対応するのは難しいかもしれないが、水族館同士が協力態勢を築いたり、アメリカから技術支援を受けたりすることで解決は可能だと思う」と話しています。
アメリカの水族館でつくる団体によりますと、イルカの人工繁殖や健康管理の技術の向上、さらに施設の充実などによって、その数は増え続けているということです。
残る3分の1は、1980年代までに捕獲されたイルカや、海岸に打ち上げられ保護されたイルカなどとなっています。
アメリカ政府は、イルカの輸入も、許可制で認めていますが、日本の追い込み漁で捕獲されたイルカは、「非人道的な方法で捕獲されている」として、輸入を認めていません。
アメリカでは、イルカの保護団体からショーを目的とした繁殖はやめるべきだなどの指摘も出ていますが、世論調査では90%の市民が教育的な観点から水族館でのイルカの展示を支持しているという結果が出ており、イルカは今も多くの水族館にとって人気の展示となっています。
アメリカの水族館でつくる団体の担当者は、NHKの電話取材に対し「日本の水族館には、すでに十分な数のイルカがいるので、今後は、繁殖能力の向上に集中した方がよいのではないか。小さな水族館が単独で対応するのは難しいかもしれないが、水族館同士が協力態勢を築いたり、アメリカから技術支援を受けたりすることで解決は可能だと思う」と話しています。