(学長)もう二度と大学へは近づかないでもらいたい。
(長坂尚登)できませんねそれは。
私は苦悩する人間孤独な人間のそばに行きその声に耳を傾ける。
(女会長)何言ってるのよ!あなたの狙いはこれでしょ?女性を働かせて食い物にしようって魂胆でしょ!みんな言ってたわ誘われたって。
(弁護士)あなたのやってる事は都の条例に抵触する可能性があるんです。
私たちは訴訟の準備をしてます。
(修道尼)それに人道的にも許される問題じゃないでしょ!バカバカしい。
結局それですか。
あなたたちは体のいいお題目を唱えてるだけだ。
学校関係者主婦宗教家弁護士そういうもんが今の悩める人間たちの心を救いましたか?私のやってる事は究極の人助けなんです。
だからみんな集まってきてここで暮らしそして自主的に働きたいと言い出した。
そんなの詭弁です!私知ってるわ。
あなたただ女の子が欲しいだけなのよ。
だから町や大学やいろんなところで声かけて。
これ以上話し合っても無意味ですね。
あなたたちとは平行線だ。
帰ってもらえませんか。
うっ!あっ…。
(女会長)何ふざけてるのよ長坂さん!ったくもう…。
(カメラのシャッター音)
(美濃部八重子)アーモンド臭がするし青酸カリですね。
(逢沢花)自殺?他殺?事故じゃないわね青酸カリで。
(兵藤望美)他殺でしょうねこの状況じゃ。
モテモテ男もあっけないもんよね。
あれは?
(望美)この館で被害者の長坂尚登と一緒に暮らしていたお嬢さん。
あっちもあっちも。
(望美)ホントみんなきれいなのに何が良くてこんな50代の中年男と。
怜ちゃん…?
(谷川真琴)じゃああのペットボトルは長坂さんの専用でこの冷蔵庫にいつも入ってたんですね?
(沼袋怜)はい…。
ねえあなた沼袋さんちの怜ちゃんよね?私よ私!隣のあいざわ亭の1人娘花!知り合いなの?この子ね随分前うちの隣に住んでたの。
やだぁ懐かしい!もしもし花さんここ事件現場なの。
それ忘れないようにね。
ごめんなさい。
(泣き声)
(村園智明)ちょっと待ってよ。
俺何も変な事聞いてないじゃない。
(渡辺理佐)私なんです。
あのペットボトルに青酸カリを入れたのは…。
節子さんやっぱダメ!私隠し通せない。
罪認めよう…。
(夏木圭輔)あなたも共犯なんですか!?
(泣き声)動機は何だったの?なぜ殺そうと?長坂パパが他にもたくさんの女の子に声かけてるの知ったからです。
週刊誌に載ってから有名人みたいな気持ちになって「あ…私たち騙されてたんだよ」って。
最初に持ちかけたのはどっち?あなた?それとも…。
私です。
カッとなって…。
でも節子さんも相当お金をむしり取られてたみたいで。
(片柳節子)もういい…。
あんな奴殺してしまおう。
(望美)青酸カリは?どこから手に入れたの?長坂にもらったんです。
マスコミが騒がしくなってこれからどんな嫌がらせを受けるかわからない。
こんな世の中もう生きてたくないって思った時4人一緒に死のうって。
いいね例え肉体が滅びようとも僕たちの魂は一緒だ。
こんな世の中こっちから見限っておさらばしようじゃないか。
4人一緒に。
(圭輔)おかしいと思わなかったんですか?そんな生活。
結婚もしていない女3人がそんな1人の男と一緒に暮らすなんて。
生活費は全部あなたたち3人が働いて面倒見てきたそうじゃないの。
変わってしまったんです長坂は。
前はあんな人じゃありませんでした。
私たちの話もよく聞いてくれたし相談にも乗ってくれた。
(節子)世間の注目が自分に集まるってわかるとそれ利用して女の子もっと増やして楽な生活しようって…。
(長坂)そう私があの週刊誌に出てたモテモテおじさん。
(女の子)えぇ〜!?やだ嘘本物?本物だよ。
おじさんと一緒にくれば君たちの話も聞いてあげる事ができるしモテモテの秘密もちょっとは暴露できるんだけどな。
え〜?おじさんさこう見えてもエッチ上手いんだぜ。
(女の子)やだエッチ!
(村園)しかしわからんね…。
まったく今の子は人を見る目がないっていうか。
一体どこがいいんだよ?こんなオヤジの。
髪の毛の量だけだろ俺より勝ってんの。
話を聞いてくれるからじゃないですか。
イギリス文学が専攻だっていうし小説家を目指していた事もあるっていうからある事ない事ロマンチックに語ったりして。
あれ花ちゃんそういうの好みなの?よーしじゃ今度俺その線で口説いちゃおうかな。
(久保田)失礼します。
あのすいませんちょっと来てもらえます?どうした?長坂さんの奥さんという人が下に来てまして。
何言っちゃってんの当たり前だろ3人とも奥さんなんだからさ。
いえそうじゃなくて別の人が。
何だって!?まだ他にもいたのかよ?あなたが本当の奥様なんですか?
(長坂和歌子)はい…。
主人が若い女性を家に連れてくるようになってそれが嫌で実家に戻ってたんです。
こんな事なら止めればよかった…。
いつかこんな事になるような気が…。
それであなたは?
(金沢芳男)あ…弟です。
実は犯行に使われたのが青酸カリだと聞いてビックリして一緒に来たんです。
どういう事でしょうか?実は3年ほど前うちのメッキ工場で青酸カリが8グラムなくなる事件がありましてひょっとしたら長坂さんがその時盗んだ犯人じゃないかって。
ちょっと待ってください盗まれたって…届けは?申し訳ありません。
姉がちょうどその時長坂と揉めて家に帰ってきてた時期でして。
姉が自殺を考えて盗んだんだと思い問いただしたんですけど知らないと言うし隠したんだろうとずっと思っていたんですが…。
じゃあその後何も起きなかったから忘れてたってそういう事?あなたねそれじゃ劇物取扱責任者としての自覚がね…!
(芳男)わかってます。
もちろん罰は受けます。
でもまさかこんな事になるなんて…。
それで最後に長坂さんご主人に会われたのは?3日前です。
こんな状況をもうこれ以上続けていくのが嫌で私のほうから離婚を申し出たんです。
そしたら私と離婚すると3人が同時に自分と結婚しろと迫ってくるからダメだって…。
勝手な事を…!奥さんお力を落とさずに。
金沢さん盗まれたものと同じ青酸カリ持ってきていただけますね?はい。
姉を送ったらすぐにお持ちします。
では。
奥さんがいたとは。
(久保田)逢沢刑事。
あのこの人が刑事と話したいと。
怜ちゃんごめんね。
あんな事になったものだからゆっくり話せなくて。
でもあなたがあそこにいたなんて…。
私なんです先生殺したの。
えっ?私だって言ったんです青酸カリ入れたの。
あの2人じゃありません。
私が入れたんです!何ですって!?
(泉田涼子)で彼女は?話を聞いて保護しました。
一応出頭という形をとって。
つまり3人が3人とも長坂からもらった青酸カリを使ったって事か。
で共謀は?沼袋怜は他の2人片柳節子渡辺理佐と共謀して青酸カリを使ったと言ってるの?いいえ片柳節子と渡辺理佐が使った事は知らなかったようです。
まずいわねそれは。
まずい?どうしてです?3人とも殺人犯という事で逮捕すれば…。
3人ま今の場合片柳節子渡辺理佐組と沼袋怜の両者よね。
この両者に共謀性がない場合誰の青酸カリが長坂尚登を死に至らせたかわからないわけだから法律的には3人とも殺人未遂にしか問えないのよ。
え…!?殺したのに殺人未遂ですか?殺人が成立するためには殺害する意志を持って殺害行為を実行しその結果として被害者が死に至ったって事が必要なの。
で私たち警察や検察は最初は関係者の誰もが罪を犯していないっていうところから捜査をスタートさせるわけだから殺人を犯したっていう事を立証しなくちゃいけない。
でも今回の事件の場合共犯関係にない1組と1人が実行行為に出たがどちらの青酸カリが死因となったかわからないわけだからいずれの3人についてもその行為と死亡との因果関係を立証できないって事になるの。
でも殺人行為は行っているので因果関係は立証できないけれど殺人未遂の罪では問えるという事ですね。
そういう事。
殺人未遂と殺人では罪の重さは違うわ。
でも納得できないわよね。
法律上はそうかもしれないけど人を殺しておいて殺人未遂だなんて。
その事を知ってるの?彼女は。
いえ知らないと思います。
そう言い切れるの?何かで知ったとしたら?名乗り出て全員未遂で済ませる計画的な犯行という可能性もあるわ。
そんな子じゃ…。
私は片柳節子と渡辺理佐のラインから沼袋怜と共謀したかどうかを当たるわ。
私たちは沼袋怜のラインから当たります。
男子は長坂尚登が所有していたという青酸カリの残りの1袋を探して。
あの家のどこかにあるはずよ。
了解。
圭輔行くぞ。
花行こう。
どう?
(犬飼恵)金沢芳男の持ってきた青酸カリの中に長坂尚登の遺体から検出したものと同一の不純物が見つかりました。
(大和修)同一のものだという確率99.98パーセント。
やっぱりもう1袋間違いなく長坂尚登が所有していた青酸カリがあるっていう事ね。
クソ…。
ないな一体どこ隠したんだよ。
その小さいポリ容器1個でおよそ何人分の致死量なんでしたっけ?10人分以上って言ってたな。
…10人分以上?クソ〜ダメだダメだ。
探すぞ。
絶対見つけ出してやるからな。
(圭輔)そうですね。
(望美)じゃあ片柳節子と渡辺理佐はいつも2人でつるんでたって事ですね?そう!でもう1人同居してた沼袋怜って子の話は聞いた事あります?うーん…そういえば何か根暗で面白みのない女が1人メンバーにいるんでそれが面白くないって言ってたわ。
そんな事を?片柳節子たちと沼袋怜が3人で会ってたんですね?といってもこの怜って子がお茶をしている時にこっちの2人が押しかけてきてたかってたって感じでしたけどね。
それどういう事ですか?あの怜って子は図書館が休みの月曜日の朝ですかうちのサンドイッチが好きでよく来てあそこの席で静かに音楽を聴きながらサンドイッチを食べるんです。
(理佐・節子)怜ちゃーん。
いらっしゃいませ。
何食べよっかな。
伝票お願いね。
かしこまりました。
(理佐)お腹空いちゃった…。
それで3人は何か事件の事を話してました?さあそこまでは…。
ただそういう話をしてるふうには見えませんでしたよ。
何だかあの2人が嫌いで迷惑してるって感じで。
すいません。
友達とか知り合いとかそういう人が彼女を訪ねてきたりした事は?まったくありませんでしたね。
だいたいねあの写真週刊誌を見て「えっこの同居してる女の1人って彼女なの?」ってみんなビックリしたぐらいで。
それぐらいプライベートな事明かさなかったから。
よく言えば物静かっていうんですか。
でも冗談ひとつ言うわけじゃない面白みのない人で。
人付き合いが下手だった?でしょうね。
一緒にいても楽しくないんですよ。
根暗で。
(大きな話し声)コラコラ!あんたたち図書館は騒ぐとこじゃないわよ。
携帯禁止!わかってるわね?ああいう連中にも物怖じして彼女注意しないんです。
正直言って使えない子でした。
結局わかった事は沼袋怜は人付き合いが下手で暗い人間だって事だけか。
何とか共謀の証拠見つけ出さないと。
何?どうかした?
(ため息)何か変だよねこういうの。
殺人を殺人未遂にしたくないがための捜査。
何言ってるの?じゃあ3人が偶然同じ時期に殺意を抱き同じ1つのペットボトルに青酸カリを入れたっていうの?そんな偶然あるわけないじゃない。
それって先入観じゃないのかな。
ちょっと花何言ってんの?3人の共謀が捜査方針なのよ?ごめん!私ねちょっと1人で調べてみたい事あんの。
後は任せるわ。
ちょっと花!
(逢沢綾野)昔隣に住んでた怜ちゃんの事?そうなの。
何でもいいからお母さんの知ってる事思い出して。
どんな子だった?ほら私学生だったしその頃あの子小学生でしょ。
うちによく遊びに来てたかわいい子だったって事だけは覚えてるんだけどそんなによくはね…。
(綾野)遊びに来てたんじゃないわ。
逃げてきてたのよあの子うちに。
逃げた?どうして?あの子のうちはね夫婦喧嘩が絶えなくてそれで八つ当たりでお母さんがあの子を叩くのよ。
(頬を叩く音)虐待!?
(綾野)私も何度となくやめるようにあの子の母親に説得もした。
児童相談所にも行ったわ。
でも結局あの子の両親は離婚してあの子は母親に引き取られてこの町を出て行ったの。
そんな事が…知らなかった。
あんた高校の部活で忙しかったからね。
でも忘れないな私。
あの子がうちへ来てうちの賄いを食べてた時のあの嬉しそうな顔。
(綾野)どうおいしい?うん!おいしい。
すっごくおいしい!おばちゃん料理上手なのね!でも何で急に怜ちゃんの事を花が聞くの?言えない。
ちょっと捜査の関係だから。
でもそう…あの子苦労したんだ。
あっあった!
(圭輔)えっ!ホントですか?ほら。
(八重子)間違いない。
村園さんたちが長坂尚登の家で見つけた青酸カリも金沢芳男の工場で盗まれたものと一致した。
つまり金沢芳男の工場で盗んだものを長坂尚登はポリ容器に入れ自分片柳節子渡辺理佐沼袋怜の4人で分けた。
そしてそれを片柳節子たち3人は長坂尚登のペットボトルに入れた。
あとは刑事課のみんなが3人が共謀してたって事を証明できるかどうかね。
最近の事はよくわからないんですよ。
そうですか…。
あのどんな些細な事でもいいんですけど。
仕事があるからもういいですか?少し派手でしたけど従業員なんかとも仲良くやってましたよ。
あなたが引っ越した先であなたが短大を出てからお母さんを亡くしてどういうふうに生きてきたのかそれを聞いてきた。
別れたお父さんもあなたと別れてすぐに亡くなったそうね。
ひょっとしてあなた長坂尚登の中にお父さんの面影を重ね合わせてたんじゃ?関係ありません。
別に父親なんて慕ってなかったし。
つらいねそういうのも。
同情はしてほしくありません。
みんな言ってたでしょ。
あの女は暗いって。
冗談ひとつ言わない面白みのない人間だって。
いえ…別にそういうふうには。
冗談て言わなきゃいけないんですか?面白みがなくちゃいけないんですか?そういう事が苦手な人間だっていると思うんです…。
そういう人間は生きてちゃいけないんですか?そういうあなたの気持ちを長坂尚登はわかってくれたんだ。
(長坂)そういう人間がいたっていいんだ。
「みんな違ってみんないい」。
でもそれを誰もわかってくれようとしないんだ。
それがすごく悔しいんだ。
先生…。
(長坂)君の事は僕の授業に出ている頃からずっと気になってたんだ。
「あ教室の片隅に僕と似てる子がいるな」って。
私と先生が似てる…?僕も本当は人とうまくやっていこうとする事に疲れてるんだ。
だから君の気持ちすごくよくわかる。
先生…。
でもそうやってあなたをわかってくれた長坂尚登を何で殺そうと思ったの?全部嘘だったから。
どうも。
さっきの話ホントなんですか?ホントだよ。
そりゃあ若い女性たちと一緒に暮らしてるよ。
でもそれはさ助けを求められて仕方なくなんだよ。
ホントですか?1人女の子いるんだけど暗くてさ面白みがなくてさどっかに消えてもらいたい気分。
ハハハ…。
そんな事が…。
いつもそう…。
いつだって私は嫌われる。
(怜の母)ホントにあんたって子は根暗でウジウジしてて見てるだけで腹が立ってくるよ!えーっ!あの子誘うの?やめようよあの子は。
だってさあの子いたらさ暗くなって飲み会盛り上がらないじゃん。
そうだよ暗いからね。
ねえ仕事もっと楽しくやろうよ。
そんな顔でいられたらこっちまで気が滅入っちゃう。
あんたこの家出ていきなさいよ。
あんたにこの家は似合わないわ。
そうよ。
せっかく楽しくやろうと思ってんのにあんたが一緒だと気分が滅入るわ。
これは同情じゃなく言うわよ。
そんな人がいたっていいと思う。
人とうまく付き合えない人がいたってあなたはあなただもの。
そんな周りの評価なんか気にしな…。
それはあなたが人とうまく付き合えるから言うんです。
みんなとうまくやっていけるから…。
そうじゃなくて…。
(怜)もういいです。
もう結構です。
早く私を刑務所に送ってください。
死刑になったほうがいいんです私なんか。
いないほうがいいんです。
違う!それは絶対に違う。
何か私嫌われちゃったみたいね。
何か寂しいな。
昔の知り合いなのに。
そうだ。
あなたうちのお母さんが作るから揚げが大好きですっごくおいしそうに食べてくれたんだって?その味まだ覚えてる?おいしい!すっごくおいしい!おばちゃん料理上手なのね!よかった…。
初めて笑顔見せてくれた。
その笑顔があれば大丈夫。
もっと話そう。
もっとあなたの話聞きたいな。
「青春何でも相談室」君の相談は何かな?
(女子中学生の声)「あのちょっと聞きたいんですけどみんなで共謀しないで青酸カリを入れれば罪が軽くなるって本当ですか?」ラジオで?
(松永欽哉)そうなんだよ。
いやもう困ったよ。
どうぞ。
ああありがとう。
あの事件の事をワイドショーか何かで観ていたらしくてねDJに質問してきたらしいんだ。
それだけ関心があるって事ですよね今回の事件は。
ディスクジョッキーがちゃんと諌めてくれたらしいけどまずいわねこのままじゃ。
何とかしないと。
何とかってどういう事なんですか?今回の事件は殺人罪で立件しようっていうんですか?決まってるでしょう?共謀した事実を明らかにして殺人罪で立件する。
それって捜査の趣旨が混同してませんか?真実を追求するのではなく殺人罪で立件するのが目的になってる。
(村園)だけど片柳節子と渡辺理佐のほうはな私たちが相談してるのを彼女は立ち聞きしてたかもしれないとまで言ってるんだぞ?それいつですか?何時何分。
ほとんどすれ違いの片柳節子と渡辺理佐の話を沼袋怜がいつ聞いたんですか!落ち着きなさい。
どうしたのあなた。
彼女に感情移入してるの?昔の知り合いだから?違います!私は知り合いだからってそれだけの理由では。
その言葉を信じるわ。
でもね今度の事件を未遂でしか立件できなかったら真似をする人間が出てくるかもしれない。
それだけは避けたい。
その気持ちはあなたにもわかるでしょ?花あなたが事件の背景や彼女が心の中にどんな闇を抱えていたかそれを知りたいのはよくわかる。
でも今は3人が共謀したんだっていう…。
ダメできない。
私にはそういう捜査はできません。
最初にこの罪にしようという目標があって行う捜査なんてどうかしてます!わかったわ。
だったらあなたは捜査から外れなさい。
あなたの力は借りないから。
帰っていいわよ。
帰ります。
花!じゃあ私も。
皆さんも頑張ってください。
彼女の言う事にも一理あるわ。
でも人を殺しておいて未遂で終わるような案件を出すわけにはいかない。
捜査を続けて。
何としても共犯関係だった事を立証するのよ。
(一同)了解。
(ため息)《本当に彼女は片柳節子たちの計画を立ち聞きしたんだろうか》《でもなぜ?それなら2人に犯行を押し付けておけばいいじゃない》《それを自分がやりましたと出頭してきたのはなぜ?》私なんです先生殺したの。
(ため息)
(ため息)「ハッピーバースデートューユー」「ハッピーバースデーディア花」「ハッピーバースデートューユー」え…何?えっ!私今日誕生日?
(綾野美咲)そうだよ。
まったくしょうがないな。
自分の誕生日忘れるなんて。
(綾野正継)おめでとう!ローソク吹き消して。
また1つ歳を重ねたか。
この歳になると誕生日も嬉しくないな。
(拍手)はいおめでとう。
このケーキお父さんの手作りなんだよ。
えホント?ありがとうマーちゃん。
ケーキなんて作るの久しぶりだから頑張っちゃった。
ホントにいいお婿さんもらったわね。
うちの主人のところに見習いに来てた時は使い物にならない見習いだったけどここまで一人前になってくれるとはね。
お義母さんそういう昔の話は。
あらごめんなさいね。
でもね花。
まったくあんた事件に入っちゃうと単身赴任みたいにフーッと向こうの世界に入っちゃうけど誕生日ぐらいはこの間話に出た怜ちゃん少し見習ったらどうなのよ。
あの子なんてね私が誕生日に母親の代わりでうちでやってあげたらまあすごく喜んで。
あそうだ!あの子の誕生日はうちのお父さんの命日と同じだった。
誕生日…。
(綾野)うん。
《お父さんの命日って事件の日だ…》誕生日に人を殺した…?どういう事?誕生日に人を殺したって。
何で答えてくれないの?あなたの心に少しでも近づきたいの。
いいんです近づかなくて。
私なんてほっといてください。
じゃああれ?まさか誕生日だから記念して人を殺したってそんなバカな事じゃないよね。
人の命をバースデーケーキのローソクみたいに吹き消したかった…。
あるはずない!殺したかったのは私の命です。
吹き消したかったのは…。
だけど死ねなかった…。
死ねなかった?どういう事?先生のペットボトルに青酸カリを入れた後思い出だった遊園地に行って私も青酸カリを飲んだ…。
何なのよこれ?青酸カリじゃないの!?青酸カリが効かなかった…。
後でそういう人間がいるって知ったわ。
(怜)先生は死んだんだもの。
私だけ死なないなんて神様は私をどうしたいのよ…。
死なずに苦しめってそう言いたいわけ!?そんな事言ってるの彼女。
案外したたかなんじゃない?そういう課長の感想を聞きに来たわけじゃありません。
私の聞きたいのは鑑識のプロとしてのあなたの見解。
人間の中にまったく青酸カリの効かない人間ているの?よくそういう事を言う人がいるみたいですけど私も気になったんで法医学者に聞いた事があるんです。
そういう事はまったくあり得ないそうです。
まあ胃酸の多いとか少ないとかの関係で死に至るまでに要する時間は多少変わるらしいですけど青酸カリは人間の体の細胞に反応して確実にその人間の命を奪います。
当然でしょう。
それに致死量と言われてる量は200ミリグラム前後よ。
あのポリ容器に入っていたのは例え長坂尚登に使用しその半分以下が残っていたとしてもその致死量をはるかに超えてるわ。
そうですか。
どうも。
待ちなさい。
探すつもり?そのポリ容器とペットボトル。
私にはそういう不器用な事しかできませんから。
よし!ペットボトルポリ容器…。
ペットボトル…。
ダメか…。
(望美)最初に結論ありきの捜査には参加できないってか?言いますよね花さんも言う時は。
みんな…。
(村園)言われたんだ課長に。
どうしようもなく鼻っ柱の強い女だけど言ってる事に一理あるから手伝ってやってくれってさ。
(圭輔)課長ボソリと言ってましたよ。
最初から殺人未遂にさせないぞなんて捜査やっぱり無理があるのかなって。
課長がそんな事…?まあそれがあの人の大人なところよ。
ちゃんと非は非として認める。
いい上司じゃない。
(村園)さあ探そうぜ!今回何か探し物ばっかりだな。
(恵)でもこういう時にも1人だけ来てないんですけどね。
真琴…。
(八重子)鑑識のみんな始めるわよ!
(望美)さあ暗くなるとしんどくなるよ。
すいません間宮美智子さんですよね?長坂尚登教授の元教え子の。
あったー!風で飛ばされたんだ。
もう少し…!もう少し!つかんだ!
(望美)何それ!?
(八重子)グラニュー糖ねあのポリ容器に入ってたのは。
グラニュー糖?
(恵)だからアリがたかってたんですね。
(望美)でも何でグラニュー糖なんか入れて…。
その理由は…。
長坂尚登の元教え子の間宮美智子さんが供述してくれたわ。
4年前あなたへのセクハラ事件で長坂尚登は勤めていた大学をクビになったんですよね?その時の経緯思い出したくはないでしょうけど話してもらえませんか?
(間宮美智子)青酸カリなんです。
青酸カリ?長坂は私が交際をしてくれないのなら目の前で青酸カリを飲んで死ぬと言い出したんです。
それで私はその青酸カリを慌てて引ったくり…。
その時長坂は青酸カリを必死で奪った彼女を抱きしめた。
だから死なないでください先生。
死ぬなんて言わないで!それも青酸カリじゃなくてグラニュー糖?怪しいと思って後で金魚鉢に入れたら金魚がピンピンしてたそうよ。
それで怒って彼女は自分が騙されている事は隠して長坂をセクハラで訴えた。
つまりそれが手だったのよ長坂の。
グラニュー糖を青酸カリに見せかけ「僕の気持ちはこれぐらい真剣なんだ」と見せかける。
そして同じ手を使いグラニュー糖入りのポリ容器をあの3人に配った。
(長坂)例え肉体が滅びようとも僕たちの魂は一緒だ。
でも待ってください。
現に長坂尚登は青酸カリが原因で死んでるんですよ?じゃその青酸カリはどこから…?そうよグラニュー糖じゃ死なないわよ。
本人が持ってきてくれたじゃないですか。
誰かさんが。
いいですねウィンドーショッピングですか。
長坂尚登の保険金とあの土地家などの遺産が入ったら何でも好きなもの買えますね。
あなたの弟さんが自供しました。
傾いている工場を立て直すために保険金や財産が入ったら半分もらえるという約束であなたに青酸カリを渡したと。
離婚を言い出したのはあなたではなく長坂尚登が言い出したそうじゃありませんか。
一緒に暮らしている3人の女性と1か月単位で籍を入れるって。
そんな事されたらあなたは無一文で放り出される事になる。
それが許せなかったんですね?そしてそれだけじゃない。
女のプライドですよね。
あなたはプライドをズタズタにされた。
みんなあいつが悪いのよ。
あいつが好き勝手な事ばかりするから。
何がモテモテおじさんよ。
あんな奴最低よ!人間のクズよ!そしてあなたは片柳節子と渡辺理佐の計画を耳に挟んで長坂が青酸カリと偽ってグラニュー糖を入れてるの知ってたからそれを利用しようと思ったんですね。
(節子)青酸カリをこの中に入れて飲ませるわよ。
そんな事したら死んじゃうじゃん!あの男に振り回されるのはもうおしまい。
そしてあなたは弟からもらった青酸カリを2人がペットボトルにグラニュー糖を入れた後目を盗んで入れ…。
後で長坂の持っていたのは本物だと思わせるためにポリ容器の中のグラニュー糖を青酸カリに入れ替えた。
沼袋怜のポリ容器が発見されグラニュー糖だとわかったらどうするつもりだったんですか?「長坂は最初からあなただけは死なせたくなかったんじゃないの」ってごまかすつもりだった。
お弁当。
うちのお母さんが作った。
あなたの好きなうちの賄いが全部入ってる。
食べて。
私怒ってるわ。
例えグラニュー糖だったとしてもそれを青酸カリと信じて人1人殺そうとしたあなたに怒ってる。
あの片柳節子という人も渡辺理佐も腹立たしい。
でもね一番はあなたに怒ってる。
自分の命を自分で断ち切ろうとしたあなたが許せない。
人間面白みがなくたっていいじゃない。
冗談ひとつ言えなくたっていいじゃない。
あなたが自分の料理を食べてすごく嬉しい顔したってそれをすっごく張り合いにしてこういうお弁当を作ってくれる人だっているの。
それじゃあ不満?それじゃあ生きてく価値ない?喜んだあなたが嬉しいのよ。
喜んだあなたにもう一度会いたいなってそういう人間だっているの。
それを支えに生きてけない?生きてってよ…。
ね。
食べて。
いただきます。
(綾野)どうおいしい?うん!おいしい。
すっごくおいしい!おばちゃん料理上手なのね。
おいしい…。
あ圭輔。
はい。
取調室にお茶持ってってやって大至急。
そう食べてくれたのおいしいって。
わあ嬉しいわ。
ますます張り切っちゃう!
(美咲)36373839…。
あれ?お母さん40歳なの?え?俺数間違えた?マーちゃん!あ…じゃ2本ほど…。
ねそしたら39よ?
(正継)あじゃあどうしたら…。
ああーっ!かわいい!めっちゃかわいいっしょ。
どうしたんだよその子。
最近付き合い始めたんだよ。
マジで?もっと早く言ってくれればいいのに。
言おうと思ったんだけどさやっぱ恥ずかしいじゃん?あ〜わかるけどね。
ちょっと電話来たごめん。
もしもし今友達いんだけどさ。
悪りぃ悪りぃ。
あなたたちうるさいです。
図書館は騒ぐところじゃありません。
携帯電話も禁止です。
おはようございます西川きよしのおしゃべりあるき目です今日はこちらです2015/05/19(火) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
警視庁捜査ファイル〜さくら署の女たち[再][字]
「3+1=1の殺人」
詳細情報
出演者
高島礼子、とよた真帆、眞野あずさ ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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