(晃司)もしもし。
(智恵子)晃司さん?チーちゃんです。
(時枝)あなたいつまでここにいる気なの?
(香織)お母さんのお世話が必要なくなるまでは。
(時枝)別に無理して来なくていいのよ。
あなたここ出てった人なんだから。
はい。
・
(晃司)香織。
はい。
チーちゃんから電話があってさ。
うん。
(和子)速水さんのお宅で?純ちゃんがお世話かけちゃったでしょ?だからお礼と言っちゃ何なんだけど今夜うちでパーティーやろうと思って。
(吾郎)じゃあ仕事終わったら純ちゃんち直行すっから。
あっ。
和子。
うちに磯谷さんから電話なかったか?
(吾郎)ない?ああ。
そうか。
いやいやいや。
何でもない。
じゃあ。
(吾郎)岩村でございます。
あのう。
例の500万の株券どうなったでしょうか?ご連絡お待ちしております。
(女性)いつまで休んでんのよ?ねえ?
(女性)そう。
(吾郎)すいません。
・純ちゃん。
何見てんの?
(純一)うん?ちょっとね。
うん?あっ!それ。
これ。
うわ。
未来ちゃんでしょ?うわ。
カワイイカワイイ。
カワイイ。
ああ。
そうか。
今度の日曜日結婚式だもんね。
(純一)うん。
純ちゃん。
バージンロード一緒に歩くんだもんね。
緊張してる?純ちゃん。
(純一)うーん。
まあね。
お父さんとしてはプレッシャーだもんね。
頑張ってね。
純ちゃん。
(純一)うん。
あっ。
お店お店。
お店行かなくちゃ。
ほら。
ほら。
純ちゃん。
あっ。
いいや。
じゃあ先行ってるね。
(純一)はーい。
皆さま。
このたびは純ちゃんが大変お世話をかけました。
これからも純ちゃんのことくれぐれもよろしくお願いいたします。
(純一)お願いします。
乾杯。
(一同)乾杯。
(吾郎)ああ。
おいしい。
(一同)うん。
うーん。
どんどん食べて。
今日はね純ちゃんと2人でつくったのよ。
(純一)どうぞ。
いやぁ。
おいしそう。
(純一)あーっ。
減量しなきゃ。
(吾郎)1つだけ。
でもチーちゃん。
うん?ロンドンの仕事うまくいってよかったね。
マホガニーの大テーブルも落とすことができたし他にも何点かねいいものを仕入れることができたのよ。
じゃあ江の島のホテルの準備は順調なんですね?うん。
後はね来月のクレモナのアンティークの見本市。
そこでどれだけいいものを仕入れることができるかっていうのに勝負が懸かってる。
ねえ。
クレモナって?イタリアのねミラノの近く。
ああ。
やっぱり。
知ってる。
クレモナってストラディヴァリが暮らしてたとこだ。
そう。
そのストラディヴァリって誰なんですか?
(晃司)世界的な弦楽器職人でね。
(晃司)彼がつくった楽器はストラディヴァリウスっていって世界中のバイオリニストが憧れる名器なんだ。
(吾郎)あのう。
ストラディバリウス。
バ。
(純一)バリウス。
「ハ」にてんてんじゃない。
「ウ」にてんてん。
(吾郎)あっ。
ヴァリウス。
(純一)ヴァリウス。
クレモナか。
(吾郎)そのストラディヴァリウスさんのバイオリンっていうのは1つ幾らぐらいするんですか?
(晃司)よく分かんないけどだいたい日本じゃ2〜3億?
(吾郎・純一)2〜3億!?
(晃司)おーっ。
シンクロしてるよ。
(吾郎・純一)2〜3億。
面白いわねこの光景。
(純一)意外といいんだよ。
やってみると。
晃司さんもどう?
(晃司)えっ?俺?
(純一)うん。
(晃司)俺…。
いいや。
(純一)あら?どうした?あらあら?あれ?どうしたの?あれ?これ純ちゃんのだ。
えっ?まったく。
そそっかしいんだからね。
純ちゃんは。
そりゃ間違えるわよ。
おんなじ手帳なんですもの。
そうそう。
はい。
あっ。
はい。
確かに受け取りました。
な…何か?昨日ね純ちゃんがこの手帳読んじゃったんだけど。
げらげらげらげら大笑いしてたのよ。
はあ…。
けさから私その誘惑とずっと闘ってたの。
誘惑?この手帳に何を書いてんのか気になって気になってしかたがなかったのよ。
確かにね。
でもさこれプライバシーだから。
絶対読んじゃいけないのよ。
(香織・和子)うん。
ええ。
でもさ奥さんだったら時と場合によってはいいのかなと思って。
えっ!?えっ?あっ。
いえ…。
いや。
だ…駄目よそれは。
そうよね?優等生。
だってそうでしょ?夫婦の間にもプライバシーってのはあるのよ。
例えば浮気してる可能性があってもあなたは携帯電話とかはちらっとチェックしたりしないんですか?そ…それは。
時と場合によってはね。
うん。
時と場合ね。
確かに浮気の疑惑がある場合は…。
それはないわよ。
吾郎さんに浮気はないわよ。
そんな。
そんなこと分からないじゃないですか。
えっ?浮気をしない男なんてのはいません。
はあ?読みます。
私。
よし。
駄目よ?私妻ですから。
妻です。
だ…駄目だ。
駄目駄目。
(香織・智恵子)ああー。
開けちゃった。
「隣の奥さん」えっ!?いた。
早速。
「缶と瓶の分別をきちんとせずに出している」「注意したら態度が悪い。
今度市役所に通報しよう」どうでもいいようなこと書いてあるわね。
まあね。
「今日の晩飯はギョーザ鍋」ギョーザ?「ギョーザは焼くもんだ」「鍋なんかに入れるなよ。
まあいい。
それは仕方ないとしてもギョーザしか入ってない鍋って何だ?」「野菜とか入れろよ」はあ…。
「来来軒のラーメン。
チャーシューの切り方が薄過ぎる」「湘南のトンビは恐ろしい」もう。
しょうもないことばっかり。
「5月12日。
磯谷さんに電話したがつながらず」「14日。
磯谷さんに電話したがつながらない」「株券が届かない。
心配だ」
(純一)うっ。
(大里)もう1回。
「チーちゃんの好きなもの。
葉山のバームクーヘン」「稲村ガ崎のガーリックチキン。
茅ヶ崎のメロンパン」「チーちゃんの誕生日4月22日。
チーちゃんの靴のサイズ23.5」「チーちゃんの好きなスポーツサッカー」「チーちゃんの好きな色紫。
チーちゃん…」何?全部チーちゃんのことじゃん。
じゃあ次は何かな?「未来さんという人からメールが来た」「『いよいよ今度の日曜未来の結婚式です』」「『よろしくねパパ』と書いてあった」「どうやら未来さんは俺の娘らしい」「思い出せない。
困った」えっ?どうしよう!?純ちゃん。
うん?何でそんなに未来ちゃんの写真何度も見てるの?うん…。
思い出してるの?未来ちゃんのこと。
ごめん。
見ちゃったんだ。
手帳。
そう。
でも大丈夫。
この子のこと絶対思い出すから。
何にも思い出せないの?うん。
誰かと教会のバージンロードを歩く約束をしたのは覚えてるんだけどね。
でもね肝心の未来さんの顔を思い出せない。
この人俺の娘だよね?純ちゃん。
未来ちゃんに会って本当のこと話しよう。
ねっ?余計な気を使わせたくないんだよね。
えっ?娘の晴れの日だろ?そんな日に俺の病気のことを知らせたくないんだよ。
大丈夫。
式の間だけのことだから何とかなるよ。
でも…。
チーちゃん。
悪いけど未来のこと知ってるかぎり俺に教えてくれないかな?結婚式までに未来のことしっかり覚えれば病気のこと絶対にバレないから。
分かった。
やってみよう。
純ちゃん。
うん。
(純一)この子が未来か。
奇麗な子だね。
どう?うん。
大丈夫。
しっかり覚えるから。
純ちゃんが奥さんと別れたのは未来ちゃんが8歳のころよ。
そのときの未来ちゃんは…。
これかな?これ。
あっ。
純ちゃんはそのころ東京で家具の修理会社をやってたの。
それは覚えてますよ。
うん?でそのときにアンティークの家具の修理の依頼に来た美女と出会うの。
美女?覚えてないな。
私。
私私私よ。
ああ。
チーちゃんね。
あっ。
忘れてる。
いやいや。
覚えてますよ。
ばっちり。
怪しいなぁ。
あっ。
質問。
はい?うん?別れた奥さんの名前は何ていったかな?えーっと…。
あっ。
佳奈子。
佳奈子?そう。
佳奈子さん。
えっとね。
こういう字。
はい。
(純一)ああ。
ありがとう。
未来ちゃんはね短大を卒業してから東京のIT関係の会社に就職してそこで貴裕さんと出会ったんだよ。
なるほど。
あっ。
純ちゃん。
こっからが大事。
純ちゃんは奥さんと離婚してからも月に一度未来ちゃんとデートしてたんだよ。
しょっちゅう会ってたんだ?うん。
どこで会ってたのかな?そんなこと分かんないけど…。
でもほら。
子供だから遊園地とかじゃない?なるほど。
うん。
遊園地ね。
そう。
あのさ。
うん?未来っていい名前だよね。
うん。
「未来」って書いて「みく」どうして付けたのかな?この名前。
いや…。
そんなこと私に分かるわけないじゃない。
だよね?だよ。
たぶん俺が付けたんだろうな。
そうね。
どうして付けたんだろう?未来って。
「未来」またどうぞ。
(純一)貴裕さんね?そうそうそうそう。
で別れた奥さんの名前は?えっと…。
佳奈子さん。
そう。
よし。
大丈夫?純ちゃん。
うん。
しっかりね。
うん。
よし。
行こう。
よし。
行こう。
よし。
(未来)パパ。
(純一)やあ。
このたびはおめでとうございます。
(貴裕・未来)ありがとうございます。
未来。
奇麗だよ。
おめでとう。
(未来)ありがとう。
えーっと…。
貴裕君。
どうか未来のこと幸せにしてやってくださいね。
(貴裕)はい。
(未来)今ね貴裕さんとパパの話してたの。
覚えてるでしょ?子供のときの月に一度のデート。
ああ。
ねっ?乗り物に色々乗ったよね。
楽しかったね。
乗ってないでしょ?
(純一)えっ?「未来ちゃん。
今日はお馬さん見に行こうね」とか。
「自転車走ってるの見に行こうね」とか。
「お船の競走見に行こうね」とか言って。
それってあのう。
競馬場とか?競輪場とか競艇場。
(純一)そうだっけ?やーっ。
もうやだ。
純ちゃんったらもう。
(未来)ホントやんなっちゃいますよね。
(純一)いやいや…。
・
(ドアの開く音)このたびはおめでとうございます。
(佳奈子)今日はありがとうございます。
お久しぶりです。
智恵子さん。
ご無沙汰しております。
誰だっけ?
(佳奈子)相変わらずね。
ああ…。
そうなんですよ。
相変わらずなんですよ。
(純一)元気そうだね。
(佳奈子)ええ。
今日はよろしくお願いします。
(純一)ああ。
あっ…。
それじゃ。
ねっ?後ほど。
どうも。
チーちゃん。
あれ…。
佳奈子さん。
だと思った。
うまくいったよ純ちゃん。
セーフ。
セーフ。
セーフ。
(純一)セーフ。
フフフ。
(未来)パパ?あれ?思い出したよ。
(未来)えっ?どうして未来という名前を付けたのか。
君が生まれた年にねつくばで科学万博が開かれてたんだ。
あのときねそれまで遠い存在だった未来という言葉が何だかとっても近くに感じてさ。
映画やアニメでしか見られないロボットや宇宙の映像がぱーっと目の前に現れて。
そうだ。
もうじき生まれてくるこの子の時代はこんな世界になるんだなって。
未来に生きる子。
どうかその未来が輝かしいものでありますように。
(純一)そう思って「未来」と書いて「みく」という名前を付けたんだ。
それなのに俺という父親はどうだ?駄目親父で未来の未来を輝かせるどころか傷つけてばかりいて。
そばにいてあげることすらできなかった。
パパ。
ごめんな未来。
(純一)そんな駄目な父親にこうして晴れがましい場所を与えてくれて…。
パパ。
ホントにうれしいよ。
今日のこと一生忘れないから。
ずっと覚えてるから。
(純一)ありがとう。
ホントにありがとう。
ありがとう未来。
(未来)ありがとうパパ。
純ちゃん。
思い出してよかったね。
なあ。
逆転満塁ホームランだ。
大げさだよ。
えっ?神様が思い出させてくれたんだね。
(純一)なっ。
あっ。
今日のことちゃんと手帳に書くんだよ。
書きますよ。
行こうか。
2015/05/19(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
プラチナエイジ #37[字][デ]【花嫁を忘れた花嫁の父】
皆に病気のことが知れ、楽になった純一(春田純一)を見て、改めて香織(榊原郁恵)に感謝する智恵子(池上季実子)。一方、夫の手帳を見てしまった和子(宮崎美子)は…。
詳細情報
番組内容
純一(春田純一)の娘・未来(永池南津子)の結婚式が近づく。そんな時、智恵子(池上季実子)は純一が娘の未来の写真を何度も真剣な表情で見ている姿を目撃する。
純一と吾郎(中本賢)はおそろいの手帳を使っているが、皆で集まった際、純一は吾郎の、吾郎は純一の手帳を持ち帰ってしまう。智恵子と和子(宮崎美子)が交換するが、智恵子は吾郎がどんなことを書いているのか知りたいと言い出す。
番組内容2
誘惑に勝てず、和子は智恵子や香織(榊原郁恵)の前で夫の手帳を読みだす。吾郎の手帳には、チャーシューの切り方が薄すぎる、鍋には野菜をもっと入れるべき…などとあり、小さい人間だと和子は嘆く。智恵子も純一の手帳を読んでしまうが、そこには未来の顔が思い出せない、という夫の切ない事実が綴られていた。
出演者
伊佐山香織:榊原郁恵
速水智恵子:池上季実子
岩村和子:宮崎美子
速水純一:春田純一
岩村吾郎:中本 賢
伊佐山晃司:宅麻 伸
スタッフ
原作・脚本:清水有生
演出:谷川 功
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
浦井孝行(国際放映)
河角直樹(国際放映)
音楽:佐藤舞希子
主題歌:郷ひろみ「100の願い」(ソニー・ミュージックレコーズ)
制作著作:国際放映
制作:東海テレビ
ご案内
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【公式ツイッター】
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ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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