8NHK短歌 題「約束」 2015.05.19


それを食べる動物のエネルギー源でもあります。
「NHK短歌」司会の剣幸です。
今日のゲストは俳優の神保悟志さんです。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
神保さん短歌は?僕全然経験がないんですけれど大丈夫ですかね?全然大丈夫です。
いいんです。
どうしてもお目にかかりたいという方からのご要望でお越し頂きました。
ねぇ栗木さん。
神保さんのドラマねいつも拝見してて是非直接お目にかかりたいなと思ってリクエストさせて頂きました。
光栄でございます。
今日はうれしいです。
私もお目にかかりたかったです。
実は奥様私のかわいいかわいい下級生なんです。
宝塚の。
今日も家を出る時にくれぐれも剣さんに無礼のないようにと。
一応上級生なんですけれどもでもお元気そうで何よりです。
よろしくお伝え下さい。
ありがとうございます。
では第三週はゲストの方も一緒に楽しんで短歌を学んでいこうという事なんです。
ですから神保さんにもこんな形で学んで頂きたいと思います。
えりちょす!はい!お願いします。
一度預けてもいいですか?はぁ?どういう事ですか?ちょっと握手を…。
はじめまして。
あらまあ!いつも「胸キュン」でスピードワゴンさんや小島さんとご一緒するんですけどいつもぱっとしないので今日はすごく緊張しちゃって。
なるほど。
じゃあ今日は私が配らせて頂きます。
まずこれをお持ち下さい。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
実は栗木さんが選んだ入選歌九首というのがありましてそれを今からご紹介するんですけれどもその中で一番いいなと思った一席を我々3人で予想しようという事なんです。
事前に九首ご覧頂きましたよね。
拝見しました。
順番に今読ませて頂きますので自分がここが一番いいと思ったところでこの札を。
僕なんかが選んじゃっていいんですか?感性のままにお選び下さい。
もしかしたら一席をお選びになるのではないかと思います。
頑張ります!よろしくお願いします。
では入選歌のご紹介です。
栗木さんが選んだ入選歌はこちらです。
一首目です。
これはお父さんがお亡くなりになった場面ですよね。
生前お父さんは自分の方が長生きしてお前を看取ってやるからってお母さんにおっしゃってたんでしょうね。
だけど先に亡くなってしまった。
その時にお母さんが「なじれる」とありますからねどうしてなの?というふうにお父さんに呼びかける。
どう言ったんでしょうかね?「うそつき〜!」とかねその五秒ですかね。
「絶叫五秒」というところが印象鮮明ですね。
切ないですね。
そうですね。
では次です。
携帯電話ができてからね約束の時間がすれ違ってしまうというような事なくなったんですけれどもでもその分待ち合わせのときめきっていうのが減ったような気がしますよね。
そのプラスマイナスの両面を「携帯電話のせいかおかげか」というところが的確に表してるなと思います。
どうですか?神保さん。
ドラマの脚本家の先生たちもよくおっしゃるんですけど恋愛が書きづらくなったと。
すれ違いがなくなってしまって。
ドラマチックじゃなくなっちゃいますよね。
良し悪しですね。
便利なものも…。
では次です。
自由題で頂きました。
お父さんはね農業かあるいは土木作業などに携わっておられたのかもしれないんですよね。
「地下足袋と天秤棒」って具体的なものを2つ並べたところがこの歌の良さだと思います。
「今なら云える」というところにもね歳月の流れをしみじみと見つめるまなざしが感じられますね。
では次です。
次も自由題で頂きました。
木蓮っていうのは花が先に咲いて花の散る頃に葉が茂り始める。
それを花をせかしているんだというふうに捉えたところが面白いと思います。
花がなくなってしまった空をさみしくなったというんじゃなくて「空の大きさ」が感じられるようになったというふうに言ってるところも緩みがなくて結句まですごく整った歌だというふうに思いました。
では次です。
これはものすごくこの中でインパクトがあったのと自分が約束で作ろうとした時に守るのか破棄されるのかという随分変わってきますよね。
それで悩んでる時にこれを見た時に一番やってはいけない反故しちゃった事が黒い袋というものを何かもうズシンときました。
この「黒き袋」というのが抽象的に詠んでいるんですがそれだからかえっていろいろ想像をかきたてるところがあって私などは原発の事故のあと汚染された土をためている黒い袋が積み重なっているところを想像しましたけれど約束を反故にして日本大丈夫か?というそういう重い声が聞こえてきますよね。
おびただしい数の袋が目に浮かびますよね。
では次です。
はい!私も学生の時にこういう事あったなと思って大体クラスって一人はいるじゃないですか。
男の子と女の子すごい人気者の子が。
私の学生の時にもあったのでそういえばみんな許されてたなと思って思い出しました。
男性から見るとどうでしょう?自分がかわいいって思ってる人って自分の事がかわいいって分かってるんですよね。
だからこういう事するんですよね。
ああ〜ってみんな自覚がない人ばっかりです。
これね「かつての」というところがなかなか含みがあるところでここにちょっと毒があるんですよね。
かつてはそうだった。
若い頃はそうだったかもしれないけどいつまで通用するのかしら?みたいな。
女性は怖いですね。
怖いの。
女性が女性に対して歌っているというところがねなかなか怖いです。
きっとこの人は今でもそうなのよというのも含んでるんですね。
毒ですね。
吐きましょう毒は。
次です。
次も自由題で頂きました。
はい。
犬を飼ってらっしゃったんですか?実家で犬を飼ってまして父が大体散歩に連れていってるんですけど散歩に行こうと思って靴を履いたりするとちゃんとリード持って自分で来たんですよ。
その時の事をちょっと思い出して。
本当に賢くて活動的な犬だったんでしょうね。
「散歩」という言葉を使わずにスニーカーとリードによって飼い主と犬の絆を表したというところがねなかなか巧みだなと思いました。
リードって人と犬の絆みたいな…。
つないでますよね。
捨てられないな。
では次です。
生まれた赤ちゃん「一キログラム」って随分小さく生まれた赤ちゃんで命の危機に瀕した事もあったかもしれないんですけれどもそれでも見事にね自己呼吸自発呼吸ができるようになったというね。
それをもう約束されていたこの子の運命強い運命を持ってるんだっていうふうに歌っておられるところがねぐっと迫ってきますね。
僕も娘が2人いるんですけど2人共出産に立ち会う事ができたんですよ。
その時の感動を思い出すようないい歌ですよね。
では次です。
約束っていうのはうれしい反面で束縛にもなりますのでいい面悪い面表裏一体みたいなところがあるんですよね。
その約束の重さを「柔い鎖」柔らかな鎖に例えたところがうまいなというふうに思いました。
そう思うと小指と小指の形って鎖の絡まりみたいに見えてきますよね。
重いですね。
冷たく重いみたいな…。
以上特選でした。
では栗木さんまず三席からお願い致します。
石井和子さんの歌です。
誰もいませんね。
3人の中で誰もいなかったですね。
まだ一席の可能性があると。
そういう事ですね。
では二席お願い致します。
寺下則さんです。
ああ〜。
出ちゃいました。
出ちゃいましたよ。
一席じゃないという事です。
そうですね。
お二人の方がまだ可能性があるという事です。
では最後の一席をお願いします。
木内照代さんの歌です。
外れちゃいました。
みんな外れちゃいました。
この歌もいい歌だなとは思ったんですけど。
大きなものとの約束というところがこの歌の深さになってますね。
ここに「約束」を持ってくるところもすてきですね。
なかなかね「約束」という言葉入れにくいんですけどね。
そんな中で先生私も今日「約束」を入れて短歌を作ってみましたのでちょっと添削をお願い致します。
噛んでしまいました。
どうなんですか?今の季節にぴったりのね「背のびする木々」というところに勢いがあってね約束を頑張って果たしますという感じが出てますね。
時とか季節を入れた方がいいのかって思うんですけど「時」のところは「季節」って入れ替えてもいいんですか?季節の「季」と書いて「とき」というふうにルビを振って「季は巡りて」となさってもいいかなと思います。
新緑の時期の青葉のエネルギーをすごく感じますよね。
ありがとうございました。
では続いては「入選への道」です。
投稿作品にこうすれば入選に近づくというポイントを伺います。
先生今日の歌は?神保さんこれどうですか?指切りげんまんって子供の頃しましたね。
何かいいですよねとってもね。
いい歌です。
今の子供さんは指切りげんまんしなくなっちゃってるっていう話も聞きますけれども大変懐かしさのあるいい歌なんですけれども1か所直したい所があるんですよね。
添削するとこうなります。
「ことらしく」というふうにするとここでちょっと小休止ができるんですよね。
遊ぶことらしくてそして…みたいな。
何かゆとりが出るっていいますかね。
それによって調べが自然に下の句の「背戸より」ってつながっていくような気が致します。
何かしっくりしますよね。
読みやすいですよね。
インターバルある事によって周りの図もはっきりしてきますね。
ありがとうございました。
歌作りの参考になさって下さい。
それではここで皆さんからお寄せ頂く投稿のご案内です。
続いては栗木さんのテーマ…第一週の選者をなさっている佐佐木幸綱さんの若い頃の歌ですね。
佐佐木さんはスポーツ万能で体育会系の若者だったんですが二十歳の時にお父さんが急に亡くなってしまう。
それでおじいさんである佐佐木信綱さんが創刊した「心の花」という伝統ある結社を受け継いでいかなきゃならなくなるんですよね。
いろんな責任や重圧がわっと自分にのしかかってくる。
それを「約束が明日から腕を伸ばし来る」っていうふうに擬人法を使って表したところに実感が籠もっています。
更に四句目で「まっぴらごめんで」というふうにそれをパッと振り払ってそして20代をサーッと越えていくっていうところがとてもかっこいいんですよね。
約束の重さを詠んだ歌なんですけれども一首の中にいろんな動きを配する事で躍動感のある歌になっているなというふうに思います。
ありがとうございました。
それでは次のコーナーです。
次のコーナーは…今日はえりちょすが短歌を作ってきてくれました。
早速栗木さんに見てもらいましょう。
はいお願いします。
どうですか?神保さん。
女の子らしいかわいらしい歌ですよね。
ありがとうございます。
いじらしい感じがしていい歌なんですけどね1か所だけここ直した方がいいなと思うところがあってそれが初句の最初の「約束した」というところ。
ここがポイントですか?「約束した」。
前回熟語に「する」とか「した」を付けるのはあんまりよくないですよというお話をしましたけれど今回は熟語の部分はそのまま置いといて「した」とか「する」というかその部分を他の動詞に変えて何とかもうちょっと滑らかな表現にできないかなというのを勉強したいと思うんですよね。
例えば神保さん「予約する」なんていうのは?予約するって使っちゃいますね。
よく使いますけどね。
正しく言うと「予約を入れる」ですか?ずっと丁寧ですよね。
「予約する」は「予約を入れる」。
なるほど。
もう一つ「契約する」なんていうのもよく使いますが契約する…言っちゃいますね。
「契約を結ぶ」ですか?そうですね。
何か重みが出て守られそうって感じがしますよね。
「契約する」は「契約を結ぶ」。
じゃあえりちょす「約束する」はどうしましょう?約束する…「約束を交す」ですか?そうですね。
すばらしい。
ボードを見て頂くと分かりますけれども予約する契約する約束する似たような言葉なんですけれど動詞をそれぞれ変える事によってそれぞれ表情が出てこまやかな感じになりますよね。
ではえりちょすそれを直して頂きましょう。
その「約束した」というところですよね。
今「約束を交す」って言ってくれたんで「約束を交したコンビニ」もいいんですけれどもちょっと字余りになっちゃうので「駅」ぐらいにしましょうか。
「約束を交した駅で待ち続け」。
そこは三句目から四句目へ続ける形にしましょうか。
「すでに形を失った」っていうのもいいんですけどここもちょっと字余りが気になるので「なくした」ぐらいでいいかな。
じゃあ直したいと思います。
直して下さい。
栗木さんそういえば今週の入選歌の中でも「約束する」とか「約束した」というのは一つもありませんでしたね。
今おっしゃって下さって改めてそうだなと思いましたけどね。
皆さんやっぱりすごいですね。
ちゃんとそういう事分かって作っていらっしゃる。
きちっと言葉と向き合ってね正しい日本語っていうのも変ですけれどもねより良い形で使って下さってますよね。
その「熟語+する」の「する」を動詞に変えるっていうような例としていくつかちょっと考えてみたいと思うんですけれども例えば神保さん「計画する」なんていうのどうしましょう?計画するですか…「計画を練る」。
そうですね。
いい計画ができそうですよね。
「立てる」とかは?「計画を立てる」もいいですよね。
それからもう一つ「信頼する」なんていうのもよく使いますね。
信頼…「信頼を得る」それは違うな…。
信頼…。
「寄せる」?そうですね。
「信頼を寄せる」って言った方が何か関係性が密接に伝わってきて信頼がもっと厚いものに感じられてきますよね。
日本語って奥深いですね。
…ってな事を言ってるうちにできましたか?できました!どうですか?神保さん。
ちょっと手加えただけなんですけど非常にいい感じの歌になりましたね。
約束の重みが出たっていうかすごい深い歌になった気がします。
やっぱり素人としていろんなものを目にして動詞とかを作ろうとは思うんですけどなかなかこういうふうに栗木さんに直して頂くとああなるほど!っていうのがいっぱいあるんですけど出てこないです。
「形をなくした」とか。
難しいですね。
どうですか?これから短歌を…。
短歌って美しい日本語を学ぶうえでは非常にいいですよね。
子供にもやらせたいなって思います。
英語とか外国語もいいですけど日本語も頑張って子供さんに学んでもらいたいですよね。
せっかく日本人に生まれてきたわけですから美しい日本語を使いたいですよね。
多分お芝居とかドラマとかをやってる中でもそういう事を考えてるのと考えてないのでは書かれている作品の文章が変わって聞こえてきますよね。
その人の人物像も変わってきますよね。
演じている役の。
人格にも影響してきますよね。
対相手があるので相手に対してどう思ってるか約束を交すのかするのかっていう事だけでも距離感とかも全然変わってきますよね。
いや〜奥が深いんですよ絶対。
ものすごい勉強になります今日は。
歌人の役とかなさった事ありますか?僕はないですね。
歌人はないですね。
私もないんですけど。
先生どなたかこの歌人の方はすてきだなと思われるような男性歌人っていらっしゃいます?今日ご紹介した佐佐木幸綱さん。
古典にも精通しておられますし語彙が豊富っていうところがねすばらしい。
男らしい歌を詠まれますよね。
幸綱さん自体もね。
マッチョな感じで。
出るんですねやっぱり作品に。
人柄がにじみ出るってとこありますね。
神保さんの短歌も見てみたいです。
僕ですか?多分今日から…。
これを機に是非ちょっとやりたいなと思いますけれども。
批評がすばらしかったので深い読みのできる方は素質ありますよ。
実作者として。
褒められるとうれしいです。
褒められると伸びるタイプなので。
今度作ってまた来て頂いて。
またね是非。
それまでの宿題という事で。
何なら今日帰り道で是非作ってみて下さい。
お題は何がいいですかね?そうですね…「約束」じゃなくて何でしょう?剣さんの歌にあった「青葉」でもいいですしね。
ちょうど季節いいかもしれません。
じゃあ「青葉」で今度作ってきて頂けたらうれしいですね。
何とか…はい。
楽しいですね短歌。
夢が広がりますよね。
もっと私もこれからどんどんいろんな事を考えて書いていきたいし先生にいっぱい添削して頂きたい。
今日の作品もねすてきでした。
(チャイム)お時間が来てしまいました。
神保さん今日はわざわざお越し下さってありがとうございます。
本当にありがとうございました。
非常に楽しかったです。
次回また是非お待ちしております。
栗木さんありがとうございました。
それでは来月またお目にかかります。
2015/05/19(火) 15:00〜15:25
NHKEテレ1大阪
NHK短歌 題「約束」[字]

選者は栗木京子さん。ゲストは俳優の神保悟志さん。題は「約束」。短歌では、やまとことばを使うと言葉がやわらかく響く。よく使う漢語を やまとことばに言い換えてみる。

詳細情報
番組内容
選者は栗木京子さん。ゲストは俳優の神保悟志さん。題は「約束」。短歌では、やまとことばを使うと言葉がやわらかく響く。よく使う漢語を やまとことばに言い換えてみる。【司会】剣幸
出演者
【ゲスト】神保悟志,【出演】栗木京子,【司会】剣幸

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:4881(0x1311)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: