当時、19歳でベトナムに派遣されたある人気歌手は、韓国のテレビ局KBSの報道番組でこう証言している。
「政府にベトナム行きを命じられた芸能人は『渡航時に何があっても政府にはいかなる瑕疵もない』との覚書を書かされました。慰問はお金にもならず、誰もが嫌がっていた」
彼女の口から「性接待」について語られることはなかったが、派遣前にステージを放り出して逃げだす者もいたという証言からすると、やはりこの慰問団は特殊な性格を帯びていたことが判る。
半ば強制的にベトナムに派遣された彼女たちもまた、韓国軍の被害者だったのではないか。
※SAPIO2015年6月号