もうダメ…ちょっと休ませて…!リハビリは根気だって自分が言ったんでしょ!そうよ!そんなんじゃいつまでも良くなんないわよ!
(堀切真帆)助けて…!
(悲鳴)
(パトカーのサイレン)
(三浦信輔)おい!
(芹沢慶二)ご苦労様です。
(米沢守)あどうも。
(三浦)間違いないのか?安斉直太郎に。
はい安斉の担当医が確認しました。
(伊丹憲一)どうなってんだ?あの安斉が殺されるなんて。
死因は?腹部を鋭利な刃物で刺された事による失血死ですね。
(杉下右京)
安斉直太郎を覚えているだろうか?
2001年に福岡
2004年に京都
そして2005年には埼玉で…
(女性の悲鳴)
(刺される音)
行きずりの女性を殺害し…その片方の耳からピアスを奪うという事件を起こした医大の大学院生
それ以前に全国で7件同様の犯行を重ねた快楽殺人者村木重雄の模倣犯だとされている
やっぱりお前が犯人だったんだな!
その村木のカウンセリングに精神科医内田美咲の助手として関わるうち安斉は村木の抱える闇に飲み込まれてしまった
(村木重雄)快楽は長く続くほうがいいだろ?
(村木)私と同じ目をしている。
(安斉直太郎)先生勝手に入ってもらっては困ります。
(内田美咲)あなただったのね?いえ…。
あなたですよ先生。
そのピアスしっかり持っててください。
(安斉の声)先生だって認めてたじゃないですか!?悪は人間を魅了するって!
そう語った安斉は逮捕後精神鑑定を受け心神喪失状態で刑事責任能力なしとなった
検察はやむなく安斉を不起訴としたがこの決定は被害者遺族たちを激怒させた
(日高修)仮にも精神科医の卵であった人間が3人もの罪なき女性の命を奪ってそれでどうして罪に問われないんですか!?
(記者)末次さん安斉容疑者の不起訴処分どう思われますか?末次さんあの判決が出ましたよね?不起訴処分…。
あの…ひと言コメント頂けないでしょうか?末次さんあの…。
京都で娘を殺された遺族は抗議の自殺を図った
発見が早かったため幸いにも自殺未遂に終わったがこれは世間に大きな衝撃を与えた
これら遺族の行動によって安斉を不起訴にした検察は批判の的となった
そこで検察は医療観察制度に基づき安斉の鑑定入院を申し立てた
これにより安斉はまた鑑定にかけられその結果指定医療機関に強制入院となった
それが最近安斉の退院が検討されている事があるマスコミのスクープにより発覚してしまった
外出訓練…?安斉直太郎が病院を外出する訓練という事でしょうか?ええ病院と担当裁判官はその結果を見て安斉を退院させるかどうか判断するつもりだったようですね。
外出訓練に付き添っていたナースです。
巻き込まれたようですが幸い軽傷で済んだみたいで。
犯人は外出訓練を狙ったのでしょうかねぇ?でしょうねぇ安斉が外に出るチャンスですから。
凶器は?それが…見つからなくて。
(末次)おいお前ら。
どうせ俺を捕まえたいと思うとるとよ?捕まえたきゃ捕まえたらよか!
(亀山薫)どうしたどうした?どうしたの?ああ?
(末次の騒ぎ声)ちょっと…あんたねお酒飲んじゃってんの?ここどこだと思ってるの?警視庁よ。
悪魔を殺して罪になると?何…名前は?悪魔を殺して何で悪い?悪魔って…あっ!?末次さんあの…。
あんた福岡の…!?うあぁー!離せって!待った待った待った!なああんたが殺した男って?安斉直太郎。
俺が殺したとよ。
えっ!?
(三浦)まあ聞くまでもないかもしれませんが…。
どうしました?あの一応聞かせてもらえますか?安斉直太郎を殺害した動機を。
こん机頑丈にできとる。
(伊丹の咳払い)
(伊丹)え〜やっぱり復讐殺人ですか?末次さーん?おーい!!入院してたった1年で安斉が退院するかもしれない。
あなたそれが我慢できなくて…。
ああー!!
(机を動かす音)
(末次を制止する声)わぁービックリした!!あっお…?やっぱしね…。
(芹沢)えっ何が?頑丈にできとるこの机…。
とにかく落ち着いて。
なぁ座って。
いつかは壊れるとよ。
え…?どげん頑丈にできとると思うてん…壊れる。
(中園警視正)安斉に殺された被害者の父親です。
(内村警視長)確かか?はい。
2001年に福岡で娘を殺された末次朝雄です。
自首してきたってのは本当か?ええ。
「俺が殺したとです」って。
その自白に証拠能力はない。
確かに正式な取り調べではありませんからねぇ。
「俺が安斉殺したんは悪魔やったから」あ自白しましたよ。
しかしあの様子です。
自白の信憑性となるとどうでしょう?あの…逮捕はどうしましょう?自首してきたものをしないわけにはいかんだろう。
はぁ…しかし今のところ物証も…。
自白だってあのような…。
逮捕したらすぐに検察に渡せ。
は?面倒な事は検察に…そういう事でしょうか?娘を殺された父親の復讐殺人。
その自白に信用性があるかどうかそれをどう判断しても貧乏くじだ。
だから検察に判断を押しつけるんですか?記者会見は適当にやっとけ。
えっ!?部長は?出るわけないだろう。
どう発表しても貧乏くじですからねぇ。
右京さんこのヤマすぐ検察に流れちゃいますよ〜。
あまり時間はないようですねぇ。
あのお父さんに話訊こうにもねぇ。
訊くべき人ならもう1人いるじゃありませんか。
大丈夫ですか?あ…無理しなくていいっすよ。
起きますか?突然後ろから突き飛ばされて…。
犯人の顔は見てません。
その犯人ですが先ほど自首しました。
まさか…。
誰なんです?それは教えられないんですよ。
いいじゃありませんか。
え?まもなく発表される事です。
…そうすか?じゃあ。
この人なんですけどね。
どなたです?末次朝雄。
安斉に娘さんを殺された遺族です。
えっ…!?安斉直太郎の外出訓練。
…はい。
その事を知っていた方は?この人がねそれを知っていた可能性が高いんですよ。
病院の関係者なら…。
その情報が漏れてしまったお心当たりは?ところでなぜあなたは安斉直太郎の外出訓練に付き添われていたのでしょう?もし安斉さんが通院措置になったら私が彼の訪問担当になる予定だったので。
訪問担当…?訪問看護の事です。
私去年まで関西の系列病院で訪問看護の仕事をしてて…。
たぶんその経験が買われたんだと思います。
(ドアの開く音)いらっしゃい。
「いらっしゃい」じゃねえよ!いつもいつも困りますね警部殿。
いつもいつもすみません。
もう用は済みました。
何してた?お見舞い。
ふざんけんじゃない!!う〜ん…疑ってます?はい?あの看護師さんが安斉の外出情報を教えたんじゃないかって。
その可能性がないとは言えませんねぇ。
でも彼女も犯人に襲われてるんですよ。
ええしかし安斉直太郎は殺されたにもかかわらず彼女のほうは軽傷で済んでいますねぇ。
彼女が犯人に手加減されたって言いたいんですか?その可能性も否定できませんねぇ。
あの末次さんにその判断が可能ですかねぇ?だいぶ不安定だったでしょう。
机「うああーっ!」って。
そうでしたね。
あの看護師さんは安斉の情報を教えた共犯者?ええ。
どうすかねぇ。
可能性は少しもありませんか?いやそりゃ少しもないとは…。
少しでも可能性があるのならば。
調べるんですね。
わかりました。
わかってます。
あっ!?美咲先生!どうも…。
ご無沙汰しています。
何でこの病院に?安斉の担当の先生にお会いするために。
安斉直太郎の担当医に?ええニュースで事件を知って。
ああ驚きましたよねあの安斉が殺されるなんて。
…いえ末次さんが自首したというニュース。
え?末次さんは私の患者なんです。
(美咲)父一人娘一人だったそうです。
その娘さんが安斉に殺されて…。
安斉に復讐したくなる気持ちわかりますけどね。
ええ心のバランスを崩しても仕方のない状況です。
それで美咲先生のところで診察を。
まだ1年しか経っていないんですね。
え?安斉直太郎が逮捕されてからですか?もうずいぶん前の事のように思えます。
それからすぐ末次さんは私のところへ。
私はあの安斉の指導医だったんです。
安斉はあんたの助手やった。
ええ。
教えてくれんね安斉の事。
娘が殺されてからずーっとこの4年間…眠れんし体はしびれるし吐いてしまうし…生活できん。
体は異常なか!精神的なもんやて。
そやからあんたみたいな医者に何人もかかって…。
けんど一向良うならん。
だから私に…?これ治すには知る必要があるって。
娘を殺めた安斉がどげな男やったか。
それ一番よう知っとるのはあんたやろ!?
(美咲の声)すべて私の責任だと思いました。
安斉の犯罪思考に気づけなかった私の…。
今日の調べによるとあの看護師さんと末次さんの間には何の繋がりもありませんでしたね。
しかし気になりますねぇ。
は?殺された安斉直太郎は美咲先生の助手でした。
ええ。
殺した末次さんは美咲先生の患者です。
加害者も被害者も美咲先生と繋がってますね。
ええ。
(宮部たまき)いらっしゃい。
(亀山美和子)こんばんは。
おい何で携帯切ってた?ごめん地検にいたから。
東京地検ですか?はい。
末次容疑者送検されました。
やっぱり早かったすね検察に送られるの。
明日会見だって。
送検の翌日に何の会見でしょう?末次容疑者の精神鑑定を発表するんだと思います。
末次さんの鑑定…。
安斉直太郎の時と同じですね。
何か変な話ですねぇ。
罪もないお嬢さんを殺した男が鑑定にかけられてその男を殺したお父さんがまた同じように鑑定にかけられて。
やりきれないっすよねぇ。
やはりそうでしたか。
私の担当患者が罪を犯したんです。
彼の診療記録を鑑定医に提出するのは当然だと思いまして。
その際末次さんに許可はお取りになりましたか?は?それとも検察に令状を突きつけられて強制的に提出させられたとか?私が末次さんの許可を取り自主的に提出しました。
取り調べができないほど不安定な状態の人から許可が取れた?ええ取れました。
さすが先生です。
ところで先生は安斉直太郎の担当医に会われたとおっしゃっていましたね?ええ。
それが?その担当医が彼の外出訓練をしなければ被害者遺族が殺人犯になる事はなかった。
最近のマスコミの論調ですね。
それを担当の先生はどう思われているのでしょう?安斉は入院してから一度も問題を起こしていません。
そんな人をずっと入院させておく事は人権上許されない。
担当医ならきっとそう考えたはずです。
再犯の恐れは考えなかったのでしょうかねぇ。
もちろん考慮したでしょうね。
なのに退院させようとした?人が再び罪を犯すかどうかなんて誰にも予測できないという事です。
精神科医らしからぬお言葉ですね。
いえ精神科医としての結論です。
結論…ですか?大体再犯の恐れはどんな犯罪者にもあるのにどうして心に問題を抱えた人だけ特に問題視されるのでしょうか?心に問題を抱えている犯罪者は人に与える不安も特に大きい。
そういう事でしょうかねぇ。
でも杉下さん。
心に問題を抱えていない犯罪者なんていると思いますか?
(テレビ音声)「繰り返しお伝えします」「東京地検は先日警視庁に殺人の罪で自首した男性を犯行時心神喪失状態だったとして刑事責任能力はないとの鑑定結果を発表しました」「これを受けて殺人容疑の男性の不起訴処分を検討する必要があると重ねて発表しました」
(ため息)同じですね安斉の時と。
それが末次さんの目的だったのかもしれません。
え?末次さんの目的は復讐でしょう?誰に対する復讐でしょう?もちろん娘を殺した安斉に…。
まさか右京さん…末次さんがわざと鑑定されるように仕組んだっていうんですか?刑事責任能力なしになるために。
その可能性を考えています。
いくら何でもそんな芝居鑑定でバレますよ。
しかしそこで気になるのは末次さんの診療記録です。
美咲先生が提出した…?それは鑑定にどのような影響を与えたのでしょう。
(角田六郎)おい暇か?ちょっと面白い事があったんだけどさ。
あ〜ちょっと…。
その診療記録見られませんかね?難しいですが方法はあると思いますよ。
ありますか?あるでしょう。
いやあの面白い事が…。
あ〜行ってきます。
ちょっと…。
面白いのに。
(井上一馬)末次朝雄の診療記録?ええ。
内田美咲先生が提出された…。
(井上)これかね?ちょっと見せてもらっていいすかね?令状は?ないんですダメですよね?当たり前だろ。
ところで先生が末次さんを鑑定された時ですが…。
個別なケースについては答えられんよ。
では一般的なケースとして精神鑑定ではどのような事をお調べになるのでしょう?鑑定の種類によって調べる項目も違う。
では起訴前の簡易鑑定では?調べる項目は目つきや顔つき通院や入院歴異常な体験自殺の意思非社会性対人暴力性…。
まあざっとそんなとこかな。
ちなみにその中で先生が重要視されるのはどれでしょう?私だけじゃなく多くの鑑定者が「異常体験」と「精神科の治療歴」の2つを気にするだろうねぇ。
異常体験というとあれですかねUFOに遭遇してエイリアンにさらわれちゃったみたいな…?冗談ですか?え…?あはい。
「娘が殺された」という過去は?究極の異常体験だねぇ。
それともう1つの精神科の治療歴というのは例えば美咲先生の提出されたこれ…。
まそういうものだねぇ。
つまり今回のケースは「娘が殺された」という過去とこれによって鑑定は決定された。
あれじゃ美咲先生の診療記録が鑑定を決めたようなもんですね。
それこそ美咲先生の目的だったのかもしれません。
末次さんの責任能力をなしにするため。
もしそうであるのならば末次さんの復讐相手は安斉直太郎だけではなかった可能性もあります。
え?安斉直太郎に罰を与えなかった社会に対する復讐。
ああ。
だとすると美咲先生も共犯ですよ。
そうなりますねぇ。
何でそんな事を…?すべて私の責任だと思いました。
安斉の犯罪思考に気づけなかった私の…。
しかしまだ1つ問題が残っています。
末次さんに誰が安斉の外出情報を教えたか…ですね?それです。
あ…!課長まだいらっしゃったんですか?ああ今日はねもう1日のんびりモード。
昨日まで忙しかったからなぁあの捜査一課の応援捜査で。
正確に言うと検察の応援捜査をさせられている一課のそのまた応援捜査だけどね。
っていう事は安斉が殺された事件?そう安斉の外出情報がどこから漏れたかっていうね。
どこをどうお調べになったのでしょう?彼のいた病院とかその関連施設とかあと保護観察所とかね。
そうそうそれでさちょっと面白い話あったんだよ。
面白い話って?ああ。
安斉の外出情報を知りうる人間の中にさ…。
…ん!?内田美咲…!?お前ら知り合いでしょ?何でもっと早く教えてくれなかったんすか?いやだから今朝言ったよ!面白い話があるってさ。
右京さん。
もちろん行こうと思ってましたよ。
はい。
もう課長は…!ええ?ええ〜!?ちょっと…!あ理不尽!ちょっとお話をよろしいでしょうか?
(美咲)そうですか…。
ええ。
鑑定した医師がそう言ってましたよ。
美咲先生もある程度予測なさっていたのではありませんか?何をです?提出された末次さんの診療記録が鑑定にどのような影響を与えるのか。
ええ予想どおりでした。
予想どおり?鑑定に影響の出そうなデータばかり提出しましたから。
はぁ…どうしてそんな事を?彼は私のカウンセリング中に安斉を殺したんです。
私が彼の心を少しも救えなかったという事です。
だから彼の責任能力をなしにしたかったんですか?私どんな罪になるのかしら?診療記録を偽造したわけではありませんからねぇ。
道義的にはともかく法的には特に…。
そうでしょうね。
同じ人を鑑定しても鑑定医によって結果が違うなんてよくある話ですから。
でも先生が安斉の外出日を末次さんに教えてたとしたら…。
は?そしたら話は別です。
ええ法的な罪となります。
まさか…。
あれ…?泊まりか?明日。
うん取材が長引いたらね。
どこ?京都。
はあ〜楽しそうどすな〜。
ハハ…何の取材?安斉の事件だよ。
そっか…。
悲しい事件だよな。
うん…。
嫌になんねえか?調べてて。
なるさ。
でも調べるんだ?だから調べるの。
何でこんな事件が起きたのか…。
二度と同じ事件が起きないように。
うん…。
あれ?その事件の取材で何で京都?ふりだしに戻って調べてみようと思って。
まずは事件に巻き込まれた看護師さんに話を訊くところから。
って事は京都が…?そう彼女の実家。
うん。
とにかく何かヒントを見つけたいの。
頑張れ!俺も頑張る。
ここにいる末次さんに直接訊くしかないですね〜。
彼が安斉の情報を誰から聞いたのか…。
ええ美咲先生には否定されましたからね。
はい。
どうも…。
こちらにサインを…。
はい。
あっ!おっ!何だお前ら!ああ?そうですか…あなた方も調べているわけですね?美咲先生が末次さんに情報を漏らしたのではないかと。
だってこんな資料が出てきちゃったら…。
末次さんを聴取して何かわかりましたか?いや警部殿にお話するような事は何も…。
わかんなかったみたいですね。
黙れ亀吉!大変ね〜検察のお手伝いもね。
お手伝いもさせてもらってない奴は入っちゃダメ!やめた。
出直しますか?そうしましょう。
おお〜。
よし…。
右京さんすき見てもう1回行きましょうね。
ええ。
愛妻弁当ですか?え…いやまあ愛妻かどうかはね。
でも美和子が作った弁当ですよ。
大変結構ですねぇ。
しかしまだ9時半ですよ。
あぁ…。
野球やってた時から特技早弁です。
いただきます!つまりこれから先も僕は君の早弁を見逃すわけですね。
いや今日は特別ですよ。
「特別」とは?ついでなんで俺の弁当は。
つまり美和子さんは今朝お弁当を持って出かけた。
はい今回の事件の取材に。
今回の事件…?ええ。
ふりだしに戻って調べるみたいですよ。
あの看護師さんを。
あの看護師さんはもう退院されたのでしょうか?しばらくは仕事を休んで京都の実家にいるって。
…京都?ええ言ってたでしょ。
あの…関西の病院にいたって。
私去年まで関西の系列病院で訪問看護の仕事をしてて…。
僕とした事が…!どうしたんすか?何すか?何という事でしょう。
出かけます?思えば安斉直太郎が殺された時最初に気になったのがあの看護師さんでした。
ええ彼女が安斉の情報を教えたんじゃないかって。
うかつでした。
何がです?彼女と犯人の関係を調べるべきでした。
いや調べたじゃないですか。
彼女と末次さんには何の繋がりもなかったはずですよ。
いえ繋がりを調べる相手を間違えました。
えっ!?亀山君捜査令状は。
はい大丈夫です。
どうですか?
(看護師長)確かに堀切さん去年までうちの病院に勤務しておりましたけど。
あの…彼女訪問看護の仕事もしてたんですよね?ええそれが何か?彼女が担当していた患者さんのリストとか残ってますか?はいしっかり引き継ぎしておりますから。
ちょっとお待ちください。
はい。
あ…あった!!「牧百合江」!
(管理人)牧さんいまへんか?ええ。
ほとんど外に出はらへんのにな。
そうすか。
はいどうぞ。
すいません。
牧さーん!牧さん!お邪魔しますよ。
あっ!?右京さん!あっ!?救急車をお願いします。
牧さん!牧さん!!まだ脈ありますよ。
牧さーんしっかり!しっかりして!
(風の音)
(ノック)失礼します。
ノックぐらいしてください。
すみませんしたのですが…。
お辞めになるおつもりですか?はい…?今隠されたのは辞表の類でしょうか?やはりそうでしたか。
先生が「結論」とおっしゃっていたのがずっと気になっていました。
人が再び罪を犯すかどうかなんて誰にも予測できないという事です。
精神科医らしからぬお言葉ですね。
いえ精神科医としての結論です。
精神科医としてできる事はもう何もない…。
そうおっしゃっているかのようでした。
以前から思っていたのですが…。
何でしょう?杉下さんは人の心が読めるのですか?単なる論理的思考による推察に過ぎません。
精神科医に向いているかもしれませんね。
辞めるのですか?病院を。
いえ…医師を。
私にはもう精神科医を続ける資格はありません。
安斉直太郎の事をおっしゃっているのでしょうか?被害者遺族である末次さんまで殺人犯にしてしまいました。
殺してませんよ!末次さんは殺してません。
安斉直太郎が殺された事件は普通に考えれば大変わかりやすい事件だったのです。
彼の外出訓練を知っていたあなたが去年まで関西の病院にいたという事実。
そこにある大きな偶然を僕はうっかり見逃してしまいました。
安斉直太郎が殺害を犯した地域の1つが京都でした。
そこで訪問看護の仕事をしていた時あなたは牧百合江さんを担当してましたよね?2004年京都で殺された女性の遺族です。
きっとあなたは今の病院に移ってからも牧さんに会っていた…そうですよね?母一人娘一人でした。
どうですか?吐き気のほうは治まってきましたか?
(真帆の声)娘さんを殺されてから体を壊して寝たり起きたりの生活になって…。
それで私が訪問担当に。
そんな牧さんの境遇にあなたは同情したんですね?だからって安斉の情報を漏らしたんですか?どうかしてました。
なぜそんな事をしたんですか?牧さんは安斉さんの…精神鑑定の結果が出た後に…自殺未遂を。
ええ。
安斉直太郎が責任能力なしとなった事に耐えられなかったのでしょう。
でも安斉さんは入院措置になった後…。
(牧師)…あなたの命そして亡くなられた方の命のすべての命は神様がお与えくださったのです。
(真帆の声)自分の罪をとても悔やんでいました。
懸命に治療に励んでいました。
だから…それを知れば牧さんの力になる。
そう思ったんです。
もう少しゆっくり歩きましょうか。
そして安斉直太郎の外出訓練を知った牧さんは…。
(百合江)うああー!!
(真帆の悲鳴)堀切さん!!
(百合江)ぎゃあー!!
(刺される音)私のせいですね…私が…。
先ほど牧さんにお会いしました。
え…!?逮捕したんですか?手首を切ってました。
ご安心ください。
命に別条はありません。
その彼女の部屋に…こいつが。
鑑識で調べた結果安斉を殺した凶器でした。
じゃあどうして末次さんは…?自首などされたのか?先生はどう思われますか?1年間末次さんのカウンセリングをしてきた先生の…お考えは?きっと自ら安斉に復讐した事にしたかったんだと思います。
殺された自分の娘さんのためにも。
または犯人として精神鑑定される事が目的だった。
被害者遺族である自分が加害者である安斉と同じ立場になる事で鑑定の矛盾を社会に訴えるために。
大変興味深い説ですねぇ。
それまで追い詰められてたんですね末次さんは…。
やっぱりすべて私の責任です。
最も近くにいながら安斉の暴力性に気づけなかった私の…。
いいえ。
安斉さんは優しい人でした。
昨日の分です。
はい確かに。
あの…。
先生がこのノートにはもっと自分の過去を振り返って書くべきだと。
安斉さん被害者遺族に対する謝罪の言葉ばかりで…。
もちろんそれも大切だけど…。
牧さんが…自殺未遂をしたみたいですね。
…え?僕が京都で殺めた被害者の…母親。
大丈夫ですご無事です。
入院してるんですか?いえ。
今は訪問看護に戻ってます。
訪問看護に…戻った?娘さんを殺されてから体を壊してそれからずっと…。
あなた面識があるんですね?ここに来る前彼女を担当してて。
今は?今はこの病院に転属したんで。
行ってあげてくれませんか?え?時間がある時でいい。
あの母親…独り暮らしですよね?…ええ。
独りにしないほうがいい。
それは…精神科医としての判断ですか?…え?目指してたんですよね?かつては。
医者としての診断なのか加害者としての言葉なのか今の僕にはわかりません。
でも…今のあの母親にはできるだけ毎日誰かが訪ねて話し相手になって欲しい。
そう思うんです。
こんな事僕に言う権利はないのはわかってます。
わかってますが…彼女をよく知ってるあなたなら…。
あの安斉が…そんな事を?あの時の安斉さんの言葉はただ優しさから出ただけの言葉だと思いました。
だからあなたは今の病院に移った後も牧さんの家を訪ねたり連絡を取ったりしていたわけですか。
安斉さんに毎日のようにお願いされて。
でも結果…安斉は牧さんに殺された。
皮肉な話ですねぇ。
安斉さんも私たちと同じ普通の人間だったんです。
無理なのかもしれませんね。
はい?人が人の心を分析するなんて。
まして罪を犯した時にさかのぼって鑑定するなんて。
だからお辞めになるのでしょうか?こういう事件を二度と起こさない。
そのような思いで続けるという選択肢は…ないのでしょうか?「連続殺人の罪で強制入院中だった男性を殺害した真犯人は娘を殺された母親だった」はい車出るから下がって!
(伊丹)おい!どけよそこ!車出すぞ!どいて!車出るから!「その女性の精神鑑定が決まったという」「犯罪中でも特に常軌を逸した犯罪である殺人を健康な心でする人などいるだろうか?」そうかもしれません。
しかしどこまで健康でないなら刑事責任能力はなくなるのでしょうねぇ。
やっぱり難しいっすよねぇそこに線を引くのは。
暇か?ようやく解放されたみたいだよ。
え?その事件で自首した「末次」ってお父さん。
そうですか。
まあいまだにやったのは自分だって言い張ってるみたいだけどね。
でも末次さんは大丈夫ですよ。
え?美咲先生がついています。
美咲先生が?医師を続けるそうです。
連絡がありました。
ホントすか?末次さんのカウンセリングも。
はぁ…そうすか。
はぁ…そうすか…。
2015/05/21(木) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 season5[再][字]
「悪魔への復讐殺人」
詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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