ガリレオ #03 2015.05.20


(美砂)ご愁傷さまです。
(男性)ありがとうございます。
(睦美)お預かりいたします。
(小中)ご記帳お願いいたします。
(読経)ハァー。
(バイブレーターの音)かあー。
何でしょう?
(太田川)「何でしょう?」じゃねえよ。
おとといの発砲事件の報告書早く出せよ。
太田川さん。
今どちらにいます?
(太田川)あっ?廊下だけど。
刑事課に戻ってスケジュールボードの私の欄を見てください。
告別式と書いてます。
(太田川)告別式?大学時代のなぎなた部の先輩が亡くなったんです。
なぎな…。
(不通音)すいません。

(由加里)美砂。
卒業以来?由加里。
(由加里)こんな形で再会するなんてね。
ああ。
ペンマックスって?
(由加里)白井先輩が勤めてた会社。
データ復旧サービスのベンチャー企業。
えっ?白井先輩って卒業して大手商社に入ったんじゃ?
(由加里)引き抜かれたんだって。
受付の人が言ってた。
会社の同僚みたい。
あの人たち。
(睦美)ご記帳お願いします。
ああそう。

(聡子)美砂。
サト。
(由加里)久しぶり。
(聡子)うん。
聞いた?えっ?
(聡子)白井先輩自殺だったって。
(由加里)えっ!?自殺?
(聡子)お風呂で手首切ったそうよ。
あっ。
ご苦労さまです。
(早見)ああ。
お預かりいたします。
ご記帳お願いします。
(由加里)どうして自殺なんて?
(聡子)不倫相手に捨てられたから。
不倫!?
(聡子)同じ会社の人がひそひそしゃべってたの聞こえたの。
(由加里)えっ?ちょっと。
相手誰よ?
(聡子)社長だって。
ペンマックスの。
えっ?じゃあ上司ってこと!?
(聡子)シッシッシッ。
(社員)あっ社長。
ご苦労さまです。
(加山)社長。
(早見)ああ。
あの人。
(読経)
(冴子)《別れてくれ?》《うん》
(読経)えっ?
(加山)どうされました?
(早見)誰だ?えっ?何?白井君。
(早見)やめてくれ。
(加山)社長?
(早見)やめてくれ。
(加山)社長?やめろ!
(加山)社長。
(加山)社長!
(早見)うわあー!
(加山)大丈夫。
落ち着いて。
そのままで。
はい。
(加山)社長!
(聡子)何?あれ。
(由加里)やだ。
怖い。

(アナウンサー)けさ東京湾で発見された遺体は大田区の会社経営早見達郎さん51歳と…。
(栗林)ああ。
身元分かったんだ。
(湯川)ビーフシチュー。
(アナウンサー)自ら海に飛び込み自殺を図ったとみて…。
(栗林)自殺?マーボー豆腐。
(栗林)ストレスためてたのかなぁ?とろろそば。
うん?栗林さん。
ここに料理の本ってありましたっけ?あっ!湯川先生。
あいつです。
超生意気小娘刑事。
ああ。
神妙な顔しちゃって。
テレビカメラ意識して猫かぶってんですよ。
雌猫が!あっ。
何で消すんですか?彼女のことが嫌いなんでしょう?今ならどんなに悪口言っても生意気な口答えされないのに。
人間がちっちゃいなぁって思ってます?そこまでは。
ちょっと思ったんだ。
栗林さん。
いいです。
僕も思いましたから今。
ここに料理の本…。
でも僕はそんな僕を肯定したい。
ちっちゃな自分を認めちゃえばストレスもたまらなーい。
海に飛び込んだりもしなーい。
いいことだらけだ。
悲しいな。
ハハハハ。
休憩入ります。
ナメコ汁。
泳げる人が水の中で死ぬまで我慢できんのかな?
(アイザック)この人が飛び込むところ見た人がいるんでしょう?3人も。
(アイザック)自殺は我慢や根性でするものじゃありません。
何かに追い詰められてふっと身を投げるんですね。
追い詰められて。
(アイザック)ちょっとお茶でもしましょっか。
あっ。
実はこの早見さん。
声に追い詰められてたっていう会社の人の証言があるんです。
声?私が告別式で見た早見さんもまさにそんな感じでした。
つまり幻聴。
あり得ない声もしくは音が聞こえる。
幻聴?幻聴が起こる原因は幾つかありますね。
幾つか?例えば…。
へえー。
(太田川)はあー。
おしゃれだね。
あれじゃない?これ。
あの。
自分の決まったデスクはなくてどこで仕事してもいいってやつだよ。
はあー。
(太田川)すごいねこれ。
(睦美)お待たせしました。
こちらへどうぞ。
(太田川)あら。
またしゃれてるね。
おい。
(睦美)こちらで少々お待ちいただいてもよろしいですか?あっはい。
(睦美)よろしければ飲み物とかご自由にどうぞ。
(太田川)あっ。
ありがとうございます。
ちょっとこれ全部タダかい?おい。
すごいね。
私コーヒーでいいよ。
(太田川)何でだ?おい。
先輩だぞ。
こら。
警察の方が早見社長のことで聞きたいことがあるそうです。
(加山)警察?
(睦美)大丈夫ですか?加山さん。
(加山)ああ。
(太田川)はい。
でもこれって捜査が必要な事件なのかな?同じ会社の人間が立て続けに2人死んだっつってもどっちも自殺だろ?私的に引っ掛かんのよ。
特に早見さんの死は。
(バイブレーターの音)
(太田川)私的に?新米のぺいぺいが私的に?ハァー。
はい。
岸谷ですけど。
とろっとしている料理といえば何だろう?はっ?学生に分子の動粘性率を料理を使って説明したいんだが適当なものが思い付かなくてね。
湯川先生。
つまり粘り気というものをν=l×cという計算式で説明したいんだ。
νは動粘性率。
lは分子間の距離。
cは液体中の分子の速度。
(加山)あっ。
うっ。
(社員)加山さん?
(加山)うわー!
(社員たち)キャー!
(加山)うわー!
(太田川)何だ?
(睦美)加山さん!
(加山)やめろ!例えばチョコレートドリンクのような液体では分子と分子が離れているほど…。
今取り込み中!
(加山)やめてくれ!どうされたんですか?
(加山)黙れって言ってんだろ!落ち着いてください!
(加山)うるさい!
(一同)うわー!僕は待ってればいいのかな?
(加山)俺は関係ないじゃないか?白井君。
君に恨まれる理由なんかないだろ!加山さん。
(加山)うわっ。
加山さん。
ううっ!岸谷!ううっ。
あっ!
(加山)うおっ!うっ。
うっ。
うっ。
おとなしくしなさい。
(太田川)大丈夫か?逮捕術は心得ているんでご心配なく。
(加山)うわっ!ああっ!い…。
ああー!
(太田川)この野郎。
ううっ。
(加山)うわー!救急車!救急車呼んで!
(社員)救急車。
救急車。
(睦美)大丈夫ですか?
(社員)タオル。
ああー!えーっ!?お尻に穴が。
穴。
穴がお尻に。

(由加里)美砂。
(聡子)大丈夫?お尻が痛い。
(聡子)そりゃ痛いよね。
(由加里)かわいそうに。
刺されちゃうなんて。
お尻丸出しにして縫われたのよ。
しかも若い男の先生に。
(聡子)たった2針でしょ。
男にお尻丸出し。
(由加里)美砂にはつらいかもね。
男慣れしてないから。
関係ない。
(聡子)美砂は恋愛経験ゼロだから。
ゼロじゃないから。
(由加里)ああ。
いたいた。
ほら。
法学部の中島君。
(聡子)ああ中島君。
告白もできずに終わった。
ちょっと。
(由加里)違う。
バレンタインにチョコ渡して振られたんだって。
やめて。
(聡子)そうだ。
余計なこと言っちゃったんだ。
美砂。
(由加里)そう。
このチョコはデパートで安売りしてたからとか義理チョコだからとか。
今そんな話しなくたっていいでしょ。
(聡子)美砂ってさ普段は誰が相手でもずけずけ物言うくせに好きになった男の前じゃ人が変わるよね。
(由加里)変わる変わる。
もうさしゃべり方が遠回しになってすごいもう何言ってるか全然分かんない。
ああ。
もうやめて!あっあっ。
いったー。
痛い。

(ノック)・
(戸の開く音)
(医師)岸谷さん。
お尻見せてくださいね。
(由加里)イケメン。
(聡子)最悪。
ああ。
(由加里)じゃあ私たちはこれで。
(聡子)またね美砂。
もう来ないで。
(医師)失礼しますね。
あっ。
(医師)ちょっといいです?ああー。
うーん。
(医師)ああ。
(医師)もうよさそうですね。
あしたには退院できますから。
でもまだ痛いんですけど。
大丈夫。
痛み止め出しておきますから。
お大事に。
ううー。
・泣いているのか?湯川先生!?君とは特に親しいわけではないが刺されたと聞いたら見舞いに来ないわけにはいかない。
いつからそこに?しかしあした退院するんだったらわざわざ見舞いに来るまでもなかったかな。
これは自宅でゆっくり食べてくれ。
何で桃?理由はない。
しかしよかったじゃないか。
尻はただの筋肉だ。
重要な臓器は何もない。
カッターナイフで刺されたぐらいなら軽い傷が残る程度だ。
じゃあお大事に。
えっ?あっ。
先生!これは呪いです。
早見社長。
加山さん。
そして私。
みんな白井先輩に呪われたんです。
私学生時代生意気だってにらまれてましたからあの人に。
きっとまた犠牲者が出ます。
お大事に。
先生。
先生!あっ。
うっ。
ケツ刺されたんだって?うーん。
白井先輩。
ああ。
白井冴子さんと早見社長の不倫関係は3年ほど続き先月早見社長が一方的に別れ話を切り出したようです。
さくっと。
プッ。
フフフ。
栗林さん。
これお願いします。
はい。
ですから白井冴子さんが早見社長を呪う理由はあったってわけです。
僕には関係のない話だと思うが。
それから私を刺した加山幸宏ですが。
刑事のくせにカッコ悪っ。
取り調べで彼はこんな供述を。
《最初に白井さんの声が聞こえたのは社長が自殺した次の日です。
次はお前の番だって》《お前の番?》《お前を呪ってやる。
殺してやるって》《耳栓をしても駄目で。
日に日に激しくなって》声が聞こえた?そんなバカな。
確かに白井冴子さんは学生のころからプライドが高くて高飛車な部分がありました。
同じじゃないか。
お前も呪う女だ。
あんたにしゃべってんじゃないわよ。
僕は湯川先生の。
助手でしょ。
湯川先生が学生だったころからずっと誰かの助手やってるんでしょ?僕だっていつかは。
なれないから。
准教授にも教授にもなれないから。
な…何で言い切れるんだよ?不倫だの呪いだのそんなことはどうでもいい。
何で?僕が興味を持つとしたらある特定の人間にだけ特殊な声が聞こえるという現象だけだ。
だからそれは白井冴子さんの呪いなんじゃないかって。
バーカ。
呪いなんてあるわけないだろ。
(社員)うちどうなっちゃうの?
(社員)マジでヤバいよ。
(社員)社長が死んじゃうし加山さんもあんなことになっちゃって。
(社員)普通に考えたらもう駄目よねこの会社。
(社員)脇坂さん。
(社員)ねえ?今のうちに一緒に辞めない?
(社員)次は誰が白井さんに呪われるか分かんないのよ。
えっ?
(社員)だって白井さんから好かれてた人なんていないもん。
(耳鳴り)
(社員)どうした?
(社員)脇坂さん?あっ。
ちょっと頭痛が。
ごめんなさい。
ハァー。
(冴子)《何なの?いったい》《私が恥をかいたのよ。
あなたのミスで》《チッ。
ホント使えない》
(冴子)《コップが汚れてんだけど》《私が洗えばいいってこと?》
(睦美)《あっ。
すみません。
私やります》
(冴子)《社長のお気に入りなんだって?あなた》《それともあなたが色目使ってんの?》次は私。

(小中)脇坂さん。
(睦美)小中さん。
(小中)どうしたの?大丈夫?
(睦美)ああ。
別に何でも。
(小中)あっ。
今警察の人が来ててさ社員全員に面談したいって。
(睦美)えっ?
(社員)変わったことですか?何でもいいんです。
気になることがあったら。
「データ復旧サービス」
(社員)実はあの。
頭痛がするんです。
頭の左側だけ。
左側?
(社員)でも腰は右が痛いんです。
右。
データ復旧サービスとはどういう仕事ですか?
(社員)何げなく時計を見るといつも13分なんです。
「ミラーリング」13分。
「ディザスタリカバリー」
(社員)11時13分。
12時13分。
13時13分。
私もう怖くて。
それは関係…。
「フェイルオーバー」「スケーラビリティ」箸が折れました。
おととい昼飯のとき。
ああ。
不吉ですよね。
あなたもこんな高度なプログラミングを?一応システムエンジニアですから。
ありがとうございました。
ハァ。
質問がかみ合ってない。
みんながしゃべってくれることを科学的に検証するのが先生の役目でしょ?科学的な検証に値するような話は一つもない。
そうだけど。
何かヒントがあるかも。
分かったのは社員全員がおびえてるということだけだ。
そう。
例えばそういうこと。
そういうことには興味ない。
社員の話を聞きたいって言ったのは先生でしょ。
早見社長も加山さんもこの場所で女の声を聞いた。
早見社長は告別式会場でも声を聞いています。
もちろん告別式会場のスタッフにも話を聞く。
どんどんストレスがたまってく。
どうして私はこんな人と関わってんの?
(睦美)あっ。
脇坂睦美です。
あ…。
お座りください。
帝都大学の湯川准教授です。
物理学者です。
よろしく。
物理学者?今回の一連の事件を解明するためにご協力いただいてるんです。
ああ。
あっ。
おケガは大丈夫ですか?刑事さん。
ああ。
ハハハ。
まだちょっと痛いけど。
尻に傷が残っただけです。
やめて。
加山さんはあんなことする人じゃありません。
あのときは絶対何かあったんです。
あなたが初めてだ。
加山さんの心配をされたのは。
彼はとても反省しています。
私を刺したのは事実なので傷害罪は免れないでしょうがあの行動が本人の意思によるものでなければ不起訴になるかもしれません。
本人の意思によるものではない?あなたは聞いたことがありますか?他人には聞こえない声を。
あるんですか?声じゃありません。
というと?加山さんが騒ぎを起こした次の日ぐらいから耳鳴りがするんです。
耳鳴り?初めはどこかで何かの音が鳴ってるのかと思いました。
でも周りを見ると誰もそんなふうじゃなくて自分だけに聞こえる音だって。
それはこの会社にいるとき?はい。
えっ?耳鳴りってあのキーンっていうやつ?いえ。
どっちかというとブーンっていう。
虫が頭の中を飛び回っているような。
とにかく不快な音です。
ブーン?白井さんの呪いと関係あるんでしょうか?耳鳴りは呪いじゃないと思うけど。
いや。
一連の事件と関係ないとは言い切れません。
えっ?何か言われたの?警察の人に。
(睦美)小中さん。
(睦美)次は私です。
(小中)えっ?
(睦美)白井さんに呪い殺される。
そんなわけないよ。
君が呪われるなんて。
(睦美)ああ。
ありがとうございます。
大丈夫だよ脇坂さんは。
何じゃ?こりゃ。
壁6面に吸音材を取り付けた無響室だ。
ここで工業製品の動作音測定や音響機器の周波数特性などを研究している。
全然理解できないんですけど。
できなくていい。
そこに立ってくれ。
何?そこに立ってくれ。
ハァー。
で?「ではお願いします」
(作動音)・
(音楽)あっ。
何が起こった?音楽が聞こえます。
これは確かモーツァルトの。
半歩右へ。
半歩右へ動く。

(音楽)ハァー。
右。

(音楽)あれ?何が起こった?聞こえなくなった。
元の位置へ戻る。

(音楽)聞こえる。
えっ?聞こえない。
聞こえる。
聞こえない。
聞こえ…。
何で?ありがとうございます。
これは超指向性スピーカーでハイパーソニックサウンドシステムともいう。
これを使えば大勢の中の一人にだけ音を聞かせることができる。
大勢の中の一人にだけ?例えばオフィスの中にいる誰かにだけ。
それだ。
これですよ。
違う。
これを使って誰かが早見社長や加山さんにそれを。
違う!音なら耳をふさげば聞こえなくなるはずだ。
はっ?加山さんの供述にもあったんだろう。
耳栓をしていても声は聞こえたと。
ああ。
つまり彼らが聞いた声はこの超指向性スピーカーによるものではないということだ。
もう帰っていい。
はあ?お疲れさまでした。
(男性)お疲れさまでした。
あっ。
すいません。
(男性)お疲れさまでした。
湯川先生!ちょっと待ってよ。
これじゃないってことを説明するためだけに私をわざわざここに?検証の過程をできるだけ報告してほしいと言ってきたのは君の方だ。
そうだけど。
こんなの時間の無駄でしょ!無駄じゃない。
仮説が一つ消去されたことによって次の仮説の検証に移ることができる。
あっ。
次の仮説があるんですか?今はない。
ない。
他の人には聞こえない声が聞こえる。
このストレスをどこで発散したらいいの?あっ。
今日はいないの?あの万年助手。
自分だけに聞こえる声。
先生。
私たちは湯川先生の好奇心を満足させるために捜査してるんじゃないんです。
やっぱり早見社長も加山さんも幻聴を聞いたんですよ。
ただの幻聴。
幻聴で片付けるのか?君は。
じゃあ脇坂睦美さんの耳鳴りはどう説明するんだ?幻聴にだって色々あるんです。
解剖医のアイザック先生に聞いたんだから。
それは医学の範疇だ。
幻聴が起こる原因は器質性によるもの。
精神病性によるもの。
症状性によるもの。
よく覚えたな。
心因性によるもの。
薬理性によるもの。
しかし興味はない。
そして特殊状況下における正常な反応。
もういいです。
分かりました。
帰ります。
待て。
特殊状況下における正常な反応とは何のことだ?例えば断眠。
だんみん?何日間も眠らせない状況に置くと人間は幻聴を聞く。
あるいは感覚遮断。
感覚遮断。
長期間狭い独房の中に閉じ込められた人間は幻聴を聞く。
あるいは強電磁場にいるとき。
強電磁場。
あっ。
強いっていう字を書いて強電磁場。

(睦美)《声じゃありません》《強電磁場》
(睦美)《ブーンっていう》
(加山)《耳栓をしても》
(睦美)《虫が頭の中を飛び回っているような》やっと物理学の領域に入った。
あっ。
声の正体が分かったんですか?これを実証するためには実際に作ってみなければ。
作る!?僕に3日時間をくれ。

(ドアノブを回す音)ああ。
もう自動ドアにしなさいって言ってるでしょ。
あっ。
夜遅くまでご苦労さまです。
おおー。
一人で頑張ってやってるじゃん。
何だ?うん。
別に。
ちゃんとやってるかって視察しに来ただけ。
い…。
3日時間をくれと言ったはずだ。
まだ2日ある。
だからタクシーで近く通ったからちょっと寄っただけ。
見に来ただけ。
もう。
酔ってるな。
正確にいえば血中アルコール濃度が0.2%を超えアルコールの影響が大脳辺縁系のみならず小脳にまで及んでいる。
つまり今君はべろべろに酔っぱらっている。
うん。
はい。
そうでーす。
友達に昔のこと散々からかわれて。
もう眠い。
眠い。
寝るな。
寝ません。
先生に寝顔見せないもーん。
ウフッ。
あーあ。
水飲んだら帰りますよ。
あっ。
コップがいっぱいある。
勝手に使ってくれ。
じゃあこれ。
ハァー。
マッチングがよくないな。
回路を変えてみるか。
毎日こんな遅くまでここにいるんですか?君が妙な話を持ってこなければ今ごろはもうベッドの中だ。
変調回路か。
ごめんなさい。
嘘だ。
研究室に遅くまでいることはざらにある。
ハァー。
酔いはさめたのか?んなわけないでしょ。
悪酔いするほど人にからかわれるとは。
エリートを自称する君らしくないな。
エリートだって色々あんのよ。
もう。
もう。
い…。
ああ。
ああー。
もう眠い。
ここで寝るなと言っている。
うーん。
うん。
岸谷君。
不倫相手を呪うって。
それほど好きだったってことかな?ホントに人のことを好きになったら平気でプライドとか捨てられるもんなのかなって。
呪うなんて惨め過ぎる。
僕に聞いてるのか?私にはできない。
でもうらやましい。
寝るな。
(いびき)中島君。
(いびき)よし。
うん。
うん。
誰?うん。
はい。
えっ?コンビニ強盗?あっ。
すぐ行きます。
ああー。
はあー。
ああ。
やっぱちょっと寝たらすっきりした。
ああ。
あれ?何だ?これ。
現場に行くのか?もちろんです。
大丈夫なのか?はい。
もう酔いはさめたんで。
あっ。
じゃあ2日後に。
(社員)ですよね。
申し訳ございませんでした。
(太田川)《シールを剥がして耳のところに付けてください》
(睦美)《耳のところって?》
(太田川)《どこだよ?岸谷》《えっ?》《うわー。
何?この説明書》《もっと分かりやすく書きなさいよ》《ああーっと。
「側頭骨の後耳介筋上に貼りコードは胸鎖乳突筋から頭板状筋…」》《耳の後ろですたぶん》《あっ。
髪の毛に隠れるように貼ってください》《あっはい》《ホントか?おい》《えー。
送信機は外から見えないように装着してください》《はい》《中。
はい》
(太田川)《で耳鳴りが始まったらわれわれにもその音が届くようになってます》《どんな仕組みなんだよ?》《変人物理学者が考えることなんて分かるわけないでしょ》《またその口の利き方》《耳鳴りが始まってもできるだけ我慢してください》・失礼します。

(太田川)失礼します。

(社員)分かりました。
機会がありましたらぜひまた。
(社員)契約延長しないって?
(社員)ああ。
もう!
(社員)そんなにいらつくなよ。
(耳鳴り)
(耳鳴り)
(耳鳴り)誰?
(スピーカーからの音)
(社員)うわっ。
何だ?この音。
(社員)何?
(スピーカーからの音)
(睦美)この音です。
(スピーカーからの音)
(社員)うるせえ。
何だよ?これ。
(スピーカーからの音)止まった。
(社員)何だったんだよ?そこ動かない!あなた確かシステムエンジニアの小中行秀さん。
私のこと覚えてるわよね?今隠したの出しなさい。

(太田川)あっ。
ああ。
ああ。
(小中)脇坂さん。
なるほど。
なかなかよくできている。
湯川先生が作ったものとほぼ同じでしたね。
どうしてこれで音を聞かせることができるんですか?フレイ効果だよ。
フレイ効果?電磁波を音に合わせたパルス波形にして照射すれば頭部との相互作用で照射された人間にだけ音が聞こえるんだ。
えっ?パルス波形?フレイ効果を使えば特定の人物を狙って音を聞かせることができるんだよ。
それって超指向性スピーカーと同じことなんじゃない…。
違う。
スピーカーから出る音というのは空気中を波となって鼓膜に伝わっていくということだ。
しかしフレイ効果を利用したこの装置を使えば鼓膜ではなく直接頭の中に音を響かせることができる。
えっ?全然理解できない。
実際にやってみよう。
小娘。
回れ右。
えっ?あっあっ。
こっちか。
はい。
歩いて。
でも触んないでよ。
触んないよじゃあ。
もう。
はい。
ストップ。
この照射器を目的の人間の頭部に照準を合わせ距離によってボリュームを調整する。
するとその人物に音は届くが隣にいる人間には何も聞こえない。
おそらく20m離れていてもそれは可能だろう。
20m!?小中が早見社長に聞かせた声はこれだ。
えっ?ちょっちょっ。
えっ?えっ?何だ?これ。
何?何が聞こえんの?やめてください!先生!えっ?な…。
これだ。
(女性)「許さない」えっ?
(女性)「あなたを絶対に」うわっ。
(女性)「許さない」はっ?
(女性)「呪ってやる」うっ。
(女性)「あの世から」何?これ。
ああー!な…。
もうもういい!もういい!もういい!耳をふさいでも声が聞こえただろう?嫌な声ですよ。
気持ち悪過ぎる。
もちろんこれは亡くなった白井冴子さんの声ではない。
しかし葬儀の場でいきなりこんな声が聞こえてきたら不倫相手だった早見社長はうろたえるだろう。
《白井君》きっと死者の声だと思ったに違いない。
(女性)《「あなたを絶対に許さない」》《「呪ってやる」》
(早見)《やめろ!》
(加山)《社長!》
(女性)《「あの世から呪ってやる」》
(早見)《うわあー!》そして加山さんにも。
《うわー!》
(女性)《「次はお前の番だ」》
(加山)《やめろ!》
(女性)《「お前を呪ってやる」》《「殺してやる」》
(栗林)そりゃノイローゼにもなっちゃいますよ。
でも小中はどうして加山さんにまで?そんなことより大きな謎が一つ残っている。
えっ?早見社長と加山さんが聞いたのは女の声だったのに脇坂睦美さんに聞かせたのはなぜこの音だったのか?うわっ。
ちょっ。
触んないでってのもう。
(照射器の音)
(栗林)何だ?これ。
あっ。
脇坂さんに聞こえていた耳鳴り。
実はこの音には仕掛けがあるんだ。
(照射器の音)
(照射器からの声)「あなたは小中行秀を愛している」えっ!?「あなたは」言葉を低周波に乗せて聞かせてるんだ。
そしてこうすることによって。
「小中行秀を愛している」「あなたは小中行秀を愛している」小中の声!?つまり一種のサブリミナルですか?おそらくそうでしょうね。
えっ?サ…サブリミナル?小中は脇坂さんの潜在意識に暗示をかけようとした?「あなたは小…」えっ?自分のことを好きにさせようとしてたってこと?でもサブリミナルの効果なんて今はほぼ完全に否定されてんだよ。
えっ?分からない。
ここまでのものを作れる人間がなぜこんな非論理的なことを?しかも脇坂睦美さんにだけ。
社長は。
早見は最低の人間です。
自分の部下と不倫して捨てたんですよ。
(太田川)捨てられて手首を切った白井冴子さんの敵を討ったって言いたいのか?あいつは脇坂さんにも。
《あっ。
ご苦労さまです》
(早見)《ああ》
(小中)脇坂さんにも手を出そうとしてたんだ!加山さんを狙った理由は?
(睦美)《大丈夫ですか?加山さん》
(加山)《ああ》嫉妬かよ。
じゃあ何で脇坂さんにあんな気持ち悪い音聞かせたんだ?おい。
あなたは小中行秀を愛してる?あんなんで自分にほれると思ったのか?もう少しだったのに。
(太田川)えっ?もう少しだったのに!私分かるような気がします。
小中がどうしてサブリミナルなんて方法使ったのか。
なぜ?あるじゃないですか。
普通のことははっきり口に出せても好きとかそういうことになってくると。
何ていうの?遠回しでまどろっこしい言い方しかできないっていうか。
何のことだ?いるでしょ?普段はストレートに物が言えても恋愛とか絡んでくると急にこう不器用になっちゃう人。
分からない。
何で?何で?呪いの声の正体も耳鳴りの正体も全部分かっちゃう人が何でこんなこと分かんないの?普通のことでしょ?神様は信じてなくても縁結びの神様にはお参りしちゃったりするじゃない。
B型とO型が相性がいいっていわれたらうまくいくかもなんて期待しちゃったりするでしょ?君は中島君のことを言ってるのか?僕は小中が効果の期待できないサブリミナルを選んだ理由が分からないのであって小中の性格を問題にしているわけではない。
なぜだ?どうして知ってんの?サブリミナル。
何で知ってんのよ!?さっぱり分からない。
2015/05/20(水) 14:55〜15:50
関西テレビ1
ガリレオ #03[再][字]

「心聴る(きこえる)復讐する亡霊社内連続怪死事件!」
福山雅治 吉高由里子 渡辺いっけい 澤部佑 大島優子 ほか

詳細情報
番組内容
 湯川学(福山雅治)は、人間を自殺に追い込む“呪いの声”の謎に挑む。事件が起きたのは、貝塚北署刑事・岸谷美砂(吉高由里子)の大学時代の先輩である白井冴子(陽月華)の告別式会場だった。そこで、冴子が勤めていた会社ペンマックスの社長・早見達郎(近江谷太朗)が、突然両耳を押さえて叫び出し、会場から飛び出したのだ。早見は、その翌日に東京湾で遺体となって発見され、目撃者の証言から自殺の可能性が高いと
番組内容2
推測された。実は早見は冴子と不倫関係にあり、冴子が自殺したのは早見に捨てられたからだというウワサもあった。
 早見の死に不審を抱いた美砂は、ペンマックス社を訪れる。するとそこで、同社社員の加山幸宏(宮本大誠)が突然暴れ出し、美砂に襲いかかる。美砂は、加山を取り押さえたものの、カッターナイフで臀部(でんぶ)を刺されていた。
 取り調べを受けた加山は、早見が自殺した翌日から「次はお前の番だ」という
番組内容3
冴子の声が聞こえ始めたと証言した。それは日に日に激しくなり、耳栓をしてもダメだったという。
 美砂から聞いた加山の話に興味を抱いた湯川は、ペンマックス社を訪れ、社員たちから話を聴く。すると、社員のひとり、脇坂睦美(大島優子)が、加山の事件後、不快な耳鳴りがするようになったと訴える。湯川は、睦美の耳鳴りも一連の事件と関係がある可能性を考慮しつつ、他の人間には聞こえない“声”の謎を解明しようと試みる。
出演者
福山雅治 
吉高由里子 

澤部佑(ハライチ) 
渡辺いっけい 

ほか
スタッフ
【原作】
東野圭吾 

【脚本】
福田靖 

【企画】
鈴木吉弘 

【プロデュース】 
牧野正 

【演出】
西坂瑞城 
澤田鎌作 

【音楽】
福山雅治 
菅野祐悟 
『オリジナルサウンドトラック』(ユニバーサルミュージック) 

【主題歌】
KOH+『恋の魔力』(ユニバーサル J) 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:28469(0x6F35)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: