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 【午後3時】両対局者におやつが運ばれた。ともに浮月楼のパティシエによる特製スイーツだ。皿の上に、黒蜜プリン、オレンジケーキ、ガトーショコラ、バニラクッキー、ベイクドチーズケーキが、ちょっとずつ載っている。ホットコーヒーもついている。

 控室のモニターには、両者が同時にプリンを食べる、ほほ笑ましいシーンが映し出されている。(深松真司)

■対局再開

 【午後1時30分】対局が再開した。行方八段は9分ほどして着席。昼食をとった後はゆっくり過ごすのがスタイルのようだ。

 羽生名人の攻めに対して、行方八段が受けに回る展開。ただ、副立会人で解説の橋本崇載八段は「先手の攻め方がわからない」と話す。ここからの羽生名人の攻め方が注目される。(村瀬信也)

■昼食は共に「魚」

 【午後0時30分】行方八段が52手目に49分考えたところで昼食休憩に入った。消費時間は羽生名人が5時間28分、行方八段が6時間1分。午後1時30分に再開する。

 昼食の注文は羽生名人がすし(静岡にぎり)、行方八段がうな重(上)だった。静岡にぎりは桜エビ、生シラスの軍艦巻きなどが盛りつけられている。うな重には肝吸いが添えられた。メニューは違うが、共に好物で腹を満たして午後の戦いに臨む。(村瀬信也)

■名人の勝負勘

 【午前11時30分】控室では、副立会人で解説を務める橋本崇載(たかのり)八段が、羽生名人の時間の使い方に首をひねっている。「封じ手の▲8六銀に54分はすごいですねえ。盤上この一手に持ち時間の9分の1ですからね」

 持ち時間の使い方について、両対局者と対戦経験のある橋本八段はこう語る。「行方さんは時間を惜しみなく使って、終盤は大体時間に追われている。しかし時間がなくなっても終盤に絶対の自信を持っている。羽生さんは独特なところがあって、序盤で時間を使っていても突然指し手のスピードが上がることがある。相手が考えたい、という雰囲気をかぎ取るのがうまい。百戦錬磨の勝負勘だと思います」。プロが、指し手だけでなく時間の使い方にも細心の注意を払っていることがよくわかるエピソードだ。(村瀬信也)

■大盤解説会始まる

 【午前10時】浮月楼で2日目の大盤解説会が始まった。中尾敏之五段と本田小百合女流三段が1日目の封じ手までの進行を丁寧に説明している。(深松真司)

■開戦は間近

 【午前10時】前日に引き続き、長い序盤戦が続いている。封じ手の▲8六銀は大方の予想通りだったが、その後も双方の着手は慎重だ。

 副立会人の菅井竜也六段は「駒がぶつかったら差が開いている時もある。既にかなり緊迫しています」と話す。開戦を控え、水面下では深い読みあいが繰り広げられている。(村瀬信也)

■封じ手は▲8六銀、2日目始まる

 【午前9時】羽生善治名人(44)に行方尚史八段(41)が挑戦している第73期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局が静岡市の浮月楼(ふげつろう)で再開され、2日目に入った。

 1日目の指し手が並べ直され、立会人の大内延介(のぶゆき)九段が封じ手を開封した。前日夕に羽生名人が封じていた41手目は▲8六銀。40手目△8五桂の当たりになっていた銀を逃げた手で、検討陣も「この一手しかない」と本命視していた。

 持ち時間は各9時間で、1日目の消費時間は名人が4時間24分(残り4時間36分)、挑戦者が3時間43分(残り5時間17分)。本日夜までに終局する見込み。

 ここまで羽生名人の2勝、行方挑戦者の1勝。名人が防衛にあと1勝と迫るのか、挑戦者が再びタイに戻すのか。シリーズの大きな山場だ。(深松真司)