③ダイエットの続け方
さて、ダイエットの正しいやり方がわかっても、もうひとつ難しいことがあります。それは、ダイエットを「続けるのはたいへん」だということです。
今までなにかを継続できなかったとき、自分にはやる気や根気が足りないからだと落ち込んだことはないでしょうか。本書では、「そんなことはない!」ということをお伝えしたいと思います。
そもそも、ほとんどの人の「意志の力」というのは、〝まったく〟あてになりません。やらなければいけないことを、やらなかったり、あとまわしにするのは、まったくもって普通のことなのです。
では、どうしたらいいのか。
その秘訣は「習慣」にあります。たとえばみなさんも、歯磨きは毎日しますよね。それは努力してやっていることでしょうか。そうではなくて、「そういうもの」だからやっていて、むしろ、やらないと「気持ち悪い」。それが習慣というものなのです。
本書の3章では、〝やせたままでいる生活〟を習慣にする方法を説明します。最新の脳科学や心理学の研究成果から、習慣はどうやってできるのかということが、だいぶわかってきました。たとえば、スポーツ選手は継続の達人ですが、じつは彼らは、習慣化の達人でもあります。そういった、継続についての「理論と実践」をお伝えします。
歳をとるだけで太りやすくなります
人間が太ってしまう大きな原因が、もうひとつあります。それは加齢です。誰でも歳をとるものですが、じつは、それ自体が太る理由になるのです。
先ほど、リバウンドの原因のひとつに、食事制限をすると筋肉が落ちて、基礎代謝が下がってしまうことをあげました。同じように、歳をとることでも、筋肉量は減っていきます。
ひとの筋肉の量は20~30代でピークを迎えます。その後、毎年0.4%~1%ずつ減っていくのです。ですので、最大で1%減ると考えると、10年歳をとれば10%ずつ筋肉量が減ることになります。その分、基礎代謝が減って、脂肪がつきやすくなるわけです。
図3. 年齢と筋肉量の変化
また、筋肉が減ると体力が落ちます。疲れやすくなるので、動くのがおっくうになってきて、さらに太りやすく……と、非常によくない負のスパイラルに陥ってしまいます。
筋肉は、使わないとみるみる減ってしまいます。このことを私たちに教えてくれたのは、宇宙飛行士たちです。
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