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 自民、民主の2大政党のはざまで存在感を示してきた「第三極」政党が勢いを失っている。象徴だった維新の党は、橋下徹最高顧問が政界引退を表明し、失速ぎみ。渡辺喜美代表のもと勢力を拡大したみんなの党も消滅するなど、勢いは軒並み衰えている。背景には、獲得議席数の振れ幅が大きい二大政党制と、党首のキャラクターに頼る第三極特有の限界がある。

 「自民、民主に関係なく、独自の政策をぶつけて維新はこういう政党だという理解を広げていけたら」。維新代表を辞任した江田憲司氏は19日、「第三極」としての基本姿勢をこう語った。

 維新は2010年、地域政党「大阪維新の会」から始まった。民主党政権の支持率が低迷し、野党だった自民党の信頼も回復しない中、橋下氏は2大政党の間隙(かんげき)を縫い、「既得権益打破」を掲げて国政に進出した。

 「日本維新の会」を立ち上げ、12年の衆院選では石原慎太郎元東京都知事と組み、民主とほぼ同じ54議席を獲得。野党第2党に躍進し、比例区の得票率は自民党に次ぐ20・4%を得た。常に「改革政党」を掲げ、一定の存在感を発揮。江田氏率いる結いの党と合流して維新の党を結党した。

 しかし、その「改革」の本丸だった「大阪都構想」が17日の住民投票で反対多数となり、頓挫した。改革の旗とそのリーダー橋下氏を失うことになり、党内では、いまや自民と協調か対決かを巡って流動化の兆しも見える。