バス運転手:「待機時間も労働時間」北九州市に支払い命令

毎日新聞 2015年05月21日 00時03分

 北九州市営バス運転手の嘱託職員ら14人が「待機時間は労働時間に当たる」として、時間外賃金の一部計約1240万円(1人約36万〜121万円)を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は20日、職員らの主張を全面的に認め、市に全額の支払いを命じた。山口浩司裁判長は「待機時間も乗客対応が黙示的に義務付けられている」と指摘した。

 判決によると、職員らは終点に到着したバスを別の路線の始発の乗り場に移動させた後で、待機時間に乗客対応などをしていた。市は「待機時間は休憩時間」として時間外賃金は支払わず、1時間140円の報酬しか支給しなかった。職員らは「待機時間はバスを離れられず、労働基準法の労働時間に当たる」として2年間の未払い分を求め、山口裁判長は「待機時間でも労働の解放が保障されていない」と判断して職員らの主張を認めた。

 北九州市は「今後の対応については判決内容を検討して決定したい」とコメントした。【鈴木一生】

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