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 米国防総省のウォーレン報道部長は19日、過激派組織「イスラム国」(IS)が制圧したイラク・アンバル州の州都ラマディで、イラク治安部隊が退却する際、戦車など米軍が供与した武器が大量に置き去りにされたと明かした。

 ラマディに置き去りにされたのは、戦車6両や迫撃砲のほか、人員輸送車など車両約100台にのぼるという。ウォーレン部長は「一部は操作できないものもあるが、いくつかは可能だ」とし、ISが戦闘で使用することに懸念を示した。

 一方、米軍の大規模地上部隊は派遣せず、イラク治安部隊への教育・訓練や、空爆作戦を展開してきた従来の戦略について「現在はその戦略を続行する」としつつ、「我々が何を考え、内部でどのような議論が行われているかは、ここで立ち入らない」と述べ、国防総省内で戦略の修正を議論していることも示唆した。

 また、ラマディ陥落については、激しい砂嵐などの天候悪化も要素の一つだとしながら、「指導力や戦術など様々な失敗があった」とイラク治安部隊の対応に不満もにじませた。(ワシントン=佐藤武嗣)