[PR]

 北九州市営バスの嘱託運転手14人が、路線バスの終点到着後、折り返し運転で発車するまでの待機時間の賃金の支払いを求めた訴訟の判決が20日、福岡地裁であった。山口浩司裁判長は「待機中も乗客に適切に対応することが求められており、労働時間にあたる」と認め、市に対し、2010~11年分の未払い賃金として1人あたり約36万~120万円、計約1241万円を支払うように命じた。

 市は、折り返し運転で発車するまでの待機時間を、運転手の休憩時間とみなして賃金を支払わなかった。原告側は12年に提訴。「待機中も忘れ物の確認や車内清掃、乗客の案内をしており、労働から解放された休憩時間にはあたらない」と主張し、「労働時間に含むべきだ」と訴えていた。一方、市側は「バスから離れて自由に過ごすことが許されている。休憩時間中に乗客対応をすることは求めていない」と主張していた。

 判決を受け、市は「大変厳しい判決。内容を早急に検討し、今後の対応を決めたい」とする北橋健治市長のコメントを発表した。