福島原発・指定廃棄物処分場:建設計画めぐり集会二つ

毎日新聞 2015年05月14日 21時08分(最終更新 05月14日 21時37分)

環境省職員らに意見を述べる出席者=宇都宮市の栃木県総合文化センターで2015年5月14日、高橋隆輔撮影
環境省職員らに意見を述べる出席者=宇都宮市の栃木県総合文化センターで2015年5月14日、高橋隆輔撮影
指定廃棄物処分場に反対するシンポジウム会場を埋めた住民ら=塩谷町の日々輝学園高校体育館で2015年5月14日、田内隆弘撮影
指定廃棄物処分場に反対するシンポジウム会場を埋めた住民ら=塩谷町の日々輝学園高校体育館で2015年5月14日、田内隆弘撮影

 ◇環境省が宇都宮でフォーラム 塩谷町反対派住民はシンポ

 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分場を栃木など5県に建設する計画をめぐり、環境省は14日夜、宇都宮市で計画を説明するフォーラムを開催した。これに対抗し、候補地となっている同県塩谷町の反対派住民は、同時刻に約22キロ離れた町内で地元の自然の豊かさをテーマにしたシンポジウムを開いた。

 環境省のフォーラムは4月の仙台市に続いて2回目で、約180人が参加した。担当者らが指定廃棄物に関して説明し、建設に向けた調査に理解を求めた。参加者からは「そんなに安全ならば、東京に造って」「都合の悪いデータを隠す国を信用できない」などの意見が相次いだ。

 同省は毎日新聞の取材に対し、塩谷ではなく宇都宮で開いた理由について「広く県民に理解を得るために交通の便を考えた」と説明した。

 一方、「反対同盟会」が開いたシンポジウムには約1100人が集まり、会場の高校体育館が満席に。約200人は屋外で映像を見ながらの参加となった。参加者らは水源地など地元の自然を住民の手で長く守ることを確認。ある男性(72)は「環境省のフォーラムは都合のいいことを言うだけ。参加すれば実績の材料にされてしまう」と話していた。

 塩谷町では今年2月、環境省が実地計測に訪れたが、地元住民約300人が林道をふさいで抗議したため、引き返した。【田内隆弘、高橋隆輔】

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