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 東京電力福島第一原発の事故で、東電は20日、2号機の格納容器から圧力を逃がすベントが失敗していた可能性が高いと発表した。配管の放射線量を調べたところ、放射性物質が通過していないとみられるという。

 東電は事故で解明できていない部分の調査を続けており、結果の公表は2013年12月と昨年8月に続き3回目。2号機では、11年3月13~14日、複数ある弁が開けられたが、ベントに成功したかどうか分からないまま、格納容器から直接、大量の放射性物質が漏れていた。

 昨年10月、原子炉建屋にロボットを入れ、ベント配管がある部屋で放射線量を調べた。配管のうち、圧力が高まると裂ける「ラプチャーディスク」と呼ばれる板がある付近の放射線量は、毎時0・08~0・30ミリシーベルトと低かった。格納容器側にある弁の周囲も毎時0・15~0・70ミリシーベルトだった。一方、ベントに成功した1号機と共用している排気筒の近くでは、毎時10シーベルト超の高い放射線量が計測されている。

 東電が弁を開けた時点では、板が裂けるほど格納容器内の圧力が高くなく、その後、14日午前11時にあった3号機の水素爆発で一部の弁が閉まってしまい、ベントできずじまいだったとみられるという。(東山正宜)