TOKYO BAR SHOW 2015



過去数回開催されていたようですが
2015年になって 
はじめて行くことができました




総評と結果としては
私が想っていたような
ウイスキー会場ではありませんでした



会場の規模は想ったよりも小さくて
味わえたお酒も
その大半が量販店で買えるものばかりでした




珍しいモルトウイスキーや
現地のサンプルティスティングなどは
ほとんど見かけませんでした


そんな中
会場の一角でやたらと人だかりが見える
ちいさなブースがありました




隣のブースの方に
お話を聞くと
そこはイチローモルトのブース

イチローモルトとは
最近
高騰している国産ウイスキーで

会場内で売られる限定品目当てに
その行列ができているようでした




限定品の販売の後
サンプルを数種類ブースで出していたので
私はシェリーカスクの物と
カスクストレングスの物を飲ませていただきました


はじめて飲むイチローモルトです

評価としては 
酒質自体は
ペナペナではない物の 

その二種には
共通する 
余韻を圧殺する空気 
押し殺すような味の雰囲気が醸し出されていました



余韻を伸ばさず
殺すような独特の気配
これも最近の流行なのでしょうか?


そこからすぐ横のブースには 
最近国際的に評価が高まった
台湾のモルトウイスキー 
カバランを試飲できるブースがありました


カバランは
会場内でバウチャーと呼ばれるチケットを買えば
飲めるとのこと


私は
3回に分けて計3000円ほどチケットを買い
カバランシェリーカスクをはじめ 
いくつかのドリンクやいくつかのフードを味わいました 




カバランのシェリーカスクは
樽の性質の良さを感じさせる物でした


ウイスキー本来のコクは
さほどないものの
上質な樽で熟成させることで
欠点や物足りなさを補っているようでした




しかし
シェリーカスクでも
高級品のフィノシェリーカスクは
想ったほどの出来栄えではありません

定価40000円ぐらいするようなのですが

高級酒としては
できそこないの熟成感でした


その他会場で
様々なモルトウイスキーを飲みました



しかし
イチロー カバラン ロセスをはじめ
飲んだ中で 
結局ウイスキーらしいポテンシャルを感じられたのは
ハイランドパーク ダークオリジンだけでした




ダークオリジンは 
定価8000円位で買えるようなのですが
カバランやイチローのように
シェリーカスク100%というわけではないようですが 


でもその酒質と余韻には
確実に土地の味と言うものを感じさせられました


土地の味がキチンと味わえたウイスキーは
今会場ではハイランドパークのダークオリジンぐらいで

やはり
どんなに良い樽で熟成させて
市場の評価を高めても

ハイランドパークと
最近パッと出立ての蒸留所では
格の違い
ウイスキーづくりに向いている土壌の違いの差があるんだということを
歴然と感じられました




その他ブルークラディック系の
オクトムアもピートが強く
会場内で飲んだアイラモルトの中では 
やや好みの部類の味でした




さまざまなカクテルと共に
今のメーカーズマークも飲みました



今のメーカーズマーク
約10年以上ぶりに飲んだのですが


最近ブログでご紹介した 
20年以上前のメーカーズマークの味の片鱗は
何ら感じられませんでした
http://blog.livedoor.jp/ushirodate/archives/24808850.html




バーボンの味がしません

出所不明なライトウイスキーの味

その味はもはや
カクテルベースのホワイトラム酒のレベルとまでいって良いレベルで


なるほど
昔のメーカーズマークが
リップヴァンウィンクルにも引けを取らないくらいおいしいのに
あまり評価がされなかったのは

最近のこのメーカーズマークの味のせいだからか
と想いました



なぜならば
昔のメーカーズマークと
最近のメーカーズマークは
ボトルの形状にほとんど変化がなく

外見だけで酒を判別なさる人達からすれば

現代のメーカーズマーク=まずい
外見が同じ昔のメーカーズマーク=外見が同じだからまずい

と判断されてしまうのだろうっとおもいました



会場内では
昔の知人であられる岸久さんに出会うこともできました

岸さんは
本も執筆なされている 
カクテルコンクールで
過去世界チャンピオンになられた経験があるバーテンダーの方で
現在銀座でバーをなされています



今会場内では
スタッフをなされていたようでした


岸さんに

今 どちらでお店をなされてるんですか? 」

そう聞かれたので
私は今の現況を話し
銀座で内装をかけたお店を地上げで追いだされたこと
追いだされないように今度はド田舎の格安持ち物件で
バーをしようと想ってることを
手短く話したのですが


その時の岸さんの目からは 
かわいそうという想いを感じました

今まで私がこうした現況を話すと

大体において 
過去関わりがあった方たちの反応は

もう関わり合いになるのはよそう という感情や
もしくは露骨に馬鹿にするような 笑い者にされるような目つきで
見られることが多かったので

岸さんの憐憫の情の混ざった目線は
ちょっと意外でした



岸さんには 
「 お店ができたら また場所を教えてください 」
と言われました



私は
会場で買ったバウチャーチケットで
酔いながら いくつかのフードも食べていました 

というか
チケットの半分は
会場内のフードに消費してしまったのですが


ウイスキーを飲みながら食べると
ちょっとしたつまみでも やけにおいしく感じられます


なので岸さんにも
ハラミステーキを持って行こうとしたのですが

岸さんの姿が見えません



ちょうどその時
先ほど今のメーカーズマークを
試飲させていただいた女性バーテンダーの方が
なんだか働きづめで 苦しそうな顔をしていたので


よかったら これ 
まだ口つけてないので
食べてください 」
と言って渡しました



喜んで受けとってもらえました



ハラミステーキを
その女性に渡した後
何故か直後に岸さんの姿をまた見かけ


挨拶をしてから
会場を後にしました



会場の色が鮮烈に見えた

たしかに東京は 
味よりも色の方が見えやすいかも

お酒飲んでちょっと酔っぱらってたら
空間の色が ちょっと浮き立って見えてきた

なんて言うだろう?

その空間の総意と言うものが 
浮き立って見えてきた


その空間の総意と
色使いを見ていると
こんな声が聞こえてきた


エンターティメント業界は崩壊する 


酒につけられたその色使いのしるしが
エンターティメント業界を崩壊させる 

崩壊せざるを得ない 」



物悲しそうな声だった

たぶん 
会場に集まった人々の集合意識の声だから

みんな深層意識で
それに気づいてるはず

」(共に会場を訪れた妻の感想のことば)





その後
銀座を回り 
食事をしてから
高速バスで 
地元に戻ってきました




地元に戻った時


ああ 
やっと帰ってきた

都会とは違う 
新鮮な空気だ

楽しいなあ 

息を吸ってて楽しい 

歩いていて楽しい

疲れが洗い流されるような
リフレッシュされるような気を感じました



それは10年以上前
銀座の中央通りを歩いていた時に
感じていたような楽しいという感情で


銀座のように店こそない物の

今回銀座では感じられなかった
歩いていて楽しいという空気が
田舎で感じられるようになったんだ 
と想いました




銀座が変わったせいでしょうか?
それとも
私の心境が変わったせいでしょうか?



どちらにせよ
私は 
東京ではなく 
田舎に落ち着きを
感じれるようになったのです