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 日本人3人を含む外国人観光客21人と警官1人が死亡したチュニジアの国立バルドー博物館襲撃事件で、イタリア警察は20日、事件に関与した疑いでモロッコ人とみられる22歳の男をイタリア北部ミラノ地域で逮捕したと発表した。

 警察の会見によると、男は2月に約90人の移民・難民とともにチュニジアからボートでイタリア南部シチリア島へ密航し、国外退去命令を受けていた。逮捕時には母親ら家族が住むミラノ近郊のアパートに戻ったところだったという。チュニジアの当局は、男が襲撃実行のためにチュニスに戻り、またイタリアへ向かったとみているが、いつどのように出入国したのかは明らかではない。AP通信によると、母親は3月の襲撃事件の後に息子のパスポートが紛失したと報告していた。

 襲撃事件では、武装グループが同博物館にバスで到着した観光客らを銃撃した後、展示室に押し入り、見学中の人たちを襲撃。イタリア人も4人が死亡している。実行犯のうち2人は現場で治安部隊に殺害された。

 治安当局はこれまでに、事件に関与した疑いのある40人以上を逮捕。チュニジア西部での掃討作戦で首謀者とみられる男を殺害した。犯行グループは、イラクやシリアを拠点とする過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓ったとされる。