翁長沖縄知事:「絶対に造らせない」渡米で辺野古中止要求

毎日新聞 2015年05月20日 22時05分(最終更新 05月20日 22時27分)

日本記者クラブで思いを語る翁長雄志沖縄県知事=東京都千代田区で2015年5月20日午前11時13分、梅村直承撮影
日本記者クラブで思いを語る翁長雄志沖縄県知事=東京都千代田区で2015年5月20日午前11時13分、梅村直承撮影

 米海兵隊の基地がある山口県岩国市で、米軍住宅建設反対運動を続けている同市のパート事務員、天野一博さん(64)も沖縄の動きを注視する。「『沖縄の負担軽減に取り組む』との政府の言葉に、岩国をはじめ本土の人々は惑わされてはいけない。メディアは沖縄の声を率直に伝えてほしい」と力を込める。

 本土の関心の高さを裏付ける数字もある。沖縄県議らが移設反対の活動に充てるために作った「辺野古基金」の総額は15日現在で2億円を超え、その7割近くが本土の人たちからの送金だった。

 一方で日本全体の安全保障のために、今も過重な基地負担に苦しむ沖縄の現状について、複雑な思いの人たちもいる。熊本市西区の久保一喜さん(83)は「国籍不明機の領空侵犯の話を聞くたび、抑止力の観点で米軍基地が必要と思う。ただし、地上戦で大きな犠牲が出た沖縄に戦後も負担を強いている現状は悩ましい」と戸惑う。北九州市八幡西区の事務員、福原愛さん(32)は「辺野古移設の前に、政府はまず中国と摩擦をなくす外交努力をすべきだ」と語る。

 本土の雰囲気を踏まえて、元那覇市職員の真栄里泰山(まえざと・たいざん)さん(70)は「まだ十分だとは思わないが、本土の人たちが沖縄に関心を持ち始めていると感じている。政府に毅然と対応する翁長知事を見て、本土の人たちに『沖縄は本気なんだ』という思いが芽生えてきているのではないか」と話す。【柿崎誠、西嶋正法、大山典男】

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