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ベント失敗の可能性 福島第1原発2号機

2015/5/20

 東京電力福島第1原発事故で、2号機の格納容器内部の圧力を下げるために試みられた「ベント」と呼ばれる作業が失敗していた可能性が高いことが20日、分かった。ベントは蒸気を放出する作業で、2号機では実施できたかが不明だった。事故の未解明部分として東電が進めていた調査で初めて裏付けられた。

 2号機では事故発生5日目の2011年3月15日早朝、格納容器下部にある圧力抑制室が破損し、大量の放射性物質が漏れ出たとみられており、所員の多くが一時退避する事態につながった。

 東電はこの前日の14日午後9時ごろ、格納容器から排気筒につながる配管の弁を開ける操作を実施。敷地内の放射線量が一時上昇したが、格納容器圧力は下がらなかった。東電は原子炉建屋のどこかから放射性物質が漏れた可能性もあるとして、ベントができたかは「不明」としてきた。

 ベントは、格納容器圧力が一定以上に上昇した際、配管の途中の「ラプチャーディスク」と呼ばれるステンレス製の薄い板が破れることで放射性物質を含んだ蒸気が放出される仕組み。

 東電が昨年10月、ディスク付近の線量を測定した結果、目立った汚染は確認されなかった。ディスクは破れていないとみられ、ベントができていない可能性が高まったという。


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