5月17日に行われた大阪市の特別区設置を問う住民投票について、全国各紙は事前に「過去最大規模の住民投票」と報じていたが、1950年に東京都で実施された住民投票は有権者数が100万人以上も上回り過去最大だったことが、日本報道検証機構の調査でわかった。
日本国憲法95条は、一つの地方公共団体のみに適用される特別法(地方自治特別法)を制定するときは住民投票で過半数の同意を得なければならないと規定。これに基づき、東京都の都市計画を進めるための「首都建設法」の是非を問う住民投票が1950年6月4日、東京都民を対象に実施されていた。この時の有権者数は334万1232人、投票者数は184万0312人(投票率55.1%)。過半数が賛成を投じ、首都建設法は可決、制定された(1956年の首都圏整備法制定で廃止)。国立公文書館や複数の学術論文などの資料で確認した。
今回大阪市で実施された住民投票は、4月27日の告示日時点での有権者数が214万0786人、5月17日の投票当日で210万4076人だった。投票者数は140万6084人(投票率66.8%)で、有効投票の過半数が反対を投じ、否決された。
読売、朝日、毎日、産経の各紙はいずれも、4月27日の告示日前後や5月17日の投票当日の紙面などで、「過去最大規模の住民投票」と繰り返し報じていた。
過去に規模の大きな住民投票としては、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しについて賛否を問う沖縄県民の住民投票(1996年9月8日、有権者数90万9832人)、 名古屋市議会の解散を問う名古屋市民の住民投票(2011年2月6日、有権者数177万6399人)などがあった。
産経ニュースWEST2015年4月25日掲載 ※産経新聞2015年4月26日付夕刊(大阪版)1面トップにも同じ記事あり。
読売新聞2015年5月17日付朝刊(大阪版)1面トップ
- 特別区設置住民投票(大阪市選挙管理委員会) ※「選挙人名簿登録者数」(2015年4月27日現在)には「(男)1,033,667(女)1,107,119(計)2,140,786」と記されている。当日有権者数については「投票状況 確定」参照。
- (初稿:2015年5月20日 06:07)
- (修正:2015年5月20日 06:29)産経新聞のニュースサイト記事を追加。
- (修正:2015年5月20日 06:30)産経新聞のニュースサイト記事を追加。