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東芝は会計問題で説明尽くせ

2015/5/18付
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 時価総額が2兆円に迫る大企業の決算がいつ発表されるか分からず、投資家は大いに戸惑っている。そんな残念なことが株式市場で起きている。不適切な会計処理の問題で2015年3月期の決算発表を延期した東芝のことだ。

 東芝は不適切会計の解明を法律家などで構成する第三者委員会に委ねると発表した。調査に必要な情報を迅速に提供するなどして、東芝は上場企業としての責任を果たすべきだ。

 問題の中心は、プラントや情報システムなど長期間の事業の収益を計算する「工事進行基準」という会計処理だ。工事の進捗に応じて売上高や費用を毎期の決算に割り振るもので、それらを正確に見積もることが大前提となっている。東芝の場合、費用の見積もりが過小だったため、利益が過大に計上されていた。

 こうした問題は東芝の室町正志会長を委員長とする特別調査委員会が調査してきた。その結果を踏まえ記者会見した田中久雄社長は、不適切会計の背景について「予算達成目標が高く、内部統制が十分に機能しなかった可能性がある」と説明した。

 調査を引きつぐ第三者委は不適切会計の影響の広がりに加え、費用の過小な見積もりに不正の意図がなかったかどうかなども、厳しく検証する必要がある。

 田中社長は会見で「特別委の調査過程で工事進行基準のほかに、さらに調査が必要な事項が判明した」とも述べた。そうした点も第三者委が調査するというが、現時点では詳しい情報が開示されていない。東芝の決算を巡る不透明さは晴れないままだ。

 第三者委が工事進行基準のほかどんな項目を調査するのか、その影響額はどの程度かなど、東芝は株主に十分な情報を機動的に開示する必要がある。

 工事進行基準は建設業や造船業などでも使われている。そうした業界では東芝の会計問題をきっかけに、基準が適切に使われているかどうかの再点検も必要だろう。

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