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 和歌山県太地町の追い込み漁で捕まえたイルカの入手をめぐり、日本動物園水族館協会(JAZA)が世界動物園水族館協会(WAZA)から改善を求められている問題で、イルカを飼育するアクアワールド大洗水族館(大洗町)もその行方に不安を募らせている。大洗水族館も太地町からイルカを入手しており、このルートが絶たれれば、今後の飼育計画が不透明となるからだ。

 大洗水族館で毎日開かれる「イルカショー」。イルカが高さ5メートルのボールに向かってジャンプしたり、アシカを乗せて遊泳したりする演技は、人気イベントとして多くの観客を呼び込んでいる。石橋丈夫館長は「うちではイルカはサメとマンボウに並ぶ目玉の動物。それだけに今回は水族館の存続にかかわる重大問題と受け止めている」と話す。

 大洗水族館では現在、バンドウイルカ4頭、オキゴンドウイルカ3頭、カマイルカ2頭の計9頭が飼育されている。バンドウとオキゴンドウの7頭は1999~2007年に太地町の漁協組合から購入し、カマイルカは、日本海の定置網にたまたま引っかかったものを京都府の水族館から譲り受けたという。