イルカ問題 世界動物園水族館協会残留めぐり、注目の投票

05/19 20:48
水族館で展示されるイルカの入手方法をめぐり、国際組織が日本を非難した。除名も視野に入れたその通告に、どう答えるのか。注目の投票が、19日午後に締め切られた。
豪快なジャンプに、トレーナーと息の合った華麗なパフォーマンス。
大人にも子どもにも人気のイルカショーが、やがて見られなくなるおそれがある。
日本の水族館に、世界が待ったをかけた。
そのきっかけは、イルカの入手方法にあった。
日本では、水族館で展示されるそのほとんどが、和歌山・太地町で行われている伝統漁法「追い込み漁」で捕獲されたイルカ。
この追い込み漁が、倫理規定に違反しているとして、4月、国際組織「WAZA(世界動物園水族館協会)」が、日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止。
さらに、1カ月以内に改善しなければ、除名処分にすると通告した。
福岡市の水族館で活躍するイルカは、20頭。
その内訳を見てみると、館内での繁殖が1頭。
保護したイルカが5頭、ほかの水族館から来た4頭。
そして、太地町からの購入が10頭と、半数を占めている。
1頭の値段は、およそ100万円。
マリンワールド海の中道の高田浩二館長は「『イルカショー』をするためにイルカを飼っているわけではなく、行動展示・生態展示をしていると位置づけています。わたしたちが飼育することによって得られた貴重なデータが、野生個体への保全・保護・治療に役立つ」と話した。
水族館でイルカを飼育する意義を訴える水族館側。
さらに東京海洋大学大学院の加藤秀弘教授は、倫理違反とされた漁について、「例えば、100頭群れがいて、その中で追い込んでいく。そのうち5頭ぐらいを、水族館用で取り上げ、残りは海に戻す。(イルカに配慮した方法?)それもうずっと配慮している」と指摘する。
林農水相は「太地町での追い込み漁については、(科学的根拠に基づいて)適切な管理のもとで実施している。持続的な漁業という認識は、変わらず持っている」と述べた。
一方、今回の問題で、思わぬ余波を受けかねないのが、国内の動物園。
海外から、日本の動物園にやってきた動物たち。
仮に、WAZAから脱退することになると、加盟する海外の動物園との交渉の場が少なくなり、動物の借り受けができなくなるなどのおそれがある。
訪れた人は、「ゾウとかキリンが間近で見られなくなるのは、残念」、「機会を奪わないでほしい。子どもがいろいろな動物見る機会を」などと話した。
日本動物園水族館協会は、WAZAに残留を希望するか否か、加盟する国内の動物園と水族館に投票を募っている。
そして、19日午後、150余りの動物園と水族館で、WAZAから脱退するのか残留するのかを決める投票が締め切られた。
世界からの脱退か、残留か。
多数決による注目の答えは、20日に発表される。

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