ドイツ機墜落 副操縦士が抱えていたという問題にも注目集まる
2015/03/28 17:55
日本人2人を含む乗客・乗員150人が乗ったドイツの旅客機墜落は、副操縦士が病気を隠して操縦していた可能性が明らかになった。
現地では、副操縦士が抱えていたという問題にも、注目が集まっている。
橋を背景にほほ笑んでいるのは、墜落当時、操縦かんを握っていた、アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)。
幼いころから、パイロットになるのが夢で、10代でグライダーの免許を取得した。
「優しく礼儀正しい」、「普通の青年」という評判の一方、精神的に問題を抱えていたとの話もある。
副操縦士の知人は「彼は去年(2014年)、うつ状態のようだった。それはよく知られていたことだよ」と話した。
27日、ドイツの捜査当局は、副操縦士の自宅から破かれた医療機関の診断書を発見した。
具体的な病名は明らかにされていないが、墜落当日も含めて、「勤務不可」とするものだった。
当局は、副操縦士が精神的な病気を会社に隠していたとみて、調査を続けている。
一方、地元メディアは、副操縦士が恋人との関係で悩んでいたと伝えている。
副操縦士が恋人を連れて、よく利用していたというピザ店が自宅近くにあった。
副操縦士が通っていたピザ店店主は「彼は週に1~2回ピザを頼みに来た。いつも笑顔で礼儀正しかった」と話した。
副操縦士は、いつも笑顔で礼儀正しかったと話す店主。
2014年のバレンタインデーには、彼女のために、ハート形のピザを注文し、プレゼントしていたという。
副操縦士が通っていたピザ店店主は「たまに彼女と一緒に来ていたよ。いつも礼儀正しかった。たまにキスしたり、笑ったり、おしゃべりをしていた。2人とも感じが良かった」と話した。
一部メディアは、恋人に近い友人の話として、副操縦士が、2016年に、結婚を考えていたとも伝えている。
また別のメディアは、元恋人の話として、副操縦士が「皆に覚えてもらえるようなことをしようとしていた」と報じた。
副操縦士の自宅の捜索では、政治的・宗教的な背景を示すものは見つかっておらず、当局は、動機などの解明を急いでいる。
一方、墜落直前、副操縦士が機長を操縦室から締め出していたことが明らかになったのを受け、「ヨーロッパ航空安全庁」は27日、少なくとも、1人の操縦士を含む2人以上が、常に操縦室にいるよう求める暫定の勧告を出した。
アメリカでは、2001年の同時多発テロを受け、常に2人以上を保つよう規定を設けていたが、ヨーロッパの複数の航空会社も、導入の方針を発表している。
ヨーロッパでは、コックピットに常時2人がいるよう、義務化する動きがある。
一方、日本ではそのような義務はなく、各社で対応が分かれている。
日本航空と全日空は、パイロット2人が原則だが、トイレに行く間などは、1人になる場合もあるという。
スカイマークでは、短い時間であっても、パイロットと入れ代わりに、客室乗務員がコックピットに入り、常時2人態勢を義務化している。
国土交通省では、新たな規制に向けた国際的な動きを注視しているが、現時点では新たな規制について、検討していないという。